(別紙)

農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第10条第1項第10号の事業(以下「共済事業」という。)については、これまで農業協同組合(以下「組合」という。)および農業協同組合連合会(以下「連合会」という。)が設定する共済規程に基づき、共済契約者と組合が共済契約を締結し、組合と連合会が再共済契約を締結する方式(以下「組合元受・連合会再共済方式」という。)により実施しております。
今般、共済契約者保護の充実を図ることを目的として、組合および連合会は共済規程を変更し、現行の組合元受・連合会再共済方式に代わり、組合と連合会が共同して共済契約を締結する方式(以下「共同元受方式」という。)を平成17年4月1日から新たに導入することとしております。(別紙1参照)
  ところで、共済事業における共済掛金については、消費税法別表第1第3号および消費税法施行令第10条第3項第13号の規定により非課税とされておりますが、共済事業の事業実施方式の変更に伴い、共済契約に基づく共済掛金等にかかる課税売上割合の計算上の取扱いについて、下記1から下記2のとおり変更して差し支えないか確認いたしたく御照会申し上げます。
なお、組合と連合会が事業実施方式変更後の、共済事業に必要な費用については、共済事業の共同実施に関する契約書(以下「共同実施契約書」という。(添付省略))第4条に基づき、組合と連合会がそれぞれ負担した費用のうち課税仕入れに該当するものについては、負担者の課税仕入れに該当するものと考えますが、この件についても併せて御照会いたします。

1. 現行(組合元受・連合会再共済方式)における共済掛金等の課税売上割合計算上の取扱い

課税売上割合の計算にあたっては、組合においては、共済契約に基づき共済契約者から受領する共済掛金(以下「元受共済掛金」という。)に相当する額を、連合会においては、再共済契約に基づき組合から受領する再共済掛金(以下「再共済掛金」という。)に相当する額を、いわゆる非課税売上として課税売上割合の計算式の分母にそれぞれ算入している。
また、組合が共済契約に基づき共済契約者に支払う払戻金(以下「元受払戻金」という。)に相当する額を、連合会が再共済契約に基づき組合に支払う再払戻金(以下「再払戻金」という。)に相当する額を、いわゆる非課税売上の返還等として課税売上割合の計算式の分母からそれぞれ控除している。
なお、共済約款上の一定の事由が発生したことによる共済金、返戻金および割戻金の支払については、対価性がないものとして課税対象外とされていることから、課税売上割合の計算には影響しない。(別紙2参照)

(注)

1. 共済掛金は、共済契約の保障に対して、共済契約者が払込む金額のことである。

2. 払戻金は、共済契約を変更した場合等において、すでに払込まれた共済掛金の中から、共済契約者に払戻す金額のことである。

3. 共済金は、共済約款に定める死亡、火災、満期等の共済事故が発生した場合において、共済金受取人に支払う金額のことである。

4. 返戻金は、共済契約が解除された場合等において、これまで積立てられた共済掛金積立金の中から、共済契約者に支払う金額のことである。

5. 割戻金は、共済契約にかかる連合会の決算に基づき、共済契約者に公平に分配して支払う金額のことである。

2. 変更後(共同元受方式)における共済掛金等の課税売上割合計算上の取扱い

共同元受方式導入後は、組合が法的整理に至った場合でも共済契約が継続できるように、連合会の地位は「再共済者」から「共済契約の当事者」に変更されることから、連合会は、組合と共同で共済契約の当事者の地位に就き、共済契約上の責任は組合と連合会が連帯して負うこととなる。
なお、組合が破綻状態にならない限り、連合会との機能分担及び事務手続きについては、組合元受・連合会再共済方式のものを踏襲することとしているので、共同元受方式導入後も共済契約者は、共済契約の申込み、共済掛金の払込み、異動の申出、共済金請求等の法律行為を組合に対して行うこととなる。
共済掛金は、共済の種類ごとに、1統計上の事故率に基づき算定した「予定事故率」、2満期などに向けて積み立てる積立金の運用をあらかじめ見込んだ「予定利率」、3共済事業運営に必要な経費(事業費率調査を実施)を見込んだ「予定事業費率」を基礎として計算された「危険掛金」、「積立掛金」及び「付加掛金」から構成されている。なお、これらの共済掛金率は、事業の健全性を確保し得るものであって、客観的に公平かつ適正なものとして、農林水産大臣の承認を受けて定めたものである。
組合は共済契約者から受領した共済掛金のうち、連合会が収納すべき共済掛金(以下「連合会共済掛金」という。)を、指定の期日に連合会に引き渡すこととしている(共同実施契約書第5条)。
この連合会共済掛金は、共済掛金のうちの純共済掛金部分(危険掛金+積立掛金)と付加掛金のうちの連合会事業費に対応する部分の合計額であり、また、組合が収納すべき共済掛金(以下「組合共済掛金」という。)は、共済掛金から連合会共済掛金を控除した残額で、付加掛金のうちの組合事業費に対応する部分の金額である。
  これは、共同元受方式のもとでは、組合は共済契約の申込み、共済掛金の払込み、異動の申出、共済金請求等の事務を分担し、共同実施契約書第4条に基づき費用負担を行っており、共済契約上の責任は連合会と連帯して負ってはいるものの、その負担割合は組合:連合会=0:100であることから、組合共済掛金は組合が負担する事業費に対応する付加掛金部分のみとしているものである。また、連合会は共済契約上の責任の負担割合を組合:連合会=0:100として負うことから、共済金の財源となる危険掛金及び満期返戻金の財源となる積立掛金からなる純共済掛金全額並びに連合会が分担する事業費に対応する付加掛金部分の合計額を連合会共済掛金としているものである。
共同元受方式導入後の消費税の課税売上割合の計算に当たって、非課税売上げとして課税売上割合の計算式の分母に算入する額は、組合又は連合会が共同元受方式における共同事業者として、それぞれが収納すべき共済掛金となるものと考えられる。
すなわち、組合においては組合共済掛金が、連合会においては連合会共済掛金がそれぞれ非課税売上げとなる。
また、払戻金についても共同元受方式における共同事業者として、組合及び連合会のそれぞれが払い戻すべき額を非課税売上げの返還等として課税売上割合の計算式の分母からそれぞれ控除する。
  なお、共済金、返戻金及び割戻金にかかる支払については、上記1と同様に課税対象外となる。(別紙3参照)

以上