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- 「酒類販売業等に関する懇談会」第26回会合 議事要旨
1. 日時
平成16年11月29(月) 14:00〜16:00
2. 場所
国税庁第一会議室
3. 出席者
- (懇談会メンバー)
- 井岸松根、岡本勝、奥村洋彦、小宮信夫、須磨佳津江、田中利雄、寺沢利雄、本間千枝子、矢島正見(敬称略)
- (国税庁)
- 岡本審議官、小鞠酒税課長、亀井酒税企画官、井澤、前田、土屋、永田、(以上酒税課課長補佐)、竜崎企画専門官
4. 議事概要
前回に引き続き、平成16年2月24日(第11回)以降再開された懇談会における取りまとめ等について、意見交換が行われた。その結果、本日までの懇談会での意見を踏まえ、再度修文した上で、改めて各メンバーの意見を聞き、当懇談会の最終的な座長取りまとめとすることについて、全メンバーから了承された。
概要は次のとおり。
- ○ 社会的な要請への対応のあり方について、懇談会として最終的な意見を述べるものだから、今後の方向性を示したものとすべきである。
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○ 「未成年者自身の処罰も検討すべき」とあるが、罰則の話は少数のメンバーの意見に過ぎず、都合のよいところだけ取り上げることはできない。また、未成年者の飲酒については、罰則を設けなくとも、不良行為として十分対応できる。
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○ 未成年者の飲酒行為への処罰については、福祉犯であるとの論理で、罰則を設けることは困難と聞いた。海外で調査したところでは、未成年者を処罰している例があったが、まずは親を呼び出して注意し、それでも親が手におえない場合には本人を罰するというものであった。日本の現状では、親の教育が十分でないことから、まずは親を教育することが必要になる。処罰の軽重は別にして、未成年者に自覚を持たせるという効果があるということで、意見として記載することも一つの手段ではないか。
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○ イギリスでは、行為規制として、飲酒により公園で大騒ぎをしている場合、酒を没収している。そのほか、飲酒した未成年者が警察に、もう飲酒はしませんといった宣誓を行い、それをフォローしていき、それでもだめな場合は罰するというものがある。不良行為で対応できるとのことだが、物は没収することとし、人に対しては行政命令などソフトに対応する方がよいのではないか。
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○ 未成年者飲酒禁止法の違反は福祉犯と位置付けられているので、未成年者自身の処罰は困難であるという事情はあるが、未成年者飲酒防止の実効性を高める方策が法的対応も含めて検討されるべきである。
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○ 社会的要請の重要性から、地域住民の安全を無視することはできない。
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○ 年齢識別機能のある自動販売機について、他人の免許を借りて酒類の購入など、識別機能の実効性に問題があると思う。
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○ 個人的には、自動販売機は全て撤廃でよいと考えるが、そのように主張するのはやはり難しいか。
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○ 撤廃に賛成である。「外国には酒類の自動販売機はないが、わが国では撤廃は無理。」と読めてしまう。
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○ 理屈としては、酒類自動販売機を完全に撤廃することに賛成だが、実効性に疑問がある。例えば過疎地などで、買う店も無いような場合にも禁じてしまうと、却って弊害がでてくるおそれもある。
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○ 自動販売機はできる限り廃止していこうということで、年齢確認の実効性が担保されない限り改良型もだめ、という書き方がいい。
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○ 「多くのメンバーから成人識別機能のある自販機についても撤廃が望ましいとの意見が表明されている」と記載するということでいいのではないか。審議会ではないのだから、意見が割れてもそのまま載せる方が良いだろう。
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○ 「一定の地域において公道、公共交通機関等の公共の場所」の記述に公園を入れたらよいと思う。また、酒類販売店の役割として、地域社会の防犯活動や青少年の健全育成に積極的に関与すべきであり、それと同時に、地域住民も地域に密着した酒類販売店の果たす防犯機能を強化すべき旨の文言を入れるべきである。
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○ 販売よりも一定の場所での飲酒行為を禁止した方がよいと思うが、その方法として、タバコのように地方公共団体が、禁止場所を設ける方法も考えられる。
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○ パンフレットを学校に配っても見ていないという指摘もあったことから、「パンフレットの配布・作成等」だけではなく、配布したうえで有効活用や実践的に使用すべき、ということを記載するべきである。
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○ パンフレットの作成・配布だけではなく、体験学習、地域学習を通して効果的な教育を展開すべきである。また、効果的な教育を展開するためには、薬物乱用、万引き防止等の非行防止教育とリンクしていくことが必要である。
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○ 学校よりも家庭でこそ我が子の飲酒に配慮すべきものである。東京都では深夜徘徊に親の責任を強化している。飲酒問題における親の責任問題についても記載すべきである。
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○ 親がまずはパンフレットを理解し、その内容を子供にどう伝えるかが大事である。
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○ 体験学習や地域学習を通じて子供を教育することで、ひいては親を教育することになる。また、地域住民ともコミュニケーションが図られる。例えば、地域安全マップの作成など、子供をうまく活用した親への教育という方法もある。
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○ 「過度な価格競争」の文章は、値段が安いから未成年者が飲酒をするといった因果関係があるようにとられかねない。
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○ 「値段が安く、買いやすいから買う」といった側面もあると思うが、グラスなどの景品やリベート等の販売競争の方が問題ではないか。
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○ 価格競争が未成年者の低アルコール酒類の飲酒に関係付けられているのは、おかしい。公正な取引の推進ならば価格競争だけを議論すべきである。
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○ 低価格の酒類については、飲料水を購入する感覚で飲酒できることから必要である。また、ジャンパーを景品に用いた販売や、見た目は20歳以上と判断しにくいタレントを使っての広告宣伝を行っていることから、販売姿勢に反省・自粛を求める内容としてはどうか。
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○ 「若者、女性を対象とした低アルコール酒類については、未成年者飲酒防止の観点から販売姿勢、広告宣伝のあり方を検討することが必要」等の内容とし、「価格競争」を「販売競争」等と修文してはどうか。
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○ 「健康に効果がある酒類の開発」に「酒類と飲酒文化」といった文言を追加して、お酒の知識、歴史、飲み方等を総合したお酒の在り方のようなものを伝えていく必要もあるのではないか。
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○ 日本はとかく酔っ払いに寛容であるとか、酔っ払い文化といわれているが、本来は飲酒に厳しい歴史がある。戦後は、そういったものが崩れてきているので、「本来、世界に誇れる日本の飲酒文化が形成されることを願ってやまない。」のような表現で締めくくってはどうか。
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○ 今はお酒の悪い面に関心が集まっているような印象を受けるため、「酒類についても健康面に与える良い効果、悪い効果の両面に消費者の関心が集まっている」に変更してはどうか。
(注) ○印はメンバーからの意見である。