平成30年12月
国税庁
本年6月、会計検査院より、所得税の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例のいずれも申告している場合等に関して、納税者の申告誤りが多く見受けられるとの指摘を受けました。
国税庁において、指摘を受けた申告誤りがある方を特定するため、納税者の皆様より提出された申告書の見直しを行った結果、平成25年分から平成28年分までの所得税の確定申告書を提出するなどした方のうち、最大で約1万4,500人について申告誤りの是正が必要であることが判明しました。
是正を要すると見込まれる納税者の皆様に対しては、所轄の税務署から、今一度ご自身の申告内容を見直していただき、申告誤りのあった内容の是正と不足分の税額の納付を行っていただくことをお願いしています。
国税庁においては、申告納税制度の下、今回の誤りについて、今後、納税者の皆様に、誤りのない申告をしていただけるように、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除等の制度や申告手続について、より丁寧な周知・広報を図るとともに、その申告誤りを適時・適切に把握し、その是正を行うことができるように、納税者の皆様より提出された申告書の審査の充実等に努めてまいります。
申告誤りとなっているケースは、次のケース1からケース3までのとおりです。
【ケース1】(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例について、合わせて適用を受けた場合の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の控除額の計算誤り(ケース1の詳細はこちら)
【ケース2】(特定増改築等)住宅借入金等特別控除と居住用財産を譲渡した場合などの譲渡所得の課税の特例との重複適用(ケース2の詳細はこちら)
【ケース3】贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例のうち、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用における所得要件の確認もれ(ケース3の詳細はこちら)
<ご注意>不審な電話や振り込め詐欺にご注意ください。
今回の見直しのお願いに際して、税務署から電話でお問合せをする際には、提出いただいた申告書等を基に、その内容をご本人に確認することを原則としています。
税務職員を名乗る者から電話などがあり、その内容について不審に思われた場合には、即答を避け、相手の所属部署、氏名、電話番号を確認した上で、一旦電話を切り、最寄りの税務署の総務課又は国税局の納税者支援調整官までお問い合わせください。(国税局・税務署の電話番号は、「税務署の所在地などを知りたい方」をご覧ください。)
詳しくは、「不審な電話や振り込め詐欺にご注意を」をご覧ください。
新築や購入等した家屋を居住の用に供した年分又はその前年分において、その家屋を取得するに当たり贈与を受け、その受贈額について贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けた場合で、更に、その家屋について(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けるときは、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の控除額の計算上、贈与の特例の適用を受けた受贈額を家屋の取得価額等から差し引く必要があるにもかかわらず、誤ってその減算をしていなかったものです。
(参考)
贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例は、次に掲げるものが該当します。
新築や購入等した家屋を居住の用に供した年分及びその前後2年分ずつの計5年分の間に、居住用財産を譲渡した場合などの譲渡所得の課税の特例の適用を受けた場合には、その家屋について(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることができないにもかかわらず、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていたものです。
(参考)
居住用財産を譲渡した場合などの譲渡所得の課税の特例は、次に掲げるものが該当します。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例については、その適用を受ける年分の所得税の合計所得金額が2,000万円超である納税者は、その適用を受けることができないにもかかわらず、誤って適用を受けていたものです。