(譲渡の日)

25 措置法第40条第5項に規定する「譲渡の日」とは、同項に規定する贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡による当該財産の引渡しの日をいうものとして取り扱う。

(新設)

(説明)

 平成20年度税制改正において、非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産で当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に2年以上直接供しているものを譲渡し、その譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって、当該財産に係る公益目的事業の用に直接供することができる当該財産と同種の資産、土地又は土地の上に存する権利(以下「買換資産」という。)を取得した場合において、当該譲渡の日の前日までに、当該譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類を、当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出したときには、当該買換資産は、措置法第40条第3項の代替資産に含まれることとされた(措法405)。
 また、当該公益法人等は、当該買換資産を、当該贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間(当該期間内に当該公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に定める事情があるときは、当該譲渡の日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間)内に公益目的事業の用に直接供しなければならないとされた(措法405後段)。
 このため、措置法第40条第5項に規定する「譲渡の日」を明らかにする必要があるところ、上記のとおり、原則として、買換資産を当該譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しなければならないとされていることなどから(措法405後段)、当該贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡による当該財産の引渡しの日を同項の「譲渡の日」として取り扱うこととした。


(公益目的事業の用に2年以上直接供しているかどうかの判定)

26 措置法第40条第5項に規定する「贈与又は遺贈を受けた財産」を当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に2年以上直接供しているかどうかの判定は、原則として、当該贈与又は遺贈を受けた財産について、23の(1)又は(2)((2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供されたかどうかの判定))に定める日から25((譲渡の日))に定める譲渡の日の前日までの期間により行うものとして取り扱う。
 ただし、上記により、当該贈与又は遺贈を受けた財産が当該公益法人等の公益目的事業の用に2年以上直接供していると判定される場合であっても、当該譲渡に伴い当該贈与又は遺贈を受けた財産が当該公益法人等の公益目的事業の用に供されなくなったと認められる場合を除いては、措置法第40条第5項の規定の適用がないことに留意する。

(新設)

(説明)

 措置法第40条第5項の規定の適用を受けるためには、非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産を当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に2年以上直接供していなければならない(措法405)。
 このため、当該贈与又は遺贈を受けた財産を公益目的事業の用に2年以上直接供しているかどうかをどのように判定するのかが問題となる。
 当該贈与又は遺贈を受けた財産を譲渡する場合、その直前において当該財産は公益目的事業の用に直接供していないことも考えられ、そのような時に公益目的事業の用に直接供していた期間をその実態をもって判定することは困難であり、また、当該公益法人等が、当該贈与又は遺贈を受けた財産を譲渡するため公益目的事業の用に直接供していないと認められる場合にまで、当該贈与又は遺贈を受けた財産を公益目的事業の用に直接供していないとすることは、実情にそぐわないものと考えられる。
 したがって、措置法第40条第5項の規定を適用する際の当該贈与又は遺贈を受けた財産を公益目的事業の用に2年以上直接供しているかどうかの判定は、当該贈与又は遺贈を受けた財産について、通達23の(1)又は(2)に定める日から通達25に定める譲渡の日の前日までの期間により判定するものと取り扱うこととした。

判定の図

 ただし、上記の取扱いは、当該贈与又は遺贈を受けた財産が、譲渡に当たって一時的に公益目的事業の用に直接供されなくなることはやむを得ないと認められることから例外的に取り扱うものであり、例えば、当該贈与又は遺贈を受けた財産を譲渡する以前から公益目的事業の用に直接供されていない場合など、譲渡に伴い公益目的事業の用に直接供されなくなったと認められないときは、当該贈与又は遺贈を受けた財産は措置法第40条第3項に規定する「贈与又は遺贈に係る財産をその公益目的事業の用に供しなくなつた場合」に該当することから、同条第5項の適用がないことを留意的に明らかにした。


(買換資産の範囲)

27 措置法第40条第5項に規定する「同項の贈与又は遺贈を受けた財産・・・(・・・当該財産と同種の資産(財務省令で定めるものを含む。)、土地及び土地の上に存する権利に限る。)」(以下「買換資産」という。)の範囲から、措令第25条の17第2項に規定する「国外にある土地若しくは土地の上に存する権利又は建物及びその附属設備若しくは構築物」が除かれることに留意する。

(注) 買換資産の取得後に措置法第40条第3項の規定による同条第1項後段の承認の取消しがあった場合であっても、当該承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡があったものとして、当該財産に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額に係る所得税が課されることに留意する。

(新設)

(説明)

