1. 日時

平成16年10月25日(月) 10:00〜12:00

2. 場所

国税庁第二会議室

3. 出席者

  • (懇談会メンバー)
    • 井岸松根、岡本勝、奥村洋彦、神崎宣武、小宮信夫、須磨佳津江、寺沢利雄、本間千枝子、水谷研治、矢島正見、山下友信(敬称略)
  • (国税庁)
    • 岡本審議官、小鞠酒税課長、浜田鑑定企画官、亀井酒税企画官、初谷、井澤、前田、土屋、永田、(以上酒税課課長補佐)、竜崎企画専門官

4. 議事概要

 平成16年2月24日(第11回)以降再開された懇談会におけるこれまでの論点の整理について、意見交換が行われた。概要は次のとおり。

  • ○ 社会的な要請への対応だけではなく、今後の政策等についても検討してはどうか。
  • ○ 前回とりまとめた内容との重複は避けて検討すべきではないか。
  • ○ 酒類と健康に関して取り組むべき課題は、大量飲酒者対策。政策評価の観点からも当該課題に対するアプローチは必要。
  • ○ 未成年者は、飲酒による内科疾患の障害が大きいとあるが、以前のヒアリングによると、12・13歳の者に関しては、内科疾患の障害が大きいといえるものの、18・19歳の者に関しては、影響は成人と変わらなかったと記憶している。飲酒が20歳未満には全て悪いとひとくくりにせず、年齢によって影響が異なることを認識した上で議論を進めるべき。
  • ○ 医学的観点から論じる際に、14・15歳が境となるのであれば、その旨をきちんと示すべき。20歳以上の者に選挙権が与えられるように、社会的な理由から20歳を区切りとしているのであれば、飲酒が未成年者に与える弊害という観点から一概に論じることは問題。
  • ○ より簡素な形にして、国民の自己責任を促す方向性とすべき。国が何でも規制してくれるというのは国民にとっては便利ではあるが、かえって社会的コストが高くつく場合もあるし、国民の自己責任に任せる部分がなければ、役所はいくら人を雇っても足りなくなる。
  • ○ ある問題に対しては法律による規制が必要となるかもしれないが、別の問題に対しては法律を作らなくとも対処可能であろう。その振り分けが重要であり、問題に応じて柔軟に対応すべき。
  • ○ 「未成年者の飲酒は、重大な非行の前兆ともなり得る」とあるが、「重大」とはまでは言えず、また、「安売り合戦が〜影響も大」とあるが、影響が「大」とまでは言えない。
  • ○ 飲酒文化のところで、「未成年者の犯罪等については、・・・」との記載があるが、当懇談会は酒類について取り上げているので、この部分の論及は不要。
  • ○ 未成年者の飲酒と非行行動の関係について、本当に相関関係にあるのか、単に同時に発生しているものなのか、識別する必要がある。
  • ○ 未成年者飲酒防止等を啓発するパンフレットなどは実際に販売している場所で見せることが効果的だと思うので、積極的にアピールすべき。
  • ○ 大人と未成年者を同一と捉えるのでなく、判断力のない未成年者に対してどのように教育するのかが大切。
  • ○ アンケート等で未成年者が、実際にはこれだけ飲酒をしているという実態を把握しているのだから、未成年者の酒の消費量がどれほどか明らかにできれば、効果の目標がたてやすいのではないか。
  • ○ 現在の未成年者を20歳未満ということでは、18歳位から働いている未成年者も含まれてしまっているが、労働者の飲酒に、水分と栄養を手早くとるという価値が認められるなら、未成年の労働者と遊び半分で飲酒している未成年者を区別するような規定を付け加えることはできないか。
  • ○ 医学的に問題がない場合に、融通を利かせられないかということであるが、医学の専門家からのご意見の中に、「20歳という年齢に意味がある。」というのがあった。
  • ○ 飲酒禁止の対策のターゲットは小中高校生と考える。18歳以上を対象に対策を講じても失敗するのは目に見えている。
  • ○ 飲酒年齢を18歳まで下げれば17歳の者からなぜダメなのかという議論がでてきて際限がない。
  • ○ 何でも法的規制に組み込むということはよくない。望ましい程度を示すことについては指導も有効だと思う。
  • ○ 対応の仕方を民間に要請するといった指導はあって当然である。
  • ○ 大人の規範意識ということがあるが、飲酒機会の提供業者(居酒屋など)への情報提供が必要。居酒屋に子供や幼児連れの母親たちが増えているが、この子供たちが成長した際の影響は大きい。以前、「刺青を入れた方の入店お断り」といった表示を業界が警察の協力を得てやっていたが、未成年者の飲酒機会の拡大を防止のため、店舗に表示できないか。
  • ○ 地域の秩序違反の取締りというと、防犯パトロールをすればよいと考えがちであるが、それではあまり効果がない。この懇談会の検討課題として、路上や電車内等の公共の場所における規制を検討すべき。
  • ○ 飲酒教育について、パンフレットによる教育などは、まだまだ絶対数が少ない。教育こそが重要と考えるので、教育委員会や学校に対し、積極的に働きかけてゆくべき。
  • ○ 高齢化している時代に、例えば年寄りが1人でやっている店についてまで、防犯運動をやらせるのは厳しいのではないか。
  • ○ 一般酒販店の存在自体が犯罪を抑制する環境をつくっているといえる。
  • ○ 一般酒販店において、例えばパッチテストなどを行い、消費者の飲酒の適量を測定した上で販売すれば付加価値がつきスーパー等に対抗できるのではないか。
  • ○ 平成15年9月以降、規制緩和でおよそ2万件の酒販免許が増えているが、一般酒販店の割合はかなり減っているものと思われる。将来的に見てコンビニやスーパーなどにも、一般酒販店の地域防犯機能などの役割を期待すべき。
  • ○ 地域住民も努力する必要がある。誰かにやらせようという意識が強いのではないか。自分も含め、個人としてもっと社会に関わっていく必要がある。
  • ○ 一般の人達にも、もっと地域の商店が防犯環境を作っていることを認識し、店を盛り立てて、防犯力を高めてもらいたい。
  • ○ コンビニはフランチャイズ契約なので、各店の所有者が責任を持って運営をしている。オーナーと従業員がともに、地域防犯の役割という意識を持ってくれれば可能。
  • ○ 自分の教育委員の経験で、子供が話を聞いてくれるためには先生の力を借りる必要がある。そういう意味では、一般の先生に対する教育というものが、効果的ではないか。

(注) ○はメンバーからの意見である。