『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)

措置法第41条の5の2《特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除》関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

41の5の2―2 前年以前3年内の年において生じた措置法第41条の5の2第4項に規定する通算後譲渡損失の金額(以下41の5の2―4までにおいて「通算後譲渡損失の金額」という。)に相当する金額をその年の総所得金額、土地等に係る事業所得等の金額、分離長期譲渡所得の金額、分離短期譲渡所得の金額、山林所得金額又は退職所得金額(41の5の2―4においてこれらを「総所得金額等」という。)の計算上控除する場合には、次の(1)から(4)の順序で控除するのであるから留意する。

(1) まず、その年分の各種所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合には、所得税法第69条第1項《損益通算》の規定による控除を行う。

(2) 次に所得税法第70条第1項又は第2項《純損失の繰越控除》に規定する純損失の金額がある場合には、同条第1項又は第2項の規定による控除を行う。

(3) その上で、通算後譲渡損失の金額に相当する金額について、措置法第41条の5の2第4項の規定による繰越控除を行う。この場合、その年分の分離長期譲渡所得の金額、分離短期譲渡所得の金額、総所得金額、土地等に係る事業所得等の金額、山林所得金額又は退職所得金額から順次控除する。

(4) 更に、所得税法第71条第1項《雑損失の繰越控除》に規定する雑損失がある場合には、同項の規定による控除を行う。

《説明》

1 平成16年度税制改正により、個人が、平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間に、その有する家屋又は土地等でその年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち当該個人の居住の用に供しているもの(以下「譲渡資産」という。)の譲渡をした場合(当該個人が当該譲渡に係る契約を締結した日の前日において当該譲渡資産に係る住宅借入金等の金額を有する場合に限る。)において、次の内容の「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(措法41の5の2)が新たに創設された。

イ 譲渡資産に係る譲渡損失の金額のうち、分離譲渡所得の金額の計算上控除してもなお控除しきれない譲渡損失の金額(特定居住用財産の譲渡損失の金額)がある場合には、その特定居住用財産の譲渡損失の金額については、土地建物等の譲渡所得以外の所得(株式等の譲渡所得等を除く。)との損益通算をすることができる。

ロ 損益通算後なお控除しきれない特定居住用財産の譲渡損失の金額(通算後譲渡損失の金額)がある場合には、その通算後譲渡損失の金額について、その譲渡の年の翌年以後3年内の各年分の総所得金額等からの繰越控除をすることができる。

2 ところで、上記ロによる通算後譲渡損失の金額の繰越控除にあたって、その年において損益通算、純損失の繰越控除又は雑損失の繰越控除の適用がある場合には適用関係が輻輳することとなり、その適用順序はどうなるのかという問題がある。この取扱いは、措通41の5−2(通算後譲渡損失の金額の繰越控除の順序)と同様に、適用順序についての法令に即した整理内容を留意的に明らかにしたものである。


『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)