 平成20年度税制改正において、非課税特例の対象となる財産の範囲から、措令第25条の17第2項に規定する「国外にある土地若しくは土地の上に存する権利又は建物及びその附属設備若しくは構築物」が除かれることが明確化された。
 このため、通達27は買換資産の範囲から措令第25条の17第2項に規定する「国外にある土地若しくは土地の上に存する権利又は建物及びその附属設備若しくは構築物」が除かれることを留意的に明らかにした。
 また、非課税特例により、贈与又は遺贈がなかったものとみなされる財産は、非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産であるから、買換資産の取得後に措置法第40条第3項の規定による非課税承認の取消しがあった場合であっても、当該贈与又は遺贈を受けた財産に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額に係る所得税が課されることになることを通達27の(注)で留意的に明らかにした。


(譲渡の収入金額による買換資産の取得)

28 8((譲渡の収入金額による代替資産の取得))の取扱いは買換資産を取得する場合に準用する。

(新設)

(説明)

 措置法第40条第5項の規定の適用を受けるためには、買換資産は非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得することが要件の一つとされているから(措法405前段)、その譲渡による収入金額の全部に相当する金額が買換資産の取得に充てられていない場合はもちろん、その一部に相当する金額が買換資産の取得に充てられていない場合には、要件を満たさないことになる。
 ところで、措令第25条の17第3項に規定する代替資産も贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得することが要件の一つとされているところ(措法401後段)、資産の譲渡又は取得に際しては、それぞれ関連費用を必要とするのが一般的であり、この経費を要したがため、その譲渡代金の全額が当該代替資産の取得のために充てられなかったと判定するのは、実情に即さないと考えられるから、通達8において、資産の譲渡又は取得に要した費用がある場合の取扱いを定めているところであり、買換資産を取得する場合も同様の事情にあることから、通達28において通達8の取扱いを準用することとした。


(同種の資産の範囲)

29 措置法第40条第5項に規定する「当該財産と同種の資産」とは、例えば、同項に規定する贈与又は遺贈を受けた財産が土地の場合は、土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)、建物の場合は、建物及びその附属設備(以下「建物等」という。)、書画の場合は、書画及び骨とうをいう。
 なお、措置法第40条第5項に規定する贈与又は遺贈を受けた財産が土地等で、当該土地等とともにその上に存する建物等を譲渡し、当該譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって、新たな土地等及びその上に存する建物等の取得に充てた場合(当該譲渡による収入金額の全部に相当する金額のうち建物等の譲渡による収入金額の全部に相当する金額が、新たな土地等の上に存する建物等の取得に充てられる場合に限る。)には、新たに取得する土地等及びその上に存する建物等を同種の資産として差し支えないものとして取り扱う。

(注) 措規第18条の19第11項に規定する「公社債及び投資信託の受益権」には、割引の方法により発行される公社債や分配金の分配方式がいわゆる無分配型(分配型であって利息が再投資されるものを含む。)の投資信託の受益権などのように、果実が生じない又はその生ずる果実を公益目的事業の用に供することができない公社債及び投資信託の受益権は含まれないことに留意する。

(新設)

(説明)

 平成20年度税制改正において、措置法第40条第5項に規定する買換資産の範囲が、贈与又は遺贈を受けた財産に係る公益目的事業の用に直接供することができる当該贈与又は遺贈を受けた財産と同種の資産、土地又は土地の上に存する権利とされた(措法405前段)。
 この場合において、買換資産の対象とされる当該贈与又は遺贈を受けた財産と同種の資産とは、買換資産について贈与又は遺贈を受けた財産に係る公益目的事業の用に供することができるという条件があることからすれば、当該贈与又は遺贈を受けた財産と同一の用途に供することのできる資産であり、贈与又は遺贈を受けた財産に係る公益目的事業を継続して行うことのできる資産と解されるから、通達29では、その趣旨を踏まえ、同種の資産の範囲を例示した。
 ところで、買換資産は非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得しなければならないため(措法405前段)、当該贈与又は遺贈を受けた財産が土地である場合は、その土地の譲渡による収入金額の全部に相当する金額が新たに取得する土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)の取得に充てられなければならないが、当該贈与又は遺贈を受けた土地等がその上に存する建物及びその附属設備(以下「建物等」という。)とともに公益目的事業の用に直接供されている場合であって、この土地等と建物等が一体で譲渡され、新たに土地等及び建物等を取得し、一体として公益目的事業の用に直接供する場合には、土地等と建物等が一体となって公益目的事業の用に直接供されるという実態を鑑みて、その土地等の譲渡による収入金額の全部に相当する金額が、新たに取得する土地等の価額を超え、その土地等の上に存する建物等の取得にも充てられるときに限り、当該建物等を同種の資産として取り扱うこととしたものである。
 ただし、この取扱いは、土地等と建物等が一体として譲渡される場合であって、かつ建物等の譲渡による収入金額の全部に相当する金額が、新たに取得する建物等の取得に充てられる場合に限るものとした。
 また、非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産が株式である場合には、公社債及び投資信託の受益権が株式の同種の資産の範囲に含まれることとされているが(措法405前段、措規18の1911)、買換資産は贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間(当該期間内に当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に定める事情があるときは、当該譲渡の日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間)内に公益目的事業の用に直接供しなければならないとされているところ(措法405後段)、通達13において、株式など財産の性質上、財産そのものを公益目的事業の用に直接供することができない場合には、その果実の全部を公益目的事業の用に供することをもって、その財産を公益目的事業の用に直接供したとして取り扱うこととしていることから、公社債又は投資信託の受益権であっても果実が生じないものや果実が公益目的事業の用に供することができないものについては、買換資産に該当しないことを通達29の(注)で留意的に明らかにした。


(譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類)

30 措置法第40条第5項に規定する「当該譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類」は、当該譲渡の日の前日まで(以下「期限内」という。)に同項に規定する公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出しなければならないが、期限内に提出された当該書類についてその記載内容の不備が軽微なもので速やかに補完されると認められる場合には、同項の適用があるものとして取り扱う。

(新設)

(説明)

 措置法第40条第5項の規定の適用を受けるためには、非課税承認に係る財産の贈与又は遺贈を受けた公益法人等が、当該贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の前日まで(以下「期限内」という。)に、当該譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類を、当該公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出しなければならないこととされている(措法405、措規18の1912)。
 したがって、期限内に適法な当該書類が提出されていない場合には、措置法第40条第5項の規定の適用はないのであるが、記載内容の不備が軽微なものにまで同項の適用がないとするのは、実情にそぐわないものと考えられる。このため、当該書類が期限内に提出された場合であって、記載内容の不備が軽微なもので速やかに補完されると認められる場合には、同項の適用があるものとして取り扱うこととした。


(買換資産を1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定)

31 買換資産を措置法第40条第5項に規定する贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間(当該期間内に当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に定める事情があるときは、当該譲渡の日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間。以下この項において同じ。)内に、当該公益法人等の当該公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定は、当該買換資産について、23の(1)又は(2)((2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供されたかどうかの判定))に定める日が当該期間内かどうかにより行うものとして取り扱う。

(注) 当該買換資産が当該期間内に当該公益法人等の当該公益目的事業の用に直接供していないと判定される場合には、措置法第40条第3項に規定する「代替資産をその公益目的事業の用に直接供しなくなつた場合」に該当することに留意する。

(新設)

(説明)

 買換資産は、譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間(当該期間内に当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に定める事情があるときは、当該譲渡の日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間。以下同じ。)内に公益目的事業の用に直接供しなければならないこととされている(措法405後段)。
 このため、譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかをどのように判定するのかが問題となる。
 ところで、通達23では、贈与又は遺贈に係る財産を当該贈与又は遺贈があった日から2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定方法について定めていることから、買換資産を贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定方法も、当該買換資産について、通達23の(1)又は(2)に定める日が、当該期間内に公益目的事業の用に直接供されているかどうかにより判定することとした。なお、この場合の贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日とは、通達25に定める日となる。
 上記内容を図示すると以下のとおりとなる。

判定の図

 なお、財産の贈与又は遺贈を受けた公益法人等は、いったん贈与又は遺贈を受けた財産を公益目的事業の用に供していることから、買換資産を贈与又は遺贈があった日の翌日から1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供していないと判定される場合には、措置法第40条第3項に規定する「代替資産をその公益目的事業の用に直接供しなくなつた場合」に該当することを通達31の(注)で明らかにした。


(買換資産が公益法人等の福利厚生施設等として使用される場合)

32 14((公益法人等の福利厚生施設等として使用される場合))の取扱いは、買換資産について準用する。

(新設)

(説明)

 買換資産は、贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供しなければならないとされている(措法405後段)。
 ところで、通達14は、贈与又は遺贈を受けた財産を当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の福利厚生施設等として利用している場合には、原則として、公益目的事業の用に供していることにはならないとして取り扱うこととしていることから、買換資産についても通達14の取扱いを準用することとした。


(買換資産を1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難である場合の「やむを得ない事情」)

33 10((2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難である場合の「やむを得ない事情」))の取扱いは、措令第25条の17第16項に規定する「その他当該買換資産を同項の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該公益目的事業の用に直接供することが困難であるやむを得ない事情」に準用する。

(新設)

(説明)

