1 日時

平成14年3月15日(金)  15:30 〜17:15

2 場所

国税不服審判所会議室

3 出席者

  • (メンバー)
    • 跡田直澄、井岸松根、宇賀克也、岡本 勝、奥村洋彦、神崎宣武、田中利見、寺沢利雄、本間千枝子、水谷研治、御船美智子、山下友信

    (敬称略)

  • (国税庁)
    • 大西審議官、戸田酒税課長、若尾酒税企画官、工藤酒税課課長補佐、大柳酒税課課長補佐、前田酒税課企画専門官

4 議事概要

 これまでのメンバーからの意見、関係業界及び関係省庁からのヒアリング等を踏まえ、これまでの議論を整理した別紙の論点の項目を提示し、説明を行った後、提示した項目の「1.環境の変化等」、「2.これまでの規制緩和の評価」を中心として意見交換等がなされた。メンバーからの意見等の概要は以下のとおり。

  • ・ メーカーは、需要の有無にかかわらず製造場の稼働率を向上させるために製造することから、価格競争が激化するものと考える。
  • ・ 酒に手を出しやすい環境、例えばスーパーの酒売場の状況、シェア獲得のための宣伝や広告が問題ではないか。
  • ・ 酒類の特性として、致酔性、習慣性については今も昔も変化していないが、嗜好品、文化・伝統性、財政物資性については変化していると考える。
  • ・ 市場原理なのかもしれないが、消費者の立場から過当競争をみると、各社があまりにも「売らんかな」の体制が強いように思う。これが酒類市場全体の不透明性につながっているのではないか。
  • ・ 酒をうまく飲むという啓蒙活動を行なうには、それを充足できるような情報等の提供体制が重要である。
  • ・ 地方の日本的な文化を残すということであれば、地場産業を残すための何らかの施策が必要である。
  • ・ 特徴のある、努力をしている酒類製造業者は助けても良いのではないか。自由化の流れの中であっても許されるのではないか。
  • ・ 中小メーカーに対する税の調整、補助金も考えられるが、国税庁が全体に網をかけるのは適当ではない。国は強制しない程度に酒類業界が協調したマーケットを作るよう誘導していけば、それで十分ではないか。
  • ・ 酒類には、様々な種類、業者規模があるため、業種、業態に区分して考えるべき。
  • ・ メーカー・流通の変化、マーケットの変化、消費者の嗜好の変化、教育の変化などを含め、どのように対応していくか考える必要がある。経済のトレンドを人為的に変えるのは難しいのではないか。
  • ・ 経済的規制は原則廃止すべきであると考えるが、社会的規制については必要なものは規制していくべきである。反面、社会的規制は経済的規制にも成り得るので、十分検討する必要がある。
  • ・ 中小企業がどんどん廃業する状況で、酒類業のみ特殊性があるとはいえないのではないか。致酔性等による酒類の害については、原則として個人の責任・判断によるべきであり、国が規制すべきではない。



(別紙)

未定稿

論点項目

1. 環境の変化等

  1. (1) 環境の変化
  2. (2) 酒類の特性とは
  3. (3) 酒類業の特性とは

2. これまでの規制緩和の評価

  1. (1) 新規参入による消費者アクセスの増加、市場の活性化
  2. (2) 未成年者対策、公正市場問題への取り組みの推進
  3. (3) 今後の課題

3. 今後の手当ての必要性について

  1. (1) 社会的規制について
  2. (2) 今後の酒税保全のスキームについて
  3. (3) 消費者の観点からの手当てについて
  4. (4) 公正取引の観点からの手当てについて

4. 今後の酒類行政のフレームワークは

  1. (1) 酒類販売業免許等公的規制のあり方
  2. (2) 酒類業の健全な発達のための取り組み