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雑損控除における「損失額の合理的な計算方法」

雑損控除の適用において、災害により被害を受けた住宅や家財、車両の損失額は、その損失の生じた時の直前におけるその資産の価額を基として計算することとされていますが、損害を受けた資産について個々に損失額を計算することが困難な場合には、次の「損失額の合理的な計算方法」により計算して差し支えありません。

1 住宅に対する損失額の計算

1 取得価額が明らかな場合
 住宅の取得価額から、その取得の時から損失を生じた時までの期間の減価償却費の額の合計額を差し引いた金額に、被害割合を乗じた金額とします。

 損失額(注2、4)=(取得価額−減価償却費(注1))×被害割合(注3)

(注)

  • 1 減価償却費の計算は、次のとおりです(以下同じです。)。
    減価償却費=取得価額×0.9×償却率×経過年数(1年未満の端数は、6月以上は1年、6月未満は切り捨てます。)
     なお、償却率は参考「住宅・自動車の償却率(旧定額法)」を参照ください。
  • 2 保険金、共済金及び損害賠償金等で補てんされる金額がある場合には、その金額を差し引いた後の金額が損失額となります。
     ただし、被災者生活支援法に基づくものは除きます(以下同じです。)。
  • 3 被害割合については、被害状況に応じて、別表3「被害割合表」により求めた被害割合とします(以下同じです。)。
  • 4 損失額には、損害を受けた住宅等の原状回復費用(修繕費)が含まれます(以下同じです。)。

2 取得価額が明らかでない場合
 住宅の所在する地域及び構造の別により、別表1「地域別・構造別の工事費用表」により求めた住宅の1平方メートル当たりの工事費用に、その住宅の総床面積(事業用部分を除きます。)を乗じた金額から、その取得の時から損失を生じた時までの期間の減価償却費の額の合計額を差し引いた金額に、被害割合を乗じた金額とします。

 損失額=〔(1平方メートル当たりの工事費用×総床面積)−減価償却費〕×被害割合

(注) 別表1「地域別・構造別の工事費用表」について、該当する地域の工事費用が全国平均を下回る場合のその地域の工事費用については、全国平均の工事費用として差し支えありません。

2 家財に対する損失額の計算(生活に通常必要な動産で、3に該当するものを除きます。)

1 取得価額が明らかな場合
 各家財の取得価額から、その取得の時から損失を生じた時までの期間の減価償却費の額の合計額を差し引いた金額に、被害割合を乗じた金額とします。

 損失額=(取得価額−減価償却費)×被害割合

2 取得価額が明らかでない場合
 家族構成等の別により、別表2「家族構成別家財評価額」により求めた家族構成別家財評価額に、被害割合を乗じた金額とします。

 損失額=家族構成別家財評価額×被害割合

3 車両に対する損失額の計算

生活に通常必要な車両に限り、その車両の取得価額から、その取得の時から損失を生じた時までの期間の減価償却費の額の合計額を差し引いた金額に、被害割合を乗じた金額とします。

 損失額=(取得価額−減価償却費)×被害割合

(注) 車両は、生活に通常必要な資産と認められる場合に、雑損控除の対象となります。

別表1

地域別・構造別の工事費用表(1平方メートル当たり)
  木造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造
福岡 千円 千円 千円 千円
150 149 146 187
佐賀 146 - 144 181
長崎 145 151 146 176
熊本 145 175 144 186
大分 143 158 139 186
全国平均 158 179 181 198

(注) このほかの県については、最寄りの税務署にお問い合わせください。また、該当する地域の工事費用が全国平均を下回る場合その地域の工事費用については、全国平均の工事費用として差し支えない。

別表2

家族構成別家財評価額
世帯主の年齢 夫婦 独身
万円 万円
 〜29 500 300
30〜39 800
40〜49 1,100
50〜  1,150

(注) 大人(年齢18歳以上)1名につき130万円を、子供(年齢18歳未満)1名につき80万円を加算します。

別表3

被害割合表
区分 被害区分 被害割合 摘要
住宅 家財
損壊 全壊・流出・埋没・倒壊  
100 100

 被害住宅の残存部分に補修を加えても、再び家屋として使用できない場合をいいます。

(倒壊に準ずるものを含む)

 住宅の主要構造部の被害額がその住宅の時価の50%以上であるか、損失部分の床面積がその住宅の総床面積の70%以上である場合をいいます。

半壊 50 50

 住宅の主要構造部の被害額がその住宅の時価の20%以上50%未満であるか、損失部分の床面積がその住宅の総床面積の20%以上70%未満で残存部分を補修すれば再び使用できる場合をいいます。

一部破損 5 5

 住宅の主要構造部の被害が半壊程度には達しないが、相当の復旧費を要する被害を受けた場合をいいます。

浸水 床上1.5メートル以上 平屋 80 100

・海水や土砂を伴う場合には上段の割合を使用し、それ以外の場合には、下段のかっこ書の割合を使用します。
 なお、長期浸水(24時間以上)の場合には、各割合に15%を加算した割合を使用します。

・床上とは、床板以上をいい、二階のみ借りている場合は、「床上」を「二階床上」と読み替え平屋の割合を使用します。

・二階建以上とは、同一人が一階、二階以上とも使用している場合をいいます。

(65) (100)
二階建以上 55 85
(40) (70)
床上1メートル以上1.5メートル未満 平屋 75 100
(60) (100)
二階建以上 50 85
(35) (70)
床上50センチメートル以上1メートル未満 平屋 60 90
(45) (75)
二階建以上 45 70
(30) (55)
床上50センチメートル未満 平屋 40 55
(25) (40)
二階建以上 35 40
(20) (25)
床下 15 -
(0)

(注) 車両に係る被害割合については、上記を参考に、例えば、「補修を加えても再び使用できない場合」には、被害割合100%とするなど、個々の被害状況を踏まえ適用します。

参考

住宅の償却率(旧定額法)
建物の構造 耐用年数 償却率
鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造 70年 0.015
れんが造、石造又はブロック造 57年 0.018
金属造 骨格材の肉厚4ミリメートル 51年 0.02
骨格材の肉厚3ミリメートル超4ミリメートル以下 40年 0.025
骨格材の肉厚3ミリメートル以下 28年 0.036
木造又は合成樹脂造 33年 0.031
木骨モルタル造 30年 0.034

(注)

  • 1 耐用年数は、通常の耐用年数を1.5倍したものとなっています。
  • 2 上記以外の資産の償却率については、税務署にお問い合わせください。
自動車の償却率(旧定額法)
種別 耐用年数 償却率
普通自動車 9年 0.111
軽自動車
(総排気量660立法センチメートル以下のもの)
6年 0.166

このリーフレットの記載内容などに関して、ご質問・ご不明な点がございましたら、最寄りの税務署にお気軽にお問い合わせください。