1. 日時:平成15年5月19日(月)  15:30〜17:25

2. 場所:特別会議室

3. 出席者:

酒類分科会委員  田島分科会長  
   今井 委員  北村 委員
   幸田 委員  立石 委員
   八木 委員  吉澤 委員
   水野臨時委員  
説明者 国税庁  渡辺長官  
   福田次長
   大西審議官
   寺内酒税課長
   浜田鑑定企画官
   若尾酒税企画官
   工藤課長補佐
   本宮課長補佐

田島分科会長
 遅れてお見えになる方もおられるようですが、定刻となりましたので、ただいまから国税審議会酒類分科会を開催いたしたいと思います。
 私は、分科会長の田島でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 委員の皆様方には大変お忙しいところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 なお本日は、都合によりまして、尾崎護委員、それから平岩弓枝委員がご欠席でございます。
 それから、この議事に入ります前に、委員の任免関係の変更がございましたので、ご報告をさせていただきます。
 水野忠恒委員におかれましては、本年8月に任期が満了となりましたけれども、9月から臨時委員として任命されておりますので、引き続きよろしくお願いを申し上げます。
 また、本日は酒類分科会本委員及び臨時委員10名のうち8名の方々にご出席をいただいておるわけでございまして、委員の過半数がご出席でございますので、国税審議会令第8条に基づきまして、本会は有効に成立をしているということをご報告いたします。
 さらに、国税庁長官をはじめ行政側の異動がございましたので、国税庁の出席者を改めてご紹介させていただきます。
 まず、渡辺国税庁長官でございます。
 福田国税庁次長でございます。
 大西審議官でございます。
 寺内酒税課長でございます。
 浜田鑑定企画官でございます。
 若尾酒税企画官でございます。
 工藤補佐でございます。
 本宮補佐でございます。
 どうぞよろしくお願いをいたします。
では、議事を始めます前に、渡辺国税庁長官からごあいさつをお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

渡辺長官
 委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。また、日頃から税務行政及び酒類行政につきまして、多大のご理解とご協力を賜っておりますことを厚く御礼を申し上げます。
酒類を取り巻く環境につきましては、品質あるいは安全性についての消費者の関心の高まり、あるいは酒類の消費形態とか流通構造の変化、酒類業者の企業再編など、生産、流通、消費の各段階におきまして大きな変化の中にあるわけでございます。とりわけ食品全般の表示に関する消費者の関心が高まっております中で、酒類に関する表示の基準につきましても大変重要な問題になってきているというふうに考えております。
 本日、ご審議をお願いしております事項は2つございます。両方とも、こうした表示に関するものでございます。
具体的に申し上げますと、1つ目は「酒類における有機等の表示基準の一部改正について」でございます。この件は、酒類における遺伝子組換えに関する表示の基準に関するものでございますけれども、昨年12月にこの分科会でご審議いただきました改正案をもちまして、パブリック・コメント等の諸手続を終えております。本日はこれを酒類分科会としてお取りまとめいただきたく、よろしくお願いを申し上げます。
もう一つご審議をお願いしております事項は、本年11月22日に諮問をさせていただきました「清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正について」でございます。この基準は、平成元年に告示・施行しておりますが、今回はその中で純米酒の精米歩合の基準などにつきまして改正の必要が生じていると考えておりますので、ご審議をお願いしたいと思っております。詳細は、後ほど説明をさせていただきます。
委員の皆様方におかれましては、酒類に関する適切な表示のあり方についてよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
なお、先ほど申し上げましたように、お酒を取り巻く環境は大きく変化をしているわけでございますが、本年9月に致酔性を有する酒類の未成年者飲酒防止対策を含めました販売管理に関する社会的要請への取組み、あるいは規制緩和後の酒類小売業免許のあり方等に関しまして、「酒類販売業等に関する懇談会」による「取りまとめ」が行われております。今後、この「取りまとめ」などを踏まえまして、消費者の利益を重視しながら様々な社会的要請に応える酒類業のフレーム作りを行っていくことが必要であると考えております。本日は、この懇談会の「取りまとめ」の概要などにつきましても後ほどご説明をさせていただきたいと思っております。
最後になりましたが、委員の皆様方におかれましては税務行政及び酒類行政につきまして、今後ともご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、大変簡単でございますがごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

田島分科会長
 どうもありがとうございました。
 ここで、長官にはご退席をいただきますので、ご了承いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(長官退席)

