日時: 平成26年12月24日 9時31分から12時35分
場所: 国税庁第一会議室
出席者: 税理士分科会委員 さき分科会長 辻山委員
尾原委員 木村委員
山田委員  
懲戒審査委員会議座長  
国税庁(事務局) 菅税理士監理室長
花島課長補佐
大野課長補佐
稲野税理士係長
河井税理士係チーフ

分科会長

ただいまから国税審議会税理士分科会を開催いたします。

本日の税理士分科会には、委員5名全員の御出席をいただいておりますので、国税審議会令第8条第1項に規定する「過半数」の出席を満たしております。そのため本会は有効に成立いたしております。

まず、本日の当分科会において審議いたします議題は、2つあります。

1つ目の議題は、去る12月8日付で財務大臣から国税審議会に対して諮問がなされた「税理士等に対する懲戒処分事案」の35件についてであり、国税審議会議事規則第3条の規定に基づき、同日付けで、当分科会に付託されております。

2つ目の議題は、「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方」の改正案についてであり、本年4月8日付で国税審議会会長より当分科会に付託されております。

なお、各議題については、当分科会での審議に先立ちまして、12月9日に開催された懲戒審査委員会議において御審査いただいております。

本日は、懲戒審査委員会議座長に御出席いただいております。お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。

それでは、早速、1つ目の議題である「税理士等に対する懲戒処分事案」の審議に入りたいと思います。

(税理士等に対する懲戒処分事案の審議−非公開)

分科会長

次に、「『税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方』の改正案」に係る審議に移りたいと思います。

審議の進め方としましては、まず、事務局からこの告示の改正案について、本年7月31日から8月30日の期間で行われた意見公募手続、パブリックコメントの結果を説明していただきまして、続いて懲戒審査委員会議における審議結果の御報告していただくという手順で行いたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

事務局

お手元の資料1から資料3をご覧いただきたいと思います。

資料1は、5月29日の懲戒審査委員会議、6月23日の税理士分科会で御審議頂いた後、行政手続法の規定に基づきまして、意見公募手続きを本年7月31日から8月30日までの1月間実施し、その結果を取りまとめたものでございます。

資料2、3は、6月23日の税理士分科会におきまして「総則」の「第2」が文章整理されており、その整理した後のものに、今回頂戴したパブコメ意見により1箇所、後ほど御説明させていただきますが、税理士法人の届出義務規定に税理士法第48条の18(解散)を追加しておりますけれども、それを反映したところで配付させていただいております。

それでは資料1に戻っていただきたいと思いますが、資料1の1枚目にありますように、全部で10通の意見が寄せられております。

これらの意見の内容を告示の該当部分に即しまして整理の上、重複しているものをまとめると、全部で11件の意見となりました。2ページ以降に、「T 総則」に係るもの、その次に「U 量定の考え方」の「税理士」に係るもの、「税理士法人」に係るもの、最後に「その他」の順に整理しております。

それぞれのページの左欄には、寄せられた御意見の内容を私どもの方で整理・要約したものを「御意見等の概要」として記載し、それに対する「考え方」を右欄に対比する形で記載しております。

これら11の意見及びそれに対する回答のうち、主なものをご説明いたします。

寄せられた御意見の内容としては、一番多かったものが、(資料1の)2ページにあります、懲戒処分の対象行為に対する量定の軽重に関する御意見です。

これらについては、右欄の「御意見等に対する考え方」として、過去に行いました懲戒処分の対象行為とそれに対して課した処分量定との権衡ですとか、懲戒処分の対象となる不正行為が税理士業務に関連したものであるか否か、当該行為に対して罰則規定があるか否か、その罰則の軽重なども勘案し、不正行為相互の権衡を取ることに配意したところで、税理士法に定められた処分の範囲内で量定の範囲を定めているという考え方を示しております。したがいまして、量定の軽重についての御意見については、対象行為によって重くすべき、又は、逆に軽くすべきという御意見が寄せられておりますけれども、採用することは困難であると考えております。

資料1の1ページ中段をご覧いただきたいのですが、今回、新たに定めました「総則」の「第2(使用人等の不正行為に対する使用者税理士の処分)」に関する御意見として、使用者税理士の責任が過重であるから削除すべきというものでございました。

