[令和5年10月1日現在法令等]

対象税目

消費税

概要

高額特定資産の仕入れ等を行った場合

事業者が、事業者免税点制度および簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に、高額特定資産の課税仕入れまたは高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「高額特定資産の仕入れ等」といいます。)を行った場合には、その高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間からその高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度は適用されません(注)。

(注)「高額特定資産」とは、一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額 (税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産または調整対象固定資産をいいます。

自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合

事業者が、自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合には、その自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合に該当することとなった日の属する課税期間の翌課税期間から、その自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度は適用されません(注)。

「自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合」とは、自己建設高額特定資産の建設等に要した原材料および経費に係る税抜価額(事業者免税点制度および簡易課税制度の適用を受ける課税期間に行ったものを除きます。)の累計額が1,000万円以上となった場合をいいます。

(注)「自己建設高額特定資産」とは、他の者との契約に基づき、またはその事業者の棚卸資産もしくは調整対象固定資産として、自ら建設等をした高額特定資産をいいます。

棚卸資産の調整措置の適用を受けることとなった場合

事業者が、高額特定資産である棚卸資産または課税貨物について、消費税法第36条第1項または第3項(納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整)の規定(以下「棚卸資産の調整措置」(注1)といいます。)の適用を受けた場合には、その適用を受けた課税期間の翌課税期間からその適用を受けた課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度は適用されません。

また、事業者が、調整対象自己建設高額資産について棚卸資産の調整措置の適用を受けた場合にも、その適用を受けた課税期間の翌課税期間からその適用を受けた課税期間(その適用を受けることとなった日の前日までに建設等が完了していない調整対象自己建設高額資産にあっては、その建設等が完了した日の属する課税期間)の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度は適用されません(注2)。

(注1)「棚卸資産の調整措置」とは、免税事業者が課税事業者となる日の前日に、免税事業者であった期間中に行った課税仕入れ等に係る棚卸資産を有している場合、その棚卸資産の課税仕入れ等に係る消費税額を、課税事業者となった課税期間の課税仕入れ等に係る消費税額とみなして仕入税額控除の計算の対象とする等の制度です。

(注2)「調整対象自己建設高額資産」とは、他の者との契約に基づき、または事業者の棚卸資産として自ら建設等をした棚卸資産で、その建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の110分の100に相当する金額等(事業者免税点制度および簡易課税制度の適用を受ける課税期間に行ったものを含みます。)の累計額が1,000万円以上となったものをいいます。

簡易課税制度の適用制限

簡易課税制度の適用を受けようとする事業者が、上記「高額特定資産の仕入れ等を行った場合」「自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合」「棚卸資産の調整措置の適用を受けることとなった場合」に該当するときは、次に掲げる期間においては、簡易課税制度選択届出書の提出が制限されます(注)。

(1)高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間

(2) 自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合に該当することとなった日の属する課税期間の初日から、その自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間

(3) 高額特定資産である棚卸資産もしくは課税貨物または調整対象自己建設高額資産について、棚卸資産の調整措置の適用を受けた課税期間の初日から同日(調整対象自己建設高額資産については、課税事業者となった日の前日までに建設等が完了していない場合には、その建設等が完了した日の属する課税期間の初日)以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間

(注)高額特定資産の仕入れ等を行った場合または自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合において、これらの場合に該当する前に翌課税期間から簡易課税制度の適用を受けるための簡易課税制度選択届出書が既に提出されている場合には、その届出書の提出はなかったものとみなされます。

(参考)

高額特定資産、自己建設高額特定資産または調整対象自己建設高額資産で、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物(居住用賃貸建物)に係る課税仕入れ等の税額については、仕入税額控除制度の適用を認めないこととされています。

なお、この規定の適用を受ける場合であっても、上記「高額特定資産の仕入れ等を行った場合」から「棚卸資産の調整措置の適用を受けることとなった場合」の規定は適用されます。

対象者または対象物

高額特定資産など一定の資産を取得した事業者

根拠法令等

消法12の4、36、37、消令25の5、25の6、消基通1-5-22の2~31、13-1-4の2、3

関連コード

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