相続税について、平成24事務年度(平成24年7月から平成25年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成22年中及び平成23年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
 実地調査の件数は427件(平成23事務年度489件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は373件(平成23事務年度426件)で、非違割合は87.4%(平成23事務年度87.1%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は119億9千1百万円(平成23事務年度139億6千9百万円)で、実地調査1件当たりでは2,808万円(平成23事務年度2,857万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等41億9千7百万円(平成23事務年度55億3百万円)が最も多く、続いて有価証券15億9千8百万円(平成23事務年度13億9千7百万円)、土地15億1千7百万円(平成23事務年度24億8千7百万円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は19億6千6百万円(平成23事務年度19億2千8百万円)で、実地調査1件当たりでは461万円(平成23事務年度394万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数

重加算税の賦課件数は35件(平成23事務年度66件)、賦課割合は9.4%(平成23事務年度15.5%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
丸1 実地調査件数
489 427 87.3
丸2 申告漏れ等の非違件数
426 373 87.6
丸3 非違割合
(丸2/丸1
ポイント
87.1 87.4 0.2
丸4 重加算税賦課件数
66 35 53.0
丸5 重加算税賦課割合
丸4/丸2
ポイント
15.5 9.4 −6.1
丸6 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
13,969 11,991 85.8
丸7 丸6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
2,995 1,208 40.3
丸8 追徴税額 本税 百万円 百万円
1,627 1,709 105.0
丸9 加算税 百万円 百万円
300 258 85.8
丸10 合計 百万円 百万円
1,928 1,966 102.0
丸11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
丸6/丸1
万円 万円
2,857 2,808 98.3
丸12 追徴税額
丸10/丸1
万円 万円
394 461 116.8

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1) 申告漏れ相続財産の金額の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の推移を表したグラフ

(付表2) 申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の構成比の推移を表したグラフ

(付表3) 無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。無申告事案については、平成25事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
丸1 実地調査件数
59 40 67.8
丸2 申告漏れ等の非違件数
51 34 66.7
丸3 非違の割合(丸2/丸1) ポイント
86.4 85.0 −1.4
丸4 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
5,802 3,952 68.1
丸5 追徴税額 本税 百万円 百万円
198 176 89.1
丸6 加算税 百万円 百万円
48 36 75.4
丸7 合計 百万円 百万円
245 212 86.4
丸8 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
(丸4/丸1)
万円 万円
9,834 9,879 100.5
丸9 追徴税額
(丸7/丸1)
万円 万円
416 530 127.5

平成21事務年度から平成24事務年度の無申告事案に係る調査事績を表したグラフ

(付表4) 贈与税に係る調査事績

国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、平成25事務年度も積極的に贈与税の調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
丸1 実地調査件数
327 173 52.9
丸2 申告漏れ等の非違件数
320 168 52.5
丸3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
1,382 870 62.9
丸4 追徴税額 百万円 百万円
281 225 79.9
丸5 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
(丸3/丸1)
万円 万円
423 503 118.9
丸6 追徴税額
(丸4/丸1)
万円 万円
86 130 151.0

1.調査事績に占める無申告事案の状況(平成24事務年度)

○ 国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な把握に努めています。

左:平成24事務年度の贈与税の申告漏れ等の非違件数を表したグラフ 右:平成24事務年度の贈与税の申告漏れ課税価格を表したグラフ

2.調査事績に係る申告漏れ財産の内訳(平成24事務年度)

平成24事務年度の贈与税の調査事績に係る申告漏れ財産の内訳を表したグラフ

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比。