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ホーム税について調べるその他法令解釈に関する情報その他目次電子帳簿保存法について電子帳簿保存法Q&A(平成27年9月30日以後の承認申請対応分)通則

通則

問1 電子帳簿保存法はどのような内容となっていますか。

回答

 電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)の概要は次のとおりです。

  • (1) 国税関係帳簿書類のうち電子計算機を使用して作成している国税関係帳簿書類については、税務署長等の承認を受けた場合には、一定の要件の下で、電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルム(以下「COM」といいます。)による保存等(国税関係帳簿の場合には備付け及び保存をいいます。以下同様となります。)が認められます(法4、5)。
     また、取引の相手先から受取った請求書等及び自己が作成したこれらの写し(国税関係書類(決算関係書類を除きます。))について、税務署長等の承認を受けた場合には、書面による保存に代えて、一定の要件の下で、スキャン文書による保存が認められます(法43)。
  • (2) 所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者がいわゆるEDI取引等の電子取引を行った場合には、電子取引に係る取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的記録又はCOM若しくは書面により保存しなければなりません(法10)。

解説

 電子帳簿保存法は、納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図るために、その電磁的記録等による保存等を容認しようとするものですが、納税者における国税関係帳簿書類の保存という行為が申告納税制度の基礎をなすものであることに鑑み、あらかじめ税務署長等の承認を受け、かつ、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形で、電磁的記録等の保存等を行うことが条件とされています。
 また、所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められていますが、同様の取引情報を電子取引により授受した場合には、この注文書、領収書等の原始記録の保存が行われない結果となりかねない状況にあったため、電子帳簿保存法において、新たに電子取引に係る取引情報について保存義務が設けられたものです。
 加えて、当初の電子帳簿保存法では、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿及び自己が一貫して電子計算機を使用して作成する書類についての電磁的記録による保存等を認めていましたが、取引の相手先から紙で受取った請求書等についてのスキャン文書による保存は認めていませんでした。その理由として、1スキャン文書は電子データの特性として変更が容易であり、変更履歴を完全に保持するシステムがないこと、2スキャニングにより書類に残された紙質、筆圧等の情報が消滅してしまい、不正把握の重要な端緒が消滅するなど証拠収集上の問題があることなど、帳簿書類保存制度の目的を損なわないような真実性・可視性を確保するための実効性のある条件を見出せない状況等がありました。このスキャン文書による保存については、平成17年度の税制改正により、電子署名、タイムスタンプにより、スキャン文書の変更等の検知が可能となったこと及びヴァージョン管理によるスキャン文書の変更履歴を保持することが可能になったことなどから、認めることとなりました(契約書等については、記載された契約金額又は受取金額が3万円未満のものについて認めることとなりました。)。
 また、平成27年度の税制改正により、平成27年9月30日以後に行う承認申請から、次のような改正がされました。

  • 1 契約書等に係る金額基準(3万円未満)を廃止し、適正な事務処理を担保する規程の整備等が要件とされたこと。
  • 2 契約書等について、業務サイクル後速やかに入力を行っている場合の関連する国税関係帳簿の電子保存の承認要件を廃止したこと。
  • 3 入力者等の電子署名を不要とし、タイムスタンプを付すとともに、入力者等情報の確認を要件としたこと。
  • 4 いわゆる一般書類(規則第3条第6項に規定する国税庁長官が定める書類)については、その書類の大きさに関する情報の保存を不要とし、カラーではなくグレースケールでの保存でも要件を満たすこと。
国税関係帳簿書類の保存方法の可否
  紙保存 電子データ・COM保存
(一貫して電子作成)
スキャナ保存
(紙→スキャナ)
帳簿 原則
所法148・法法126等
特例
電帳法41(承認制)
真実性・可視性の要件:訂正削除履歴等
×  
書類 受領 原則
所法148・法法126等
    特例
電帳法43(承認制)
真実性・可視性の要件:タイムスタンプ等
発行(控) 原則
所法148・法法126等
特例
電帳法42(承認制)
可視性の要件:検索機能 等
特例
電帳法43(承認制)
真実性・可視性の要件:タイムスタンプ等
  • ○:所得税法、法人税法等で保存が義務付けられているもの
  • ◎:電子帳簿保存法での保存が可能なもの
  • ×:保存が認められないもの

