【照会要旨】

 私の妻は、本年中に、これまで勤務していた会社を退職し、その後、別の会社に再就職しました。
 本年における妻の所得金額は次のとおりですが、退職所得については、所得税の源泉徴収が行われており、妻は確定申告の必要はありませんので(所得税法第121条第2項)、私は、本年分の所得税の確定申告において、配偶者特別控除の適用を受けることができるものと考えますがいかがでしょうか。

  • 妻の所得金額
    1. 1 給与所得・・・・・・(収入金額)160万円 (所得金額)105万円
       ※ 再就職先の会社において退職した会社の給与を含めて年末調整が行われています。
    2. 2 退職所得・・・・・・(収入金額)300万円 (所得金額) 30万円

【回答要旨】

 配偶者特別控除の適用を受けることはできません。

 配偶者特別控除の適用を受けるためには、配偶者の合計所得金額が133万円以下である必要があります(所得税法第83の2条第1項)。
 この合計所得金額とは、純損失や雑損失の繰越控除の適用がないものとして計算した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額をいい、所得税法第121条第2項の規定により確定申告書の提出が不要となる場合であっても、合計所得金額に退職所得金額が含まれることに変わりはありません。
 なお、上記の総所得金額とは、次の(1)及び(2)の合計額(純損失及び雑損失の繰越控除後の金額)をいいます(所得税法第2条第1項第30号、第22条第2項)。

  1. (1) 事業所得、不動産所得、給与所得、利子所得、配当所得、短期譲渡所得及び雑所得の金額の合計額(損益通算後の金額)
  2. (2) 長期譲渡所得及び一時所得の金額の合計額(損益通算後の金額)の2分の1に相当する金額

 本照会において、照会者の配偶者(妻)の本年における合計所得金額は、給与所得と退職所得の所得金額を合計した135万円となり、133万円を超えますので、照会者の本年分の所得税の確定申告において、配偶者特別控除の適用を受けることはできません。

【関係法令通達】

 所得税法第2条第1項第30号、第22条第2項、第83の2条第1項、第121条第2項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。