(措置法第40条第3項の適用関係)

42 措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用を受けた場合、各項に定める日以後は、各項の規定により特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人に対して同条第3項の規定が適用されることに留意する。

(注)
1 上記の「各項に定める日」とは、措置法第40条第6項は合併の日、同条第7項は解散の日、同条第8項は同項に規定する贈与の日、同条第9項は同項に規定する贈与の日をいう。
2 措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人につき同条第3項の規定が適用される場合には、同条第6項から第9項までの規定の適用により措令第25条の17第3項に定める代替資産又は買換資産が特定贈与等に係る財産とみなされる場合であっても、特定贈与等を受けた公益法人等が当該代替資産又は買換資産を取得するために譲渡した特定贈与等に係る財産に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又雑所得の金額に係る所得税が課されることに留意する。

(新設)

(説明)

措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用を受けた場合には、各項に定める日以後は、資産の移転を受けた公益法人等が、特定贈与等に係る公益法人等とみなされることから(措法406789)、通達42は、各項に定める日以後は、特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人に対し同条第3項の規定が適用されることを留意的に明らかにした。
 なお、この場合の「各項に定める日」は、措置法第40条第6項は通達36に定める合併の日、同条第7項は通達38に定める解散の日、同条第8項は通達39に定める贈与の日、同条第9項の場合は通達41に定める贈与の日をいうことを通達42の(注)1で明らかにした。
 また、非課税特例により、贈与又は遺贈がなかったものとされる財産は、特定贈与等に係る公益法人等が贈与又は遺贈を受けた財産であるから、各項の規定の適用により、特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人が移転を受ける資産が代替資産又は買換資産であっても、措置法第40条第3項の規定の適用により非課税承認が取り消された場合、特定贈与等を受けた法人が当該代替資産又は買換資産を取得するために譲渡した特定贈与等に係る財産に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額に係る所得税が課されることを通達42の(注)2で留意的に明らかにした。


(措置法第40条第6項から第9項までに規定する財務省令で定める事項を記載した書類)

43 30((譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類))の取扱いは、措置法第40条第6項から第9項までに規定する財務省令で定める事項を記載した書類(以下「各届出書」という。)又は措令第25条の17第17項若しくは第18項の規定により各届出書に添付すべき書類について準用する。

(新設)

(説明)

措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用を受けるためには、特定贈与等を受けた公益法人等が、各項に定める日の前日までに、各項に定める財務省令で定める事項を記載した書類(以下「各届出書」という。)に、特定贈与等に係る財産とみなされる資産の移転を受けた法人が各項の規定の適用を受けることを確認した書類を添付し、当該特定贈与等を受けた公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出しなければならないこととされている(措法406789、措令25条の171718)。
 したがって、期限内に適法な届出書及び添付書類が提出されていない場合には、措置法第40条第6項から第9項までの各規定の適用はないのであるが、記載内容の不備が軽微なものにまで各項の適用がないとするのは、実情にそぐわないものと考えられることから、各届出書及びその添付書類が期限内に提出された場合であって、記載内容の不備が軽微なもので、速やかに補完されると認められる場合には、各項の適用があるものとして取り扱うこととした。


(特定贈与等に係る財産とみなされる資産を1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定)

44 措置法第40条第10項の規定により同条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る財産とみなされる資産が、各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間(当該期間内に特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に定める事情があるときは、各項に定める日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間。以下この項において同じ。)内に特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定は、特定贈与等に係る財産とみなされる資産について、23の(1)又は(2) ((2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供されたかどうかの判定))に定める日が当該期間内かどうかにより行うものとする。

(注)
1 上記の「各項に定める日」とは、措置法第40条第6項は合併の日、同条第7項の場合は解散の日、同条第8項は同項に規定する贈与の日、同条第9項は同項に規定する贈与の日をいう。
2 特定贈与等に係る財産とみなされる資産が各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に直接供していないと判定される場合には、措置法第40条第3項に規定する「当該贈与又は遺贈に係る財産又は代替資産をその公益目的事業の用に直接供しなくなつた場合」に該当することに留意する。

(新設)

(説明)

措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により、特定贈与等に係る財産とみなされる資産は、それぞれ各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間(当該期間内に当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に定める事情があるときは、各項に定める日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間。以下同じ。)内に特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に直接供しなければならないこととされている(措法4010)。
 ところで、通達31では、買換資産を贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定に当たっては、買換資産について、通達23の(1)又は(2)に定める日が当該期間内かどうかにより行うこととして取り扱っている。
 このため、特定贈与等に係る財産とみなされる資産が各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に供しているかどうかの判定に当たっても、当該特定贈与等に係る財産とみなされる資産について通達23の(1)又は(2)に定める日が当該期間内かどうかにより判定することとした。
 なお、この場合の各項に定める日は、措置法第40条第6項は通達36に定める合併の日、同条第7項は通達38に定める解散の日、同条第8項は通達39に定める贈与の日、同条第9項の場合は通達41に定める贈与の日をいうことを通達44の(注)1で明らかにした。
 上記内容を図示すると以下のとおりとなる。

判定の図

 また、既に特定贈与等に係る財産とみなされる資産が財産の贈与又は遺贈を受けた公益法人等により公益目的事業の用に直接供されていることから、特定贈与等に係る財産とみなされる資産が各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供していないと判定される場合には、特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人に対し措置法第40条第3項の規定が適用されることを通達44の(注)2で留意的に明らかにした。


(特定贈与等に係る財産とみなされる資産が特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の福利厚生施設等として使用される場合)

45 14((公益法人等の福利厚生施設等として使用される場合))の取扱いは、措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る財産とみなされる資産について準用する。

(新設)

(説明)

