奥村座長
 先生方にはこのまま続けさせてください。今、大阪大学の跡田先生にもご参加いただきました。跡田先生、きょう初めていらっしゃっていますのでひとことだけごあいさついただきます。

跡田氏
 大阪大学の跡田です。酒が好きなんで選ばれたと思います。20歳からというのがどうもうちの大学生を見ていると守られているかどうかというのが不安ですけれども。

奥村座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして日本チェーンストア協会の規制緩和小委員会委員長の松井様、食品流通小委員会の村口様、専務理事の森田様から現状をお話しいただいて、その後私どもがいろいろお教えいただきたいと思います。大変申しわけございませんが、15分ぐらいで発表の方終えていただけますか。

森田専務理事
 日本チェーンストア協会の専務理事の森田でございます。今日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 チェーン協絡みの資料を用意してまいりました。ぺラで4枚紙のものと、それからパンフレット類ということで日本チェーンストア協会の概要のパンフレットもございますし、それから、後ほどご説明いたします「お酒・たばこは未成年者に売らない・買わせない・飲ませない」という大きい方のバージョンが2000年の12月につくりましたバージョン、小さい方のバージョンが年齢確認を強調して昨年の12月につくりましたバージョンと、こういうことでございます。
 それでは、簡単にご説明を4枚紙の方でさせていただきます。まず1ページ目、日本チェーンストア協会の概要の資料を簡単にまとめさせていただきました。昭和42年にスーパーの全国的な団体として発足いたしまして、35年たつわけでございます。現在は西友の渡邊会長が協会長、副会長にイオンの岡田社長以下8名ということでございます。
 事業の概要といたしまして、こういった形でのいろいろ商業政策について自由で活力のある形でお願いをしたいという政策提言を中心に活動をしておりまして、そのほか2の公正取引、3の生活者への情報発信、4の全国8支部ありますけれどもこの強化、それから5で社会と人に優しいというのは、環境問題あるいはバリアフリーという社会貢献型の活動を展開しております。それから6では経営改善、業務効率化ということで情報システムあるいは物流、その他もろもろの効率化業務を行っているということでございまして、現在は会員社104社、賛助会員が513社でざっと売り上げ規模が昨年の歴年で16兆ということでございますので、小売の統計ですとざっと140兆ほどありますので、その中では12%程度を占めており、流通業では一番大きな団体であろうと思っております。ちなみに百貨店協会というのがございますけれども、百貨店の集まり、これはざっと9兆円ということであります。
 それでは、1枚おめくりいただいて2ページ目に入ります。まず第1の論点の規制緩和の流れの中で我が協会、会員社はどういう状況にあるかということをご説明したいと思います。まず、免許の具体的な取得の状況でございますけれども、平成12免許年度の断面で見ていただきますと、食品の取り扱いの店舗、これは全社ということではございませんで、協会でアンケートしたものの回答によるものでございますけれども、4,717店舗ございまして、そのうち一般酒類の全酒類販売免許を持っているものが1,861場。大型店1万平米以上の大型店の免許で全酒類が527場、条件つき大型店免許の場合3年間は国産ビールあるいは清酒は扱ってはならんという、そういう条件を受けておりますけれども、そういうものが178場ということで、まさに一連の生活者利便のための規制緩和の閣議決定の流れの中で順次ふえてはおります。しかしながら、12免許年度の断面で見ていただきましても、まだざっと半分程度が免許をいただいておらないというような状況にありまして、まだ十分我々として生活者の利便に貢献しているということでは足りないんじゃないかなと思っております。我が協会としては食品スーパーで食品を扱うものである以上は当然お客様としてその店に来られまして、食に関するものは全部そろっておるということでお見えになっているわけでして、そういうものは当然品ぞろえをして生活者のワンストップショッピングに貢献をしたいと思っておりますし、あるいはまた半分しか免許がないものですから、新しいスーパーをその地に出させていただきましても、「何でおたくのお店ではお酒を扱っていないんですか」というようなことをよく聞かれる、そういうのが実態でございまして、お酒は当然日常生活に欠くべからぬものでございまして、今の段階でもまだ半分程度のお店しか扱っていないということをご理解いただきたいと思います。
 次に3ページ目でございますけれども、そういう流れの中で我が業界としてこの経済的規制、原則自由ということでいろんな要望をしてまいったわけでございます。そこに書かれておりますように、第一には今回話題になっています需給調整要件、これを完全撤廃をしてほしい。それもできるだけ早期にということで一貫して国税庁あるいは政府等々いろいろなところに要望しておるということでございます。
 それから、2つ目に書いてありますいわゆる2%条項の復活でございますけれども、国税庁様からご説明があったかと思いますけれども、平成13年1月に距離基準が廃止されまして、今人口基準のみということでございます。その人口基準で段階的に需給調整が緩んでいるわけですけれども、13年1月までは既存の免許枠×2%といいましょうか、最低どの地域でも2%は免許は出すという形での運用が行われておりまして、これが廃止されたものですから、平成13年1月以降は免許がでない地域が多数存在をしておって、我々としてはぜひどの地域でもある免許枠は出していただければという要望をしております。
