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《コラム》日本産酒類の輸出環境整備に向けた取組

日本のお酒を通じて日本の魅力を世界へ

1 酒類の輸出状況

 平成25年は、2020年のオリンピック開催地が東京に決定し、また、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、日本文化を海外に発信・展開していくための追い風が吹いた年でした。
 酒類の国内消費は、飲酒人口の減少、高齢化の影響などにより減少傾向にありますが、その一方で、海外での日本食ブームなどにより日本産酒類の輸出金額は近年増加傾向にあり、平成25年には過去最高の実績(約251億円)となっています。輸出金額の約4割(約105億円)は清酒であり、大手のみならず全国各地の中小酒類製造者の方々も輸出をしています。

清酒の輸出金額の推移

2 輸出環境整備に関する取組

 日本産酒類の輸出拡大は、酒類業界の発展はもちろん、農業、食品、酒器などの関連産業への波及や、日本の伝統文化の海外発信、酒蔵を中心とした観光の振興などを通じた地域経済の活性化、ひいては日本経済の成長に繋がることが期待されます。このような観点から、日本産酒類の輸出環境整備は、日本の魅力を海外に発信することにより日本のブランド価値を高めるという「クールジャパン戦略」の一環として位置づけられており、各府省が連携して取組を進めています。国税庁では、以下のような取組を行っています。

(1) 酒類業界への支援

 国税庁では、酒類業関係団体と定期的に意見交換を行っているほか、個々の酒類業者に対しても、日本貿易振興機構(JETRO)の地方事務所や関係府省の地方支分部局等の協力を得ながら、貿易実務等の輸出取引一般に関する知識等を提供するセミナーを実施しています。また、JETROと共同で酒類製造者を対象とした「日本酒輸出ハンドブック」を作成しています。

(2) 貿易障壁の撤廃・緩和に向けた取組

 輸出先国の規制・制度が輸出の障壁となっている場合には、経済連携協定(EPA)のための政府間交渉や世界貿易機関(WTO)の枠組みなどを活用しながら、貿易障壁の除去に向けた取組を行っています。
 また、東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故に伴い、輸出先国によっては、特定の都県産の酒類に対する輸入禁止や証明書の添付義務といった輸入規制が行われており、国税庁では、外務省等と連携して外国政府に規制の解除・緩和を働きかけています。その際に、独立行政法人酒類総合研究所と連携して実施した放射能分析の結果や研究結果を科学的な資料として活用しています。この結果、これまでにEU、ブラジル、マレーシア、ロシアにおいて酒類に対する規制の解除・緩和が行われています。

(3) 国際イベント等への対応

 日本産酒類の魅力を効果的に海外に発信できるように、国税庁では、国内外で様々な機会を捉え、次のような取組を行っています。
 海外での日本産酒類に対する認知度を高めるため、海外で実施される国際会議などのイベント(例えば、平成26年1月のダボス会議におけるジャパンランチなど)で、関係業界団体の協力を得ながら、日本産酒類の提供支援を行うほか、国税庁職員を派遣し日本産酒類のPRを行っています。
 さらに、海外のワイン専門家を対象とする酒類教育機関において日本酒講座が開催されることとなったことを受け、外国人の日本産酒類の伝道師育成を図る観点から、日本酒講師の育成に協力しています。