措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る財産とみなされる資産は、特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に直接供しなければならないこととされている(措法4010)。
 ところで、通達14では、贈与又は遺贈を受けた財産及び代替資産を当該贈与又は遺贈を受けた法人の福利厚生施設等として利用している場合には、当該法人の公益目的事業の用に直接供していることにはならないと取り扱うこととしていることから、通達45は、特定贈与等に係る財産とみなされる資産についても通達14の取扱いを準用することとした。


(特定贈与等に係る財産とみなされる資産を1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難である場合の「やむを得ない事情」)

46 10((2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難である場合の「やむを得ない事情」))の取扱いは、措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る財産とみなされる資産について、同条第10項により準用する措令第25条の17第16項に規定する当該資産を各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該公益目的事業の用に直接供することが困難であるやむを得ない事情について準用する。

(新設)

(説明)

特定贈与等に係る財産とみなされる資産は、各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に直接供しなければならない(措法4010)。
 ただし、当該期間内に特定贈与等に係る財産とみなされる資産を当該公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に規定する事情がある場合には、各項に定める日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間内に特定贈与等とみなされる資産を公益目的事業の用に供するものとされているところ(措法4010)、同項に定める事情とは、特定贈与に係る財産とみなされる土地の上に建設をする特定贈与財産に係る公益目的事業の用に直接供する建物のその建設に要する期間が通常1年を超えること、その他特定贈与等に係る財産とみなされる資産を各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該公益目的事業の用に直接供することが困難であるやむを得ない事情とされている(措法4010、措令25の1716)。
 ところで、通達10は、贈与又は遺贈を受けた財産又は代替資産を贈与又は遺贈があった日から2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に供することが困難であるやむを得ない事情についての取扱いを定めていることから、特定贈与等に係る財産とみなされる資産についても通達10を準用することとした。


(各届出書の提出後にやむを得ない事情が生じた場合)

47 16((承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じた場合))の取扱いは、各届出書の提出後に46((特定贈与等に係る財産とみなされる資産を1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難である場合の「やむを得ない事情」))に定めるやむを得ない事情が生じた場合に準用する。

(注) 上記の場合には、やむを得ない事情が生じた後速やかに、やむを得ない事情の詳細を記載した書面を、措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の納税地の税務署長を経由して、国税庁長官に提出するものとする。

(新設)

(説明)

措置法第40条第6項から第9項までの規定により特定贈与等に係る財産とみなされる資産が、各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該財産の贈与又は遺贈を受けた法人の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合には、財務省令で定める書類にその事情の詳細を記載することとされている(措規18の1913141518)。
 ところで、通達16では、承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じ、贈与又は遺贈に係る財産が、当該贈与又は遺贈があった日以後2年を経過する日までの期間内に、当該贈与又は遺贈を受けた法人の公益目的事業の用に直接供することが困難となった場合の取扱いを定め、承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じ、当該財産が当該期間内に当該事業の用に直接供することが困難となった場合においても一定の要件を満たす場合には、措令第25条の17第5項第2号に規定する要件を満たすものとして取り扱うこととしている。
 各届出書の提出後にやむを得ない事情が生じ、特定贈与等に係る財産とみなされる資産が、各項に定める日の翌日から1年を経過する日までの期間内に、当該贈与又は遺贈を受けた法人の公益目的事業の用に直接供することが困難となった場合も承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じた場合と同様と考えられることから、通達16の取扱いを準用することとした。
 なお、この場合、通達47の(注)で、当該やむを得ない事情の詳細を記載した書面は、当該特定贈与に係る公益法人等とみなされる法人の納税地の税務署長を経由して国税庁長官に提出することを明らかにした。


(特定贈与等に係る財産とみなされる資産についての措置法第40条第5項の適用)

48 措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用により特定贈与等に係る財産とみなされる資産を特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人の公益目的事業の用に2年以上直接供している場合には、当該特定贈与等に係る財産とみなされる資産について同条第5項の規定の適用があるものとして取り扱う。この場合において、同項中「同項の公益法人等」及び「当該公益法人等」とあるのは「措置法第40条第6項から第9項までの規定により特定贈与等に係る公益法人等とみなされる法人」と、「同項の贈与又は遺贈を受けた財産」及び「当該財産」とあるのは「同条第6項から第9項までの規定により特定贈与等に係る財産とみなされる資産」と、「譲渡の日」とあるのは「同条第6項から第9項までの規定により特定贈与等に係る財産とみなされる資産の譲渡の日」と読み替えるものとする。

(注) 上記の場合、25((譲渡の日))から34((譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類の提出後にやむを得ない事情が生じた場合))の取扱いを準用する。

(新設)

(説明)

措置法第40条第5項は、非課税承認に係る財産の贈与又は遺贈を受けた公益法人等が、当該贈与又は遺贈を受けた財産を譲渡した場合の非課税承認の継続の取扱いについて定めている(措法405)。
 措置法第40条第6項から第9項までの規定の適用を受けた場合には、資産の移転を受けた公益法人等は特定贈与等に係る公益法人等と、移転を受けた資産は特定贈与等に係る財産とみなされることになるが、通達48は、特定贈与等に係る財産とみなされる資産について、同条第5項の規定の適用があることを明らかにした。
 また、この場合、措置法第40条第5項の規定の適用に当たって、通達25から34までの取扱いを準用することを通達48の(注)で明らかにした。

(参考)特定贈与等に係る財産とみなされる資産の措置法第40条第5項の適用要件

  • 1 特定贈与等に係る財産とみなされる資産を公益目的事業の用に2年以上直接供しているかどうかの判定
    判定の図
  • 2 特定贈与等に係る財産とみなされる資産の譲渡により取得した買換資産を特定贈与等に係る財産とみなされる資産の譲渡の日の翌日から1年以内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定
    判定の図

「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報)