『「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)

措置法第37の10《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》関係

(注) アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

37の10−9 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算に当たり、法人の発行する普通株式と種類株式とを有する場合には、その種類株式の権利内容等からみて、当該種類株式が普通株式の価額と異なる価額で取引が行われるものと認められるときには、当該種類株式は普通株式と異なる銘柄の株式として、所得税法令第105条第1項((有価証券の評価の方法))の規定を適用するものとする。

《説明》

1 本通達は、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算に当たり、法人の発行する普通株式と種類株式とを有する場合の有価証券の一単位当たりの取得価額の算出に関する取扱いを明らかにしている。
 これは、既に法人税の取扱いにおいて同様の定め(法基通2-3-27)が置かれており、所得税において異なる取扱いをする理由はないことから、今回、法人税の取扱いと同様に取り扱う旨を明らかにしたものである。

2 なお、法人税の取扱いにおいては、その趣旨が次のとおり説明されているが、これは本項も同様である。

(参考) 平成13年の商法改正において、種類株式制度が見直され、優先株式をはじめとした種類株式の内容が多様化している。また、最近、会社再建支援の一手法としていわゆるデット・エクイティ・スワップ(Debt Equity Swap)が行われているが、この場合に発行される株式も種類株式が多いようである。
 このため実務においては、法人が他の法人の発行する普通株式と種類株式とを保有する場合に、その株式の一単位当たりの帳簿価額を算出するときには、これらの株式は同一銘柄の有価証券として一括して計算するのか、それぞれ異なる銘柄の有価証券として別個に計算することになるのか、といった疑問が生じる。
 この点については、種類株式は様々な権利内容のものが想定されるため、一慨にはいえないが、少なくとも種類株式の権利内容等からみて普通株式の取引価額とは明らかに異なる値動きをするようなものについては、これを区分して処理する方が合理的であると考えられる。
 そこで、本通達において、法人が、他の法人の発行する普通株式と種類株式とを有する場合において、その種類株式の権利内容等からみて、当該種類株式が普通株式の価額と異なる価額で取引が行われるものと認められるときには、当該種類株式は普通株式と異なる銘柄の株式として、有価証券の一単位当たりの帳簿価額を算出する旨を明らかにしている。


『「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)