国税庁は、国際協力機構(JICA)の技術協力の枠組みなどの下、我が国と相手国の経済的結び付きなどの関係も踏まえ、アジア諸国を中心として、開発途上国に対する技術協力に積極的に取り組んでいます。
これは、開発途上国の税務行政の改善、日本の税務行政に対する理解者の育成などを目的とし、開発途上国などへ職員を派遣し、現地で講義などを行うもの(派遣型)、開発途上国の税務職員などを対象とした日本国内で実施される研修において講義などを行うもの(受入型)の2つの形があります。
現地税務当局のニーズを踏まえ、納税者サービス、国際課税、職員研修などの分野について、開発途上国で実施される研修に、職員を講師として派遣しています。平成21年度は、カンボジア、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどへ派遣し、我が国の税務行政に関する講義等を行いました。
また、開発途上国の税務行政に対して継続的なアドバイスを提供することを目的として、JICAの「長期専門家」としても職員を派遣しています。平成21年度においては、インドネシア、マレーシア、ベトナムに職員が常駐しています。
平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | ||
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国際税務行政セミナー(ISTAX)・一般コース | 国数 | 22 | 17 | 18 | 18 | 19 |
人数 | 22 | 20 | 19 | 20 | 20 | |
国際税務行政セミナー(ISTAX)・上級コース | 国数 | 11 | 11 | 10 | 10 | 11 |
人数 | 11 | 11 | 10 | 10 | 11 | |
国別税務行政研修 | 国数 | 3 | 3 | 3 | 4 | 6 |
人数 | 23 | 30 | 32 | 60 | 64 | |
カウンターパート研修 | 国数 | 4 | 4 | 3 | 4 | 2 |
人数 | 52 | 74 | 63 | 48 | 36 | |
アジア国際課税研修 | 国数 | 19年度新設 | 19年度新設 | 6 | 6 | 6 |
人数 | 11 | 12 | 11 | |||
国税庁実務研修 | 国数 | 13 | 12 | 13 | 10 | 9 |
人数 | 17 | 18 | 18 | 17 | 21 |
経済の国際化や高度情報化の進展により新たな取引形態が拡大する中で、ひとつの所得に対して複数の国が課税する二重課税の問題や、租税回避行為などによりどこの国においても課税されない「課税の空白」といった問題が、各国税務当局が取り組むべき課題となっています。こうした問題の解決に向けての各国税務当局間での協力や経験の共有を図るため、国税庁は様々な国際会議に積極的に参加しています。その主なものとしては、以下に紹介するOECD租税委員会、主要国税務長官会合、アジア税務長官会合などがあります。