貸倒引当金の繰入限度額は、個別評価金銭債権と一括評価金銭債権とに区分して計算することとされています。
 このうち、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算の概要は次のとおりです。

(注) 一括評価金銭債権の範囲については、コード5500「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲」を参照してください。

1 実績繰入率に基づく計算(原則)

貸倒引当金の設定対象事業年度末の一括評価金銭債権の帳簿価額に、過去3年間の貸倒損失発生額に基づく実績繰入率を乗じて計算します。

繰入限度額 = 期末一括評価金銭債権の帳簿価額 × 貸倒実績率(注)

(注) 貸倒実績率は、次の算式により、小数点以下4位未満を切り上げて計算します。

貸倒実績率 = (A×B)/C

  1. A: その事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の売掛債権等の貸倒損失の額
     +その各事業年度の個別評価分の貸倒引当金繰入額の損金算入額
     −その各事業年度の個別評価分の貸倒引当金戻入額の益金算入額
  2. B: 12/左の各事業年度の月数(※)の合計額
  3. C: その事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度終了の時における一括評価金銭債権の帳簿価額の合計額 ÷ 左の各事業年度の数

※ 算式中の「月数」については、暦に従って計算し、1か月に満たない端数が生じたときは、これを1か月とします。

(注) 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から、貸倒引当金を繰り入れることのできる適用法人が次の法人に限定されています。

(1) 資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人のうち100%子法人等を除く法人

 なお、100%子法人等とは、①資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等(以下これらを併せて「大法人」といいます。)による完全支配関係(一の者が法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係をいいます。)がある普通法人、②完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人をいいます。

(2) 資本又は出資を有しない普通法人

(3) 公益法人等又は協同組合等

(4) 人格のない社団等

(5) 銀行、保険会社その他これらに準ずる法人

(6) 金融に関する取引に係る金銭債権を有する一定の法人((1)から(5)に該当する法人を除きます。)

 なお、(6)の法人については、この制度の対象となる金銭債権が一定の金銭債権に限定されています。
 また、上記の適用法人以外の法人については、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度の繰入限度額について、一定の経過措置が設けられています。

2 法定繰入率に基づく計算(中小法人又は公益法人等若しくは協同組合等向けの特例)

 下記(1)の各法人については、繰入限度額の計算に当たり、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の上記1の実績繰入率に基づく計算に代えて、下記(2)の繰入限度額の計算によることが認められています。

  1. (1)対象となる法人
    • イ 事業年度末における資本金が1億円以下の普通法人(ただし、下記の法人を除きます。)
      1. ・ 資本金が5億円以上の法人、相互会社又は受託法人(以下これらを併せて「大法人」といいます。)による完全支配関係がある普通法人
      2. ・ 完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている普通法人
      3. ・ 平成31年4月1日以後に開始する事業年度からは、適用年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の平均額が15億円を超える法人(適用除外事業者)
      4. ・ 保険業法に規定する相互会社
      5. ・ 保険業法に規定する外国相互会社
    • ロ 公益法人等又は協同組合等
  2. (2)繰入限度額
     次の算式により計算します。
     繰入限度額 = (期末一括評価金銭債権の帳簿価額−実質的に債券とみられない金額) × 法定繰入率(注)

    (注) 法定繰入率は以下のとおりです。
    卸売業及び小売業(飲食店業及び料理店業を含みます。) … 10/1000
    製造業 … 8/1000
    金融業及び保険業 … 3/1000
    割賦販売小売業並びに包括信用購入あっせん業及び個別信用購入あっせん業 … 13/1000
    その他 … 6/1000

3 繰入限度額の割増しの特例(公益法人等又は協同組合等向けの特例)

公益法人等又は協同組合については、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算を上記1又は2のいずれかの方法で行った場合であっても、下表のとおり繰入限度額を割増しすることが認められています。

次の期間に開始する事業年度 平成10年4月1日から平成24年3月31日まで 平成24年4月1日から平成29年3月31日まで 平成29年4月1日から平成31年3月31日まで 平成31年4月1日から令和2年3月31日まで
割増率 116% 112% 110% 108%
次の期間に開始する事業年度 令和2年4月1日から令和3年3月31日まで 令和3年4月1日から令和4年3月31日まで 令和4年4月1日から令和5年3月31日まで 令和5年4月1日以後
割増率 106% 104% 102% (制度廃止)

(法法52、66、法令96、措法57の9、措令33の7、法基通11−2−16、11−2−18〜11−2−20、平23.12改正法附則10、13、51、平31改正法附則54)

参考: 関連コード

5500 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲

[令和2年4月1日現在法令等]