これについては、従前からの国税審議会における懲戒処分の判断に当たっての考え方である旨を明記させていただいた上で、御意見のとおりに削除することは困難であると考えております。

また、その下の段ですが、「総則」の「第2」に関して、「内部規律、内部管理体制の整備のあり方についての考え方、枠組みを示すべき」という御意見もありました。

これにつきましては、右欄の「考え方」で内部規律、内部管理体制の整備のあり方についての基本的なコンセプトを示しております。

次に、4ページ一番上の欄ですが、「税理士法人に届出義務規定」に関しまして、「法48条の18(解散)の届出を処分対象にすべき」との御意見を頂戴しました。

これについては、御意見を踏まえ、内容の明確化を図る趣旨から当該条項を追加させていただくことといたしました。

その当該条項の追加後の告示案を「(資料1の)別紙2」に掲載しております。これは、お手元の資料2や資料3にも反映させております。

そのほか、幾つかの御意見を頂戴しておりますが、これらについても、右欄において、「御意見に対する考え方」として記載しておりますが、できるだけ具体的な説明、例示を行うことにより対応させていただきました。

内容の説明は以上でございますけれども、改正告示については、本日の御審議の後、来年1月末を目途に、官報には資料4の形で公表できるよう作業を進めてまいりたいと考えております。また、同じタイミングで国税庁HPにもこの意見募集結果と改正後の告示も公表する予定で作業を進めていきます。

事務局からの説明は以上です。

懲戒審査委員会議座長

懲戒審査委員会議におきましては、この資料について詳細に御説明をいただき、5月の時点で十分審議をしていたこともありますので、その御説明を特段の議論無く了承したという経緯でございます。

分科会長

ありがとうございます。ただいまの説明について、何か御意見御質問がありましたらお願いします。

辻山委員

6月23日の税理士分科会を欠席したものですから、結論につきましては、当日欠席したこともあり、この段階で改めて異論を申し上げることは差し控えますが、「内部統制」という言葉が会計上出てきたという点については、補足説明させていただきます。90年代に大和銀行事件というアメリカで担当者が大変な巨額損失を出した事件があり、その後、会社法とBIS規制で「内部統制」という言葉が使われています。またSOX法の日本への導入の検討に際して内部統制について金融庁で審議されたのは事実ですが、別に会計上の用語というわけではないので、その辺だけ当日出席していなかったので補足させていただきます。結論については、この段階では異論はありません。事務局からは、欠席した私の意見についても分科会で詳細に伝えていただいて感謝しています。ありがとうございました。

分科会長

ほかに何かありますでしょうか。

それでは、そのように決定し、平成27年4月1日以降の不正行為については、この改正後の「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方」に基づいて、税理士・税理士法人の懲戒処分を行うことといたします。

以上で、「『税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方』の改正案」について、審議を終了します。

なお、井堀国税審議会会長への報告については、事務局から報告をお願いいたします。

最後に、本日の税理士分科会の議事の公開についてですが、国税審議会議事規則により、議題1の「税理士等に対する懲戒処分事案」につきましては、開催日時、出席者、議題などについてのみ公開したいと思います。議題2の「『税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方』の改正案」については、来年1月末を目途に改正告示とパブコメ意見を公表する予定であるとの事務局からの説明がありましたので、それまでは開催日時、出席者、議題などについてのみ公開したいと思います。

また、本日の「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方」に関する議事録等につきましては、完成次第、本日の説明資料とともに公開したいと考えております。また、本年6月23日に開催した国税審議会税理士分科会における議事録につきましても、これまで審議検討段階であったため非公開としてまいりましたが、改正告示とパブリックコメントが公表された後、お手元の参考1から7にあるとおり公開させていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(事務局注)参考1から7は、国税庁ホームページ第64回税理士分科会(平成26年6月23日)の議事録及び説明資料のとおりですので、そちらをご参照下さい。

分科会長

それでは、この点につきましては御了解いただいたということで、本日は以上をもちまして、税理士分科会を終了いたします。

長時間にわたり、御審議いただきまして、ありがとうございました。

以上