田島分科会長
 では、審議に入ってまいりますが、ただいま長官のごあいさつにもございましたように、本日は2つの審議事項と事務局からの説明を予定いたしておるわけでございますが、進め方といたしましては、まず審議事項の1「酒類における有機等の表示基準の一部改正」につきまして、事務局からご説明をしていただいた上で、酒類分科会としての取りまとめをいたしたい。それが終わりまして、次に「清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正」につきまして、事務局からご説明をちょうだいいたしました上で審議をしていただきたい、このように考えております。
 以上、2つの審議事項の審議が終わりましたところで、事務局からご説明をちょうだいしたいとこのように考えております。
 では、「酒類における有機等の表示基準の一部改正」ということでございますが、昨年11月19日に長官から諮問を受けました「酒類における有機等の表示基準の一部改正」につきましては、国税審議会会長から当分科会に付託することが適当だというご判断をちょうだいいたしております。それを受けまして、昨年12月14日に同分科会でご審議をいただきました。酒類分科会の改正(案)として取りまとめております。当該改正(案)につきましては、いろいろな手続がございまして、それを行いました結果につきまして、事務局からご説明をいただきたいというふうに思います。では、ここでご説明をちょうだいしたいと思います。

寺内酒税課長
 それでは、「酒類における有機等の表示基準の一部改正」についてご説明を申し上げますが、その前に恐縮でございますが、お手元にございます資料のご確認をお願いいたします。
 まず、議事次第というのが1枚目にあると思います。それから配席図、それから分科会の委員名簿、それから、本日の資料といたしまして、「国税審議会酒類分科会検討資料」と書いたものがございます。検討資料の方をおめくりいただきますと配付資料一覧というのがついてございます。配付資料は「酒類における有機等の表示基準の一部改正について」、それから、「清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正について」の2つの審議事項に関する資料でございます。
 「酒類における有機等の表示基準の一部改正」につきましては、資料の1の方でございます。
 1ページ目の資料の1−1は、前回(平成13年12月14日)の酒類分科会で取りまとめていただきました「酒類における有機等の表示基準」の改正(案)でございます。それから、2ページ目の資料の1−2の方でございますが、これは、これまでの審議の概要等を整理したものでございます。
 それから、本日2つ目の審議事項となっております「清酒の製法品質表示基準を定める件の一部改正」、これは資料の2の方でございまして、3ページの資料の−1というのは、後ほど分科会長からご説明いただきますが、国税庁長官から国税審議会会長への諮問内容でございます。
 それから、資料の2−2ですが、現行の清酒の製法品質表示基準の特定名称酒に係る事項の概要を図で示したものでございます。資料の2−3の方は、本日審議いただきます事務方の方で考えております改正事項でございます。
 それから、「国税審議会酒類分科会参考資料」と書いたものでございます。1枚おめくりいただきますと、配付資料一覧がついておりますが、配付資料、資料1から7までございます。これは本日の2つ目の審議事項についてご説明させていただく際に参考として使わせていただく資料でございます。
 資料1の方を御覧いただきますと、酒類の表示基準を定めるための根拠法である「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の抜粋が資料の1としてついてございます。この資料の下の部分にございます86条の8というところに、「財務大臣は、第86条の6第1項の規定により酒類の表示の基準を定めようとするときには、あらかじめ、国税審議会に諮問しなければならない。」と規定されております。この規定によりまして、本日の2つ目の審議事項として、「清酒の製法品質表示基準の一部改正」についてご審議をお願いするということでございます。
 資料2以降につきましては、そのご審議の際に参考としていただくためのものでございます。
 それから、最後に説明資料と書いたものもお手元にあるかと思います。この資料につきましては、一連の審議事項が終了いたしました後にご説明申し上げます。
 以上が、本日の配付資料でございます。ご確認をいただきたいと思います。
 それでは、先ほど分科会長からお話がございました1つ目の審議事項ということで、まず「酒類における有機等の表示基準の一部改正について」ご説明申し上げます。お手元の検討資料の方を御覧いただきたいと思います。
 検討資料の方の1ページ目、1−1でございます。先ほど御覧いただきました「「酒類における有機等の表示基準」改正案」でございます。この資料につきましては、先ほど申し上げましたが、前回の審議会におきまして取りまとめいただいている改正案でございます。前回の分科会は1年前のことですので改めて簡単に改正の趣旨についてご説明申し上げます。
