【照会要旨】

 Aマンション管理組合は、管理するマンション(以下「本マンション」といいます。)の敷地の上空に鉄道会社Yの特別高圧架空電線を架設するために、鉄道会社Yと当該敷地上空の使用料を毎年受け取る地役権設定契約を締結しています。
 この契約に基づき本マンション敷地上空の使用の対価として得る使用料収入は、法人税法上の収益事業(不動産貸付業)に係る収益に該当することとなりますか。
 なお、Aマンション管理組合は、法人税法上、人格のない社団等又は公益法人等に該当することを照会の前提とします。

【回答要旨】

 収益事業である不動産貸付業に係る収益に該当します。

(理由)

  1.  人格のない社団等及び公益法人等の課税関係
     人格のない社団等及び公益法人等は、収益事業を行う場合に納税義務があり(法法41)、各事業年度の収益事業から生じた所得について法人税を課すこととされています(法法6)。
     したがって、マンション管理組合(人格のない社団等又は公益法人等)に対する法人税は、収益事業から生じた所得に課されることとなります。
  2.  収益事業(不動産貸付業)について
     法人税法上の収益事業とは、販売業、製造業その他の一定の事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいい(法法2十三)、この一定の事業には不動産貸付業が含まれています(法令51五)。
     この場合の「不動産の貸付け」とは、土地、建物などの不動産をその用途、用法に従って他の者に利用させ、対価を得る事業をいいます。
     また、この場合の「土地」とは、一定の範囲の地面に合理的な範囲においてその上下(空中と地中)を包含させたものであり、土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶとされています(民法86、207)。
  3.  本照会について
     Aマンション管理組合は、鉄道会社Yとの間で地役権設定契約を締結し、当該契約に基づいて本マンションの敷地上空という土地(不動産)を鉄道会社Yに継続的に使用させ、その使用料収入を得ていますので、当該使用料収入は収益事業(不動産貸付業)に係る収益に該当することとなります。

【関係法令通達】

 法人税法第2条第13号、第4条、第6条
 法人税法施行令第5条第1項第5号
 民法第86条、第207条
 建物の区分所有等に関する法律第47条第13項

[参考]

 マンション管理組合に関する税務上の取扱いについては、本質疑応答事例のほか、次の事例についても公表していますので、参考にしてください。

  1. ○ 平成24年2月13日回答「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について」
  2. ○ マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定
  3. ○ マンション管理組合の課税関係(消費税関係)

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。