 買換資産は、非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供しなければならない(措法405後段)。
 ただし、当該期間内に買換資産を当該公益目的事業の用に直接供することが困難である場合として措令第25条の17第16項に規定する事情があるときは、贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から国税庁長官が認める日までの期間内に買換資産を公益目的事業の用に直接供するものとされているところ(措法405後段かっこ書)、同項に定める事情とは、買換資産として取得する土地の上に建設をする贈与又は遺贈を受けた財産に係る公益目的事業の用に直接供する建物のその建設に要する期間が通常1年を超えることその他買換資産を贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該公益目的事業の用に直接供することが困難であるやむを得ない事情とされている(措令25の1716)。
 ところで、通達10は、贈与又は遺贈を受けた財産又は代替資産を贈与又は遺贈があった日から2年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難であるやむを得ない事情についての取扱いを定めていることから、買換資産についても通達10で定めるやむを得ない事情を準用することとした。


(譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類の提出後にやむを得ない事情が生じた場合)

34 16((承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じた場合))の取扱いは、措置法第40条第5項に規定する「譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類」の提出後に33((買換資産を1年を経過する日までの期間内に公益目的事業の用に直接供することが困難である場合の「やむを得ない事情」))に定めるやむを得ない事情が生じた場合に準用する。

(注) 上記の場合には、やむを得ない事情が生じた後速やかに、やむを得ない事情の詳細を記載した書面を、措置法第40条第5項に規定する公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出するものとする。

(新設)

(説明)

買換資産を非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に、財産の贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難である場合には、当該譲渡の日の前日までに当該公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出する財務省令で定める書類にその事情の詳細を記載することとされている(措規18の1912)。
 ところで、通達16は、承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じ、贈与又は遺贈に係る財産が当該贈与又は遺贈があった日から2年を経過する日までの期間内に当該贈与又は遺贈を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難となった場合の取扱いを定め、承認申請書の提出後にやむを得ない事情が生じた場合においても一定の要件を満たす場合には、措令第25条の17第5項第2号に規定する要件を満たすものとして取り扱うこととしている。
 措置法第40条第5項に規定する「譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類」の提出後に買換資産が贈与又は遺贈を受けた財産の譲渡の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に当該贈与又は遺贈を受けた法人の公益目的事業の用に直接供することが困難であるやむを得ない事情が生じた場合も、承認申請書提出後にやむを得ない事情が生じた場合と同様と考えられることから、通達16の取扱いを準用することとした。
 なお、この場合、通達34の(注)で、やむを得ない事情の詳細を記載した書面は、当該公益法人等の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出することを明らかにした。


(代替資産又は買換資産についての措置法第40条第5項の適用)

35 措置法第40条第5項に規定する公益法人等が措令第25条の17第3項に定める代替資産又は買換資産を当該公益法人等の公益目的事業の用に2年以上直接供している場合には、当該代替資産又は買換資産について同項の規定の適用があるものとして取り扱う。この場合において、同項中「同項の贈与又は遺贈を受けた財産」とあるのは「措令第25条の17第3項に定める代替資産又は買換資産」と、「当該財産」とあるのは「当該代替資産又は買換資産」と、「譲渡の日」とあるのは「当該代替資産又は買換資産の譲渡の日」と読み替えるものとする。

(注) 上記の場合、25((譲渡の日))から34((譲渡の日その他の財務省令で定める事項を記載した書類の提出後にやむを得ない事情が生じた場合))の取扱いを準用する。

(新設)

(説明)

措置法第40条第5項の規定は、非課税承認に係る贈与又は遺贈を受けた財産を譲渡した場合に適用があるが、同項の規定は、贈与又は遺贈後の時の経過により、財産の使用目的や価値と公益目的事業とが直接合致しなくなる場合が考えられることから設けられたものと解され、その点は、代替資産及び買換資産も同様であることから、通達35は代替資産及び買換資産について同項の規定の適用があるものとして取り扱うこととした。
 この場合において、措置法第40条第5項に規定する同種の資産とは、譲渡直前において公益目的事業の用に供されていたのは代替資産又は買換資産であることから、代替資産又は買換資産と同種の資産とした。
 また、この場合には、措置法第40条第5項の規定の適用に当たって、通達25から34までの取扱いを準用することを通達35の(注)で明らかにした。

(参考)代替資産又は買換資産を譲渡する場合の措置法第40条第5項の適用要件

  • 1 代替資産又は買換資産を公益目的事業の用に2年以上直接供しているかどうかの判定
    判定の図
  • 2 代替資産又は買換資産の譲渡により取得した(再)買換資産を代替資産又は買換資産の譲渡の日の翌日から1年以内に公益目的事業の用に直接供しているかどうかの判定
    判定の図

「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報)