これからの社会と税:税の学習コーナー[発展編] これからの社会と税 これからの社会と税 日本の経済社会は大きく変化してきています。少子・高齢化の進展だけでなく、家族構成や個人の働き方も変わってきています。 ■経済社会の変化 日本の人口は2004年をピークに減少し、21世紀半ばには2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる超高齢化社会になるといわれています。 また、日本の労働力人口は減少してきています。労働力人口とは、満15歳以上の働く人(完全失業者を含む。)の人口のことをいいます。労働力人口が減少している理由としては、生まれてくる子どもの数が減り続けていることや、若い人たちの中でも働かない人が増えていることが考えられます。さらに働き方も多様化し、会社に勤める正社員ではないフリーターやパートとして働く人の数が増加しています。 そして、独身の人や、夫婦二人だけの家庭が増えるなど家族構成も変化しています。 これらの変化は、これからの日本の社会や税のあり方を考えていくうえでとても重要なことです。 ●雇用形態別の雇用者数の推移(役員を除く)      | 正規雇用者 | 非正規雇用者(%) ―――――――――――――――――――― 平成15年 |  69.6  |   30.4    ―――――――――――――――――――― 平成28年 |  62.5  |   37.5 ―――――――――――――――――――― 平成29年 |  62.7  |   37.3 ―――――――――――――――――――― 平成30年 |  62.1  |   37.9 ―――――――――――――――――――― 令和元年 |  61.7  |   38.3 ―――――――――――――――――――― 令和2年 |  62.8  |   37.2 ―――――――――――――――――――― 令和3年 |  63.3  |   36.7 ―――――――――――――――――――― 令和4年 |  63.1  |   36.9 ―――――――――――――――――――― ○「正規(正社員)」の雇用者が減り、「非正規(パートやアルバイトなど)」の雇用者が増えていることに注目しましょう。 ■負担のあり方について 租税負担と社会保障負担(公的年金や公的医療保険の保険料など)の合計が、国民所得に占める割合のことを国民負担率といいます。 現在、日本の国民負担率は、主要先進国と比べ低い水準にあります。 ●国民負担率の国際比較        | 租税負担率 | 社会保障負担率 | 国民負担率(%)  ――――――――――――――――――――――――――|――――――――――   日本   |   28.2   |    19.8     |   47.9      ――――――――――――――――――――――――――|――――――――――  アメリカ  |   23.8   |     8.5     |   32.3      ――――――――――――――――――――――――――|――――――――――  イギリス  |   34.3   |    11.7     |   46.0      ――――――――――――――――――――――――――|――――――――――   ドイツ  |   30.3   |    23.7     |   54.0      ――――――――――――――――――――――――――|―――――――――― スウェーデン |   49.5   |     5.1     |   54.5      ――――――――――――――――――――――――――|――――――――――  フランス  |   45.0   |    24.9     |   69.9      ――――――――――――――――――――――――――|―――――――――― 日本は2020年実績値。諸外国は、OECD "Revenue Statistics"及び同 "National Accounts"等による2020年実績値。 ○国民負担率を諸外国と比べたグラフです。 今後は、日本の急速な高齢化を念頭に置いて考えていく必要があります。 ■税のしくみのあり方について これからの日本では少子・高齢化や厳しい財政状況を踏まえ、豊かで安心して暮らせるための社会保障制度や持続可能な財政構造の構築が必要になります。 そのためには、歳出面での改革とともに、税制面では、所得・消費・資産などの多様な租税ベースに適切な負担を求めつつ、必要な公的サービスを安定的に支える歳入構造の構築が重要となります。 豊かで安心して暮らせる未来のためには、公平な租税負担と給付の関係について、私たち一人ひとりが考えることが大切です。