○ 帳簿書類の形態別保存の可否一覧(法人税関係)
(クリックでPDFが開きます(PDF/126KB))
帳簿書類の形態別保存の可否一覧の表

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問2 市販の会計ソフトを使って経理処理や申告書の作成などを行っている場合には、国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等は認められますか。

回答

国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等を行う場合は、法令で定められた要件を満たし、税務署長等の承認を受ける必要があります。

したがって、税務署長等の承認を受けることなく、市販の会計ソフトを使用して、紙による保存等に代えて、電磁的記録等による保存等を行うことは認められません。

なお、電磁的記録等による保存等を行う場合の具体的な要件については【問13】をご覧ください。

解説

国税関係帳簿書類は申告納税制度の基礎となる重要なものであるため、その電磁的記録等による保存等は、適正公平な課税が損なわれることがないように法令で定められた要件を満たし、税務署長等の承認を受けた場合に限り認められます。

そのため、使用している会計ソフトに例えば電磁的記録の訂正・削除の履歴を確認できる機能が備わっていない場合は、法令で定める要件を満たしていないため、当該ソフトを使用して作成した帳簿については電磁的記録等による保存等は認められないことから、紙出力して保存等を行うことになります。

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問3 保存義務者が国税関係帳簿に係る国税の納税者である場合及び納税者でない場合の、この法律における納税地等は具体的にどのように判定することになりますか。

 下図「帳簿書類の保存義務者・保存場所・納税者・納税地・納税地等の関係に係る類型」を参考としてください。

帳簿書類の保存義務者・保存場所・納税者・納税地・納税地等の関係に係る類型
  区分 保存義務者 保存場所 納税者 納税地 対応業務の事務所 特例法の納税地等
1 法人が取引に関する事項を記載した帳簿
(法人税法126)
法人 納税地
(一法人につき一箇所)
法人の本店 法人の本店
  (法法126) (法規59) (法法4) (法法16)   (法法16)
法人が取引に関して相手方に交付した領収書等の写し
(法人税法126)
法人 納税地又は事務所等 法人の本店 法人の本店
  (法法126) (法規59) (法法4) (法法16)   (法法16)
2 酒類の製造に関する事実を記載した帳簿
(酒税法46、同令521
酒類製造者 納税地
(本社とは別に複数存在)
酒類製造場
(本社とは別に複数存在)
酒類製造場
(本社とは別に複数存在)
  (酒法46)   (酒法6) (酒法53)   (酒法53)
3 非課税貯蓄の限度額管理(障害者マル優)に関する帳簿
(所得税法令483
金融機関の営業所等の長 金融機関の営業所等 ×
(金融機関が源泉徴収義務を負う)

(金融機関の営業所等一金融機関から見た納税地)
金融機関の営業所等 金融機関の営業所等
  (所令483   (所法6) (所法17)    
4 酒類の販売に関する事実を記載した帳簿
(酒税法46、同令522
酒類販売業者 酒類販売場
(本社とは別に複数存在)
× 酒類販売場
(本社とは別に複数存在)
酒類販売場
(本社とは別に複数存在)
  (酒法46)          

(注) 「納税者」欄は、保存義務者が帳簿書類に係る国税の納税者であるかどうかである。

  • 1 法人税法上の帳簿書類
    図1 法人税法上の帳簿書類
  • 2 非課税貯蓄(障害者マル優)の限度額管理に関する帳簿
    図2 非課税貯蓄(被害者マル優)の限度額管理に関する帳簿
  • 3 酒類の製造に関する事実を記載した帳簿
    図3 酒類の製造に関する事実を記載した帳簿
  • 4 酒類の販売に関する事実を記載した帳簿
    図4 酒類の販売に関する事実を記載した帳簿

