『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)

措置法第31条《長期譲渡所得の課税の特例》・第32条《短期譲渡所得の課税の特例》共通関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

31・32共−2 分離短期譲渡所得(譲渡所得のうち措置法第32条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用がある所得をいう。以下同じ。)の金額又は分離長期譲渡所得(譲渡所得のうち措置法第31条第1項の規定の適用がある所得をいう。以下同じ。)の金額を計算する場合において、これらの所得の基因となった資産のうちに譲渡損失の生じた資産があるときは、その年中に譲渡した資産を分離短期譲渡所得の基因となる資産及び分離長期譲渡所得の基因となる資産に区分して、これらの資産の区分ごとに、それぞれの総収入金額から当該資産の取得費及び譲渡費用の合計額を控除して譲渡損益を計算する。この場合において、その区分ごとに計算した金額のうちに損失の生じたものがあるときは、その損失の金額は、次により他の譲渡益から控除する。

(1) 分離短期譲渡所得の損失の金額は、分離長期譲渡所得の譲渡益から控除し、なお控除しきれない損失の金額は生じなかったものとみなす。

(2) 分離長期譲渡所得の損失の金額は、分離短期譲渡所得の譲渡益から控除し、なお控除しきれなかった損失の金額については、当該損失の金額のうちに居住用財産の譲渡損失の金額(措置法第41条の5第1項に規定する居住用財産の譲渡損失の金額をいう。)又は特定居住用財産の譲渡損失の金額(措置法第41条の5の2第1項に規定する特定居住用財産の譲渡損失の金額をいう。)があることとなる場合を除き、生じなかったものとみなす。

《説明》

1 通達改正前の取扱いは、分離短期譲渡所得、分離長期譲渡所得、総合短期譲渡所得及び総合長期譲渡所得の金額の計算を行う場合の、それぞれの所得の間における譲渡所得内通算の順序を定めていたところである(株式等に係る譲渡所得等については、譲渡所得をはじめとする他の所得との通算ができないことから、これらの取扱いには元々含まれていない。)。

2 ところで、平成16年度税制改正により、土地建物等の譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、原則として、土地建物等の譲渡所得以外の所得との損益通算及び翌年以後3年間の純損失の繰越控除を認めないこととされ(措法31,32)、例外として、居住用財産の譲渡損失の金額(措置法第41条の5第1項に規定する居住用財産の譲渡損失の金額をいう。以下同じ。)及び特定居住用財産の譲渡損失の金額(措置法第41条の5の2第1項に規定する特定居住用財産の譲渡損失の金額をいう。以下同じ。)のみを損益通算及び繰越控除が可能な譲渡損失とすることとされた。
 また、総合譲渡所得など土地建物等の譲渡所得以外の所得の金額の計算上生じた損失の金額についても、土地建物等の譲渡所得の金額との損益通算を認めないこととされた。

3 今回の通達改正は、これらの税制改正を受け、従来の取扱いで定めていた事項のうち、分離譲渡所得の計算における総合譲渡所得との間の譲渡所得内通算に関する取扱いが不要となったことから、内容を整理したものである。
 なお、損益通算及び繰越控除が可能な居住用財産の譲渡損失の金額又は特定居住用財産の譲渡損失の金額の控除順序の取扱いについては、措通41の5−1及び措通41の5の2−1において定めている。


『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)