ここから本文です。

ホーム活動報告・発表・統計国税庁レポート2011年度版(HTML)4 国際化が進展した中での税務行政>3 各国税務当局との協力・協調

3 各国税務当局との協力・協調

(1)開発途上国に対する協力

 国税庁では、国際協力機構(JICA)の技術協力の枠組みなどの下、開発途上国の税務行政の改善、日本の税務行政に対する理解者の育成などを目的に、アジア諸国を中心として、開発途上国に対する技術協力に積極的に取り組んでいます。

技術協力の概要

1 開発途上国への職員派遣(派遣型)

 現地税務当局の要望を踏まえ、納税者サービス、国際課税、職員研修などの分野について、職員を講師として派遣しています。平成22年度は、中国、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどへ派遣し、講義などを行いました。
 また、開発途上国の税務行政に対して継続的なアドバイスを提供することを目的として、JICAの「長期専門家」としても職員を派遣しています。平成22年度においては、インドネシア、マレーシア、ベトナムに職員が常駐しています。

2 国内研修における講義などの実施(受入型)

  1. (1) 「国際税務行政セミナー(ISTAX)」
     開発途上国の税務職員を対象とした研修であり、日本の税制・税務行政全般について講義などを行っています。このセミナーには、中堅職員を対象とした一般コースと幹部職員を対象とした上級コースがあり、平成22年度には両コースあわせて計32名が参加しました。
  2. (2) 「国別税務行政研修」
     特定の開発途上国の税務職員を対象とした研修であり、各国からの要望に沿った講義などを行っています。平成22年度は、中国、モンゴル、フィリピン、ウズベキスタンの税務職員68名が参加しました。
  3. (3) 「アジア国際課税研修」
    複数のアジア諸国の税務職員を対象とした研修で、「国際課税」に関する講義などを行っています。平成22年度は4か国(中国、マレーシア、フィリピン、ベトナム)から9名が参加しました。
  4. (4) 「国税庁実務研修」
     世界銀行などの奨学金制度を利用し、我が国の大学院(修士課程)に留学している開発途上国の税務職員を対象とした研修です。日本の税制・税務行政全般に関する講義などを行い、平成22年度は、慶応義塾大学、横浜国立大学、政策研究大学院大学、早稲田大学、一橋大学の各大学院に在籍している留学生20名が参加しました。
受入研修の実施状況(単位:国、人)
  平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
国際税務行政セミナー(ISTAX)・一般コース 国数 17 18 18 19 18
人数 20 19 20 20 18
国際税務行政セミナー(ISTAX)・上級コース 国数 11 10 10 11 14
人数 11 10 10 11 14
国別税務行政研修 国数 7 6 8 8 4
人数 104 95 108 100 54
アジア国際課税研修 国数 19年度新設 6 6 6 4
人数 11 12 11 9
国税庁実務研修 国数 12 13 10 9 12
人数 18 18 17 21 20

(2)税務当局間の国際会議への参加

 経済の国際化や高度情報化の進展により新たな取引形態が拡大する中で、ひとつの所得に対して複数の国が課税する二重課税の問題や、租税回避行為などによりどこの国においても課税されない「課税の空白」といった問題が、各国税務当局が取り組むべき課題となっています。こうした問題の解決に向けての各国税務当局間での協力や経験の共有を図るため、国税庁は様々な国際会議に積極的に参加しています。その主なものとしては、以下に紹介する1OECD税務長官会議、2アジア税務長官会合、3OECD租税委員会などがあります。

  1. 1 OECD税務長官会議
     OECD税務長官会議は、税務行政の幅広い分野にわたって各国の知見・経験の共有などを行う場となっています。平成22年9月にはトルコ共和国・イスタンブールで開催され、国際取引に係る税務コンプライアンスの向上や税務分野におけるコーポレート・ガバナンスの充実に向けた各国の取組について議論が行われました。
  2. 2 アジア税務長官会合
     アジア税務長官会合(SGATAR:Study Group on Asian Tax Administration and Research)は、アジア地域における16か国・地域の税務当局で構成され、域内の協力と知見の共有を図るための議論が行われる場となっています。平成22年11月には、福岡で第40回会合が開催され、我が国の提案により、実務レベルでの相互協力の重要性について、加盟国・地域の税務長官間で合意しました。
  3. 3 OECD租税委員会
     OECD租税委員会は、OECD加盟国が、モデル租税条約、移転価格ガイドラインなどを整備し、また、各国税務当局の有する知見や経験の共有化を図る場となっています。OECD租税委員会の下には、それぞれ個別のテーマを扱う検討部会が組織され、意見交換が行われています。国税庁は、こうした租税委員会の活動に積極的に参加しています。詳しくは、国税庁ホームページの「OECD租税委員会(CFA)」http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/oecd/index.htmをご参照ください。