 それから第3に大型店における需給調整規制の廃止ということですけれども、これは先ほど申し上げました大型店で免許をいただく場合、3年間は限定つきと。したがってワイン等しか扱えないということでございますので、その規制を早期に廃止をしてほしいということ。
 それから4番目に少し細かくなりますけれども、これから時代の流れの中でインターネットでの販売等もふえてくると思います。この辺を少し弾力化してほしいということ。これら一連の経済的規制緩和の中で我が業界として特に要望してきた内容でございます。また、現在も要望しておるということであります。
 それから、第2の論点であります社会的規制の関係でございますけれども、きょうも幾つかパンフレット類あるいはツールのたぐいを持ち込んでおりますけれども、それらの整理をしたものがこの4ページ目の資料でございます。我が協会としては、特に国税庁のご指導を受けながら、平成8年4月から会員社に対して徹底をしてこの未成年者飲酒防止という大命題に取り組むということでやってまいっておりまして、ポスター以下そういったものを広く会員社に徹底をしていくということで、それからご説明があったと思いますけれども、議員立法で罰則の強化、それから免許の取消ということとの関連等もございまして、新しく平成12年11月にこういったポスター類をもさらに広く行っております。
 それから3番目に店頭配布もしたのが冊子類でございまして、平成12年12月のバージョンで38万枚ほど店頭で配布をし、新しい昨年12月のバージョンでは30万枚ほど店頭で配らせていただいて広く社会全体のルール化をPRをしております。それから、4にありますが、国税庁の作成されましたポスターも店頭でいろいろ掲示をさせていただいておるということでございます。
 ちょっとお店へ行かれましてもうお気づきだと思いますけれども、小さな新しいバージョンで見ていただきますと、まず我々のスローガンは「お酒やたばこは未成年者に売らない・買わせない・飲ませない」という、これを社会のルールとして販売業者はもちろんのこと広く社会を構成する一人一人が意識をしながら取り組もうじゃないかという視点、立場でございまして、特に昨年の12月には年齢確認をせよ、という条項が入りましたので、それを今中心に取り組んでおります。広く開いていただきますと、いろいろなポスター類、例えば左ですと「酒・たばこは未成年者に売らない・買わせない・飲ませない」と、こういうポスターを掲示しておりまして、ここに「失礼ですがお客様は20歳以上ですか?、身分証明書をお願いします」という形で確認せよという形での指導をしておるということでございます。その下にも店長が朝礼でレジ係等を集めまして、そういうことをやるんだよということを打ち合わせている絵が左に載っておりますけれども、そういうことをやっておるということ。それから、フランチャイズからもお話があったと思いますけれども、いろいろなツールをつくっていまして、「お酒のコーナー」、「これはお酒です」というのが右下の方にございますけれども、いろいろなところに「未成年者の飲酒は法律で禁止されております」というようなポスターをいろいろ、特にレジ回りを中心に貼付をさせていただいております。
 それから、右の真ん中の方では、お酒の陳列や表示を、分離陳列をせよという国税庁のご指導に従いまして、陳列を分離し、表示もわかりやすくと、お酒コーナーというような形でわかりやすく表示をさせていただいております。それから、たばこなども扱っておることがございますけれども、これは右上の方にチェックしていますけれども、レジ周辺でレジ係がきちんと見える形をとるようにという指導をさせていただいておる、あるいはレジのすぐそばの透明のケースで売るようにというような指導もさせていただいております。それから、店内では上の方にありますけれども、放送を流しまして未成年者の飲酒の禁止の呼びかけ、あるいは年齢確認をやりますよ、ということを放送させていただいているということで、そこに黄色・青・紫の印で書いてありますけれども、1つ目が未成年者の飲酒・喫煙禁止の呼びかけ、年齢確認のご協力を徹底してやっているということ。
 2つ目はお酒・たばこの販売方法について、自己点検を徹底してやりますということ。それから第3にチェーンストアで働く従業員もこういった問題についての意識啓発、研修に努めているということで、今回一連の議員立法の中で社会的規制についてしっかりやるようにということでございますので、我々としてはそれに沿ってできる限りの対応をさせていただいておるということでございます。
 いずれにしても我が協会そういうことで取り組んでおりますけれども、一連の問題繰り返しになりますけれども、経済的な諸規制はやはり原則自由にしていただいて、創意工夫あるいは消費者利便ということでみんなが切磋琢磨し合う、そういうことが重要であろうと思っておりますし、社会的規制、特に未成年者飲酒防止についての社会的規制についてはそういったルールに従って、しっかり我々自身やっていくと同時に、これは販売者だけの問題ではございませんので、社会全体でもっと社会風土を盛り上げ、かつ意識を高めてそれぞれが対応する必要があるというのが基本的な認識でございます。
 以上でございます。

