1 旧法第70条の4第1項本文の規定の適用を受ける受贈者(以下「受贈者」という。)が同条第5項に定めるところにより推定相続人のうちの1人に対し同条第1項の規定の適用を受ける農地等(以下「特例適用農地等」という。)につき使用貸借による権利の設定をし、同条第5項の規定の適用を受けているときは、当該推定相続人の死亡に伴い当該受贈者が旧令第40条の6第15項第3号の規定の適用を受けて再び農業経営の開始をした場合を除き、当該受贈者が法附則第36条第3項の規定の適用を受ける余地はないのであるから留意する。

(「当該農業に必要な農作業に主として従事する」ことの意義)

2 令附則第28条第3項第2号かっこ書に規定する「当該農業に必要な農作業に主として従事する」とは、受贈者が、法附則第36条第4項に規定する特定農地所有適格法人の行う農地法第2条第3項第1号に規定する農業(以下「農業」という。) に従事する日数の過半を当該農業に必要な農作業に従事することをいうものとする。 (平13課資2―310、平28課資2-13、課審7-9、平30課資2-19改正)

(注) 農作業とは、耕うん、整地、播種、施肥、病虫害防除、水の管理、給餌その他の耕作(法附則第36条第5項第1号に規定する耕作を言う。以下同じ。)又は養畜に直接必要な作業をいい、耕作又は養畜の事業に必要な帳簿の記帳、集金等はこれに含まれないのであるから留意する。

(使用貸借による権利の設定の日)

3 法附則第36条第3項に規定する「当該設定の日」とは、同項に規定する農業協同組合法等の一部を改正する等の法律第3条の規定による改正前の農地法第2条第3項に規定する農業生産法人で令附則第28条第3項各号に掲げる要件に該当するもの(以下「旧特定農業生産法人」という。)に対する特例適用農地等に係る使用貸借による権利の設定につき農地法第3条第1項の規定による許可があった日をいうものとして取り扱う。この場合において、農地又は採草放牧地が旧特定農業生産法人の所在地のある市町村の区域内にあるものとその他の区域内にあるものとに分かれていること等により、当該使用貸借による権利の設定について複数の農地法第3条第1項の規定による許可を要するものであり、かつ、その許可があった日が異なるときは、これらの許可があった日のうち最も遅い日をもって当該設定の日として取り扱うものとする。(平28課資2-13、課審7-9改正)

(使用貸借による権利の設定に関する届出書)

4 法附則第36条第3項の規定の適用を受けようとする受贈者が同項に規定する届出書(以下「使用貸借による権利の設定に関する届出書」という。)を使用貸借による権利の設定の日から2か月を経過する日まで(以下この4において「期限内」という。)に提出した場合には、その使用貸借による権利の設定に関する届出書に係る記載又は添付すべき書類に不備があるときであっても、当該不備が軽微なもので速やかに補完されると認められるときには、同項の規定の適用があるものとして取り扱って差し支えない。

(注) 当該受贈者が使用貸借による権利の設定に関する届出書を期限内に提出しなかった場合には、法附則第36条第3項の規定の適用は受けられず、旧法第70条の4第1項ただし書の規定によりその贈与税の納税猶予税額の全部について納税猶予の期限が確定するのであるから留意する。

(使用貸借による権利の設定をしなければならないこととされている特例適用農地等の範囲)

5 令附則第28条第4項に規定する当該権利の設定の時の直前において受贈者が有する同項に規定する農地等で旧法第70条の4第1項本文の規定の適用を受けているもののすべてとは、当該権利の設定の時の直前において当該受贈者が有する農地等のうち、旧法第70条の4第1項本文の規定の適用を受けるもの(旧法第70条の4第7項第3号又は第8項第3号の規定に該当する農地又は採草放牧地(以下「代替取得農地等」という。)を含む。)のみをいう。したがって、当該受贈者が有する農地等であっても特例適用農地等以外のもの及び特例適用農地等であっても租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成13年法律第7号)による改正前の租税特別措置法第70条の4第7項に規定する貸付特例適用農地等又は租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成13年政令第141号)による改正後の租税特別措置法施行令第40条の6第45項各号に掲げる農地等又は敷地若しくは用地は、これに含まれないことに留意する。(平13課資2―310、平28課資2-13、課審7-9改正)

(法附則第36条第3項の使用貸借による権利の設定があった場合の旧法第70条の4第1項の担保)

6 特例適用農地等が旧法第70条の4第1項に規定する担保に供されている場合には、その特例適用農地等につき法附則第36条第3項に規定する使用貸借による権利の設定があったときにおいても、その担保を提供した受贈者に対して国税通 則法第51条第1項に規定する増担保の提供等を命ずる必要はないのであるから留意する。

(特定農地所有適格法人の合併又は分割の日)

7 法附則第36条第4項に規定する特定農地所有適格法人に係る同項に規定する「当該合併又は当該分割の日」とは、同項に規定する合併法人又は分割承継法人の本店所在地において合併の登記又は設立の登記若しくは変更の登記を完了した日をいうものとする。(平13課資2―310、平28課資2-13、課審7-9改正)

(合併又は分割の場合の届出書)

8 法附則第36条第4項の規定の適用を受けようとする受贈者が同項に規定する届出書を合併又は分割の日から2か月を経過する日まで(以下この8において「期限内」という。)に提出した場合には、その届出書に係る記載又は添付すべき書類に不備があるときであっても、当該不備が軽微なもので速やかに補完されると認められるときには、同項の規定の適用があるものとして取り扱って差し支えない。 (平13課資2―310改正)

(注) 当該受贈者が届出書を期限内に提出しなかった場合には、法附則第36条第4項の規定の適用は受けられず、法附則第36条第5項の規定に基づく旧法第70条の4第1項の規定によりその贈与税の納税猶予税額の全部について納税猶予の期限が確定するのであるから留意する。

9 削除(平17課資2-7)

(法附則第36条第3項の規定の適用を受けた受贈者の継続届出書の提出期限及び提出期間)

10 特例適用農地等の全部を旧法第70条の4第1項に規定する担保に供していた受贈者(当該特例適用農地等のうちに同条第2項第4号に規定する都市営農農地等を有する者を除く。)は、同条第13項の規定により同条第10項に規定する届出書(以下この10において「継続届出書」という。)の提出義務が免除されるのであるが、当該受贈者が法附則第36条第3項の規定の適用を受けたときには、同条第10項の規定により、使用貸借による権利の設定に関する届出書を提出した日の翌日から起算して毎3年を経過するごとの日までに当該継続届出書を提出しなければならないこととなるのであるから留意する。この場合において、当該継続届出書の提出期間は、当該使用貸借による権利の設定に関する届出書を提出した日の翌日から起算して毎3年を経過するごとの日の属する月の前々月の初日から当該3年を経過するごとの日までの期間として取り扱う。(平28課資2-13、課審7-9改正)

(注) 特例適用農地等の一部を旧法第70条の4第1項に規定する担保に供していた受贈者又は当該特例適用農地等のうちに同条第2項第4号に規定する都市営農農地等を有する受贈者については、法附則第36条第3項の規定の適用を受けた場合であっても、贈与税の申告書の提出期限の翌日から起算して毎3年を経過するごとの日までに旧法第70条の4第10項の規定による継続届出書を提出しなければならないのであるから留意する。


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