(公益を目的とする事業を行う法人

1 措置法第40条第1項後段に規定する「公益を目的とする事業を行う法人(外国法人に該当するものを除く。)」(以下「公益法人等」という。)とは、次に掲げる事業(以下「公益目的事業」という。)を行う法人をいい、当該事業の遂行に伴い収益を生じているかどうかを問わないのであるから留意する。

  • (1) 定款、寄附行為又は規則(これらに準ずるものを含む。以下同じ。)により公益を目的として行うことを明らかにして行う事業
  • (2) (1)に掲げる事業を除くほか、社会一般において公益を目的とする事業とされている事業

(注) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する「地縁による団体」その他専らその構成員等の利益を図ることを目的とする法人は、公益法人等に該当しない。

※ 下線部分が改正部分である。

(改正)

(説明)

 公益活動を担う代表的な主体として大きな役割を果たしてきた公益法人(民法(明治29年法律第89号)第34条の規定に基づく社団法人及び財団法人)制度については、明治29年の民法制定以来、抜本的な見直しが行われておらず、また、主務官庁の許可主義の下、法人設立が簡便でない、公益性の判断基準が不明確である、営利法人類似の法人が見受けられること等の問題点が指摘されてきた。
 これを受けて、「民間が担う公益」を積極的に位置づけ、その活動を促進するとともに、諸問題に対応するため、公益法人制度改革を行うこととされ、その基本的枠組みについては、「今後の行政改革の方針(平成16年12月閣議決定)」の中で次のとおりとされた。

  • 1 現行の公益法人の設立に係る許可主義を改め、法人格の取得と公益性の判断を分離することとし、公益性の有無に関わらず、準則主義(登記)により簡便に設立できる一般的な非営利法人制度を創設する。
  • 2 各官庁が裁量により公益法人の設立許可等を行う主務官庁制を抜本的に見直し、民間有識者からなる委員会の意見に基づき、一般的な非営利法人について、目的、事業等の公益性を判断する仕組みを創設する。

 上記に基づき、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号。以下「一般社団・財団法人法」という。)、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号。以下「公益認定法」という。)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第50号。以下「整備法」という。)並びに関係政省令が公布され、原則として平成20年12月1日から施行することとされた。
 平成20年度税制改正においては、上記の公益法人制度改革を踏まえ、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。以下「措置法」という。)第40条第1項後段に規定する譲渡所得等の非課税の特例(以下「非課税特例」という。)の対象法人のうち、民法第34条の規定により設立された法人が、公益社団法人及び公益財団法人並びに特定一般法人(法人税法(昭和40年法律第34号)別表第2に掲げる一般社団法人及び一般財団法人のうち、同法第2条第9号の2イに掲げるものをいう。以下同じ。)に改められるとともに、対象法人の範囲から外国法人に該当するものが除かれた(措法401後段)。また、対象法人が「公益法人等」、公益を目的とする事業が「公益目的事業」とそれぞれ定義された。
 このため、通達1について、上記の改正に応じた所要の改正を行った。


「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報)