1. 日時

平成18年2月9日(木) 14時57分〜16時43分

2. 場所

国税庁第一会議室

3. 議題 

  1. (1) 分科会の活動状況について
  2. (2) 最近の税務行政の動向
    • ・ 平成17年分確定申告に向けた取組
    • ・ 滞納整理事務の現状と今後の課題
    • ・ 酒類行政を巡る最近の動き
    • ・ 税務行政上の国際的課題への取組

4. 議事経過

  1. (1) 各分科会長から、分科会の活動状況について報告があった。
  2. (2) 事務局から、最近の税務行政の動向について説明があり、おおむね以下のような内容の質疑応答があった(以下の質疑応答は、発言順である。)。
    • ○ APA(事前確認制度)については、予測可能性が確保され、課税リスクの削減に役立っているが、取引が国際化、複雑化しており、日本の親会社が商流に絡まない、海外子会社間の取引も増加している。このような取引についても、我が国の二国間APAの枠組み中で対応できないか。
      • → 親会社が商流に入っていない場合でも、ノウハウ等に対するロイヤルティを親会社が回収するということで、日本の親会社を含めたAPAがあり得る。その場合、相互協議を二国間以上で行うことも考えられる。
    • ○ アジアの国は、無形資産の価値や親会社による技術指導料の支払いをなかなか認めない。これらの国々にも、税の考え方を広めるよう、ご尽力願いたい。
      • → アジアの国々もOECDにオブザーバーで参加するなどしており、無形資産の価値や親会社の技術指導料の支払いの取扱いについても先進国の税の基準の取り込みを考えてきている。OECDによるアウトリーチ活動もこれらの点を含めて行われており、日本もアジアの国々に対する知的支援活動を積極的に行っているところである。
    • ○ 消費税の滞納整理状況について、どのくらいの割合が最終的に回収できなくなるのか。
      • → 滞納となったもののうち、0.5%くらいであるが、これは国際的にみてもかなり低いほうとなっている。
    • ○ 酒類の地理的表示基準について、産地指定が行われた後の行政の対応はあるのか。
      • → 各地域の清酒メーカーが自主的に地域ブランドを確立しようという動きが出るよう、支援していきたい。
    • ○ 国税業務が厳しくなっていく中、国税業務の外部委託を進めているが、セキュリティー面は大丈夫なのか。
      • → セキュリティーの問題については、特に個人情報の取扱いが重要視されているので、慎重に考えていく必要があると思っている。
    • ○ 酒類の地理的表示基準について、清酒の産地といっても一般人にはイメージがわかないので、更に工夫が必要ではないか。
      • → 産地表示が加わり酒類の表示が更に分かりにくくなるとの意見もあるので、分かりやすい表示となるよう見直しをしていかなければならないと考えている。
    • ○ 口座振替による納税は、納税者にとってどういうメリットがあるのか。
      • → 口座振替による納税は、つい納期限を忘れてしまい延滞税がかかってしまうのを避けることができるなどのメリットがある。
    • ○ e−Taxで申告を行うと、どういうメリットがあるのか。
      • → 税務署に足を運ばなくても自宅やオフィスから申告できるメリット、特に法人の場合、毎月申告・納付のある消費税・源泉所得税などについてかなりのメリットがある。
    • ○ 消費税の滞納状況について、消費税を預かったときに、すぐに別のルートで納税するようにすれば、滞納は起きないのではないか。
      • → 消費税は、売上げに対する消費税から仕入れに対する消費税を差し引いて、納税する仕組みになっており、その計算に一定の期間を要するので、直ちに納税することはできない。
    • ○ 酒類の地理的表示基準について、米など原料の産地については、どう考えるのか。
      • → しょうちゅうの「薩摩」のように原料の産地を基準として定める例もあるが、清酒の「白山」については、米の産地までは基準として定めていない。

(注) ○は委員の意見又は質問であり、→は事務局の回答である。