日時:平成10年10月16日 10:00 〜11:40

場所:国税庁第一会議室

出席者:

  • 国税審査会委員
    • 貝塚会長、天野委員、岡野委員、北村委員
      河野委員、平岩委員、水野委員、森委員
  • 説明者 国税庁
    • 薄井国税庁長官、大武国税庁次長、森田課税部長
      吉澤徴収部長
  • 審判所
    • 太田国税不服審判所長、橋本国税不服審判所次長

1 会長からの提言事項

  1. (1) 国税審査会委員に対する税務情報提供の充実
  2. (2) 国税審査会の議事要旨の公開

2 最近の審査請求事件の動向等及び下記3事例について説明

  1. (1) 最近の審査請求事件の動向等
    • ・ 平成9年度の審査請求事件の発生件数(3,187 件)
    • ・ 税目別の発生件数(申告所得税1,732件、消費税471件、法人税442件)
    • ・ 平成9年度の審査請求事件の処理件数(3,051 件)
  2. (2) 隠ぺい又は仮装の事実は認められないとして重加算税の賦課決定処分を取り消した事例
  3. (3) 代表者に対する貸付金に係る未収利息を収益に計上することの当否が争われた事例
  4. (4) 消費税の簡易課税制度上の事業区分の判定に関する事例
  5. (5) 主な質問
    • ・ 重加算税の賦課には過少申告と帳簿の改ざんの二つの要件が必要か。
    • ・ 債務者が有する株式がいわゆる非上場株式で気配相場すらないものである場合、一般的な法人税の課税実務上の取扱いはどうなっているか。
    • ・ オーナー経営者の代表者が債務超過に陥っている場合、法人も経営危機に陥っているのが通常と思われるがどうか。
    • ・ 簡易課税制度の事業区分に関する審査請求事例は多く発生しているか。

3 税務行政をめぐる最近の裁判例について

 最近消費税の仕入税額控除を争点とした判決が相次いで出されたことから、下記の項目について説明。

  1. (1) 消費税における帳簿及び請求書等の保存の意義について
  2. (2) 消費税の仕入税額控除を争点とした東京地裁、津地裁、大阪地裁の判決内容について
  3. (3) 最近の消費税の滞納の増加傾向と国税庁の取組状況を説明
  4. (4) 主な質問
    • ・ 帳簿等を7年間保存するのは事業者にとって負担が重すぎないか。
    • ・ 大阪地裁の判決で、納税者の出してきた帳簿に不備があったということはどういうことか。
    • ・ 預り金的な消費税や源泉所得税の滞納は、事業体の倒産により発生する場合が多いのか。

4 国税庁の通達の見直しについて

 中央省庁等改革基本法の趣旨を踏まえ、国税庁の発遣した通達について次の検討を行うこととしている。

  1. (1) 通達の廃止・統合
  2. (2) 法令の解釈に関する通達の名称変更による、通達の性格の明確化
  3. (3) 通達内容のホームページへの掲載、個別通達へのコードの付与 等