奥村座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ご質疑をお願いいたします。跡田先生きょう初めて加わっていただいたので、ぜひ優先的にご発言いただけたらありがたいですが。

跡田氏
 ご指名ですので、少し言わせていただきますが、2ページ目の酒類販売免許取得状況というのは、これは今半分ぐらいが酒類の免許ということなんですけれども、実際にこのまま時間がかかるとは思いますけども、4,717店舗のうちこのまま行くと5年たったらどのぐらいになりますか。ほぼ全部になりますか、今の状況で行くと。自由化というのが今も徐々にじわじわとされていると思うんですけども、実際のところはどのぐらいのペースでどのぐらいになるというふうにみなされているんですか。

森田専務理事
 理論上は空枠といいましょうか、先ほどの2%ルールが撤廃されていますので、免許枠は出ない地域もございますね。だから、そういうものが残っておりますが、今の流れとしてはこの平成8、平成10、平成12と、この4年間で見る限りは20%程度拡大をしておりますので、それの延長戦上に行くのかなという気がいたします。

跡田氏
 要するに、こういうのは自由化するときにやはり皆さん自身がどういう弊害があるかというのが一番おわかりだと思うんですね。社会的な規制の方の問題とは別にして、マーケットとして下請けのマーケット、これはいろんな次元があると思いますね、ビールもあれば日本酒もあると思いますけれども。そういうものの中でやはり皆さんがどんどん強くなっていくというか、拡大していくことによってどういうところに問題が出るというふうにやはり認識されているのかなというのがちょっとお伺いしたいんですけど。全くないというわけではないと思うんですけど。

森田専務理事
 やはりどの商品であれ、これは各社の各お店の創意工夫とか、 生活者にいかにサービスをするかの競争をするというのが大原則であると思っておりまして、それはそういう税を重く担っているガソリンスタンドであれその他もろもろの商品を扱っているものであれ同じではないかと。

跡田氏
 日本酒というものに対してローカルな日本酒というものがだんだんだんだん少なくなっていると、要するに大メーカーの日本酒は残っているのかもしれないのですけど、皆さんのこういう大型店舗がどんどんどんどんふえていく、そういう中でお酒のメーカーというか、ローカルなメーカーというものをどういうふうに考えていらっしゃるかというのがちょっと聞きたかったんです。無視という形でいいのかどうか。

村口食品流通小委員会委員
 現実で言えば、今のは日本酒ということですか、日本酒ということではパック酒の980円とかリッターでというふうな需要がべースとしてはございますけれども、反面先ほども申しました地酒のところにつきましてはかなり需要としては伸びているということがございます。それで、地酒のところ、ローカルのお酒を大事にして販売していこうという姿勢は売る者の立場からもメリットがあるということで、そういう視点では販売しているというのが現実だと思います。

跡田氏
 その傾向が皆さん、ほとんどのチェーンストアさんに広がりますか。

村口食品流通小委員会委員
 はい、それは広がると思います。

跡田氏
 いや、単純に考えると、大手の少し安目のものがばっと出て行く方が強まるのではないかと。

村口食品流通小委員会委員
 嗜好品というのは必ずしもそういうふうなことにはならない点が全商品にわたってあると思います。ベースのもちろんNBの部分というのが強いと、これは間違いございませんし、その中での廉価版のお酒というのがボリュームがあるというのも間違いございませんけれども、嗜好品の世界におきましてはそうではない商品へのお客様ニーズというのは非常に強いというのは、どの商品カテゴリーでもございますので、そういうことはないというふうに、扱う者としては思っております。

奥村座長
 ほかのテーマでいかがでしょうか。

井岸氏
 このパンフレットの裏側に出てきているお話なんですけど、例えば免許というのは裏腹に販売管理の責任ということがあるんじゃないかと思うんですが、そういった意味で未成年者に対してこの中に具体的にアメリカでは州によって身分証明書がないとお酒が買えない。仮にそういうことがあった場合、ここに書かれているように、チェーンストア協会というのはそういったことについては全面的に賛成していくというような気持ちがあるんですか、ここに出ているということは。

森田専務理事
 年齢確認をIDでやりたいというのは我が方としてございまして、いろいろ法改正等をご議論させていただくときにもやはりすべての国民がIDを持っていない、たまたま身分証明書的なものでは免許証と、せいぜい学生証ぐらいしかないわけですけれども、だから国民全員がIDを持っておれば一番我々としてはしっかりレジで確認ができる、そして責任も果たせるとこう思っております。

奥村座長
 ほかにいかがですか。

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