 遺伝子組換え食品に関する表示につきましては、近年の食品の多様化、消費者の食品の品質及び安全性や健康に対する関心が高まるにつれまして、この遺伝子組換え食品に対する表示を求める声が高まってまいりました。そこで、農林水産省が平成12年3月でございますが、JAS法に基づく、遺伝子組換えに関する表示に係る基準を制定いたしました。昨年4月からこの遺伝子組換え農産物及びその加工食品について、その旨の表示を義務づけることになったわけでございます。お酒につきましては、JAS法の対象から除外されておりますので、遺伝子組換えに関する表示につきましても有機の表示と同じように、消費者の適正な商品選択に資するという観点から、表示基準の明確化を図ることが必要と考えられたわけでございます。
農林水産省におきましては、この「遺伝子組換え表示食品」につきまして、新たな知見あるいは消費者の関心等を踏まえまして、毎年見直しを行うということとしておりまして、実はその後、組成、栄養素、用途等に関しまして、従来のものとは同等ではない、これは特定遺伝子組換え農産物と表しておりますが、その特定遺伝子組換え農産物といたしまして初めて高オレイン酸の遺伝子組換え大豆、一番下の方の表に書いてございますけれども、これの安全性確認がなされたということを受けまして、高オレイン酸大豆及びこれを原材料とします加工食品につきまして、その旨の表示を義務づけることといたしました。昨年の9月28日にその旨の表示を義務づける農林水産大臣の定める基準の改正が施行されたところでございます。
 この高オレイン酸でございますけれども、脂質を構成する脂肪酸でございますので、高オレイン酸大豆をお酒の原料に使用する可能性は少ないと思います。しかし、この遺伝子組換え農産物や、食品の開発・実用化につきましては、近年国際的にも広がっておりまして、今後安全性が認められれば農林水産省の見直しによって、その対象農産物等が拡大される。場合によっては、酒類の原料として使用されるものも出てくる、そういう可能性もございます。そこで、農林水産大臣の定める基準の改正にあわせまして、酒類におけます遺伝子組換えに関する表示についても改正することとしたわけでございます。これが昨年ご審議いただきました内容でございます。
 次に、1ページおめくりいただきまして2ページでございますが、資料の1−2の方でございます。「「酒類における有機等の表示基準」の改正に係るこれまでの経緯」ということで、これまでの審議の概要及び表示基準を改正するため必要な手続でございますパブリック・コメント、それからWTO通報について整理したものでございます。
 1の国税審議会酒類分科会のご審議の内容でございます。今、ご説明いたしました改正内容につきましてご説明申し上げましたところ、「大豆については今は酒類の原料として使われていないと思うけれども、これから先、消費の多様化が進み、いろいろな商品の開発が行われると考えられる。また、主原料としてではなく、副原料として使われる可能性もあるので、このような表示基準を厳格に作った方が消費者の信頼を得るためには必要である」といったようなご意見をいただき、ご了承をいただいたわけでございます。
 そのうち、2のパブリック・コメントの手続でございますが、このご了承いただきました表示基準案につきまして、平成13年12月21日から14年1月25日までの間、国税庁のホームページ等に掲載いたしました。広く一般の皆様からご意見を募集いたしましたが、特段のご意見はございませんでした。
 次に3のWTO通報につきましてでございます。本件表示基準は外国で製造されました酒類についても対象としております。この関係上、TBT協定というのがあります。Technical Barriers to Tradeというものでございますが、これに基づきますWTO加盟国への通報を行いました。一番下の参考の方にございますが、「TBT協定」とはWTO協定の付属書におきます「貿易の技術的障害に関する協定」というものでございます。お酒もこれに該当するものでございます。この通報につきましては、WTOを通じまして加盟各国にこの表示基準案についての意見を求めたところでございます。期限が5月20日でございましたが、各国から特段の意見はございませんでした。
 なお、WTO通報に先立ちまして、※印のところにございますが、主要国に対しまして表示基準案について事前の説明をしてございます。これはWTO通報を実施する前に、「基準・認証制度に係るアクション・プログラム」というのがございまして、これに基づく内閣官房副長官補室の審査を受ける際の前提条件となっているものでございますが、その際、この表示基準案の内容につきましては、特に主要国から異論はございませんでした。むしろ「自国では、高オレイン酸大豆を使用することは考えられないけれども、先を見越して基準を作るということを評価する」という意見がございました。
 以上が、「酒類における有機の表示基準一部改正」案の内容、それから、前回の分科会においてご了承いただきました改正案につきまして実施いたしましたパブリック・コメントとWTO通報手続における状況でございます。
 以上でございます。

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