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問4 法人税に係る国税関係帳簿書類を本店のほか各事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第4条第2項等の承認申請を行うことができるのでしょうか。

回答

 法人自体が、本店所在地の所轄税務署長に対して承認申請を行う必要があります。

解説

 法人税に係る国税関係書類については、これを事業所の所在地に保存することも認められています(法人税法施行規則591、同672)が、1電子帳簿保存法では、承認申請の主体を保存義務者とし(法6)、また、その保存義務者を「国税に関する法律の規定により……保存をしなければならないこととされている者」と定義している(法2四)こと、一方、2法人税法では、法人税に係る国税関係帳簿書類の保存義務者を法人自体としていること(法人税法1261及び150の21)から、各事業所の長は保存義務者には該当しません。
 また、承認申請は、納税地等の所轄税務署長に対して行う必要があり(法4、5、6)、この場合の「納税地等」については、「保存義務者が、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者(国税通則法第2条第5号に規定する納税者をいう。)である場合には当該国税の納税地をいい……」と定義されています(法2五)。
 したがって、法人税に係る国税関係書類を各事業所に保存することとしている場合であっても、それに係る法第4条第2項等の承認を受けるための申請は、その法人自体が、その法人の法人税法上の納税地(本店又は主たる事務所の所在地)の所轄税務署長に対して行う必要があります。

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問5 電磁的記録とは、どのようなものをいいますか。

回答

 法第2条第3号の「電磁的記録」とは、情報(データ)それ自体あるいは記録に用いられる媒体のことではなく、一定の媒体上にて使用し得る(一定の順序によって読みだすことができる)情報が記録・保存された状態にあるものをいいます。
 具体的には、情報がフロッピーディスク、コンパクトディスク、DVD、磁気テープ等に記録・保存された状態にあるものをいいます。

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問6 売上伝票などの伝票類について、電子帳簿保存法の適用はどのようになりますか。

回答

  • 1 紙で作成された売上伝票などの伝票類が、企業内での決裁、整理などを目的として作成されている場合は、所得税法施行規則第63条第1項及び法人税法施行規則第59条第1項等に規定する保存すべき書類には当たらないことから、法第2条第2号(定義)に規定する国税関係書類に該当しないので、電子帳簿保存法の適用はありません。
  • 2 一方、伝票が国税関係帳簿の記載内容を補充する目的で作成・保存され、その伝票が国税関係帳簿の一部(補助簿)を構成する場合には国税関係帳簿となります。
  • 3 いずれにせよ伝票類は国税関係書類に該当しないためスキャナ保存を行うことはできませんが、前述の国税関係帳簿に該当する場合には、法第4条第1項及び法第5条第1項に規定する承認を受け、電磁的記録による保存を行うことは可能です。
  • 4 したがって、上記のような売上伝票などの伝票類について、仮に保存義務者からスキャナ保存の承認申請書の提出があった場合には、税務署長等はその申請を却下することとなります。

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問7 スキャン文書の保存により消費税の仕入税額控除は認められますか。

回答

 スキャン文書の保存により消費税の仕入税額控除が認められます。

解説

 スキャナ保存は法第4条第3項において「国税関係書類に記載されている事項を……電磁的記録に記録する場合であって」とされており、その「国税関係書類」とは「国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類」をいうものとされています(法2二)。
 消費税の仕入税額控除については、その適用を受けようとする事業者は、消費税法施行令第50条第1項により「請求書等を整理し……保存しなければならない」こととされていることから、当該請求書等は「国税関係書類」に該当し、法第4条第3項によるスキャナ保存をすることができます。
 したがって、消費税の仕入税額控除の適用に当たり、法第4条第3項のスキャナ保存の承認を受けて国税関係書類に係る電磁的記録を保存している場合には、その基となった書類を保存していない場合であっても消費税法第30条第7項に規定する請求書等が保存されていることとなります。