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別紙

金定額購入システムで取得した金地金を譲渡した場合の課税上の取扱いについて

1 事前照会の趣旨
社団法人日本金地金流通協会の一部の会員企業(石福金属興業株式会社、田中貴金属工業株式会社、株式会社徳力本店、住友金属鉱山株式会社、三菱マテリアル株式会社及び三菱商事株式会社の6社をいい、以下「当該会員企業」といいます。)は、金地金の現物を少額から継続的に購入できる商品を取り扱っています(「純金積立」とも呼ばれていますが、ここでは以下「金定額購入システム」といいます。)。
金地金の譲渡による所得区分は、毎月の購入金額や売却状況等を勘案して、雑所得、事業所得又は譲渡所得となるところ、金定額購入システムの概要は、下記「事前照会に係る取引等の事実関係」のとおりであることから、次のとおり取り扱われるものと解して差し支えないか、ご照会します。
  1. (1) 譲渡した金地金の所得区分が譲渡所得に該当する場合において、その所有期間は、所得税基本通達33−6の4の取扱いに準じ、預り口座において先に取得したものから順次譲渡したもの(先入先出法)により判定する。
  2. (2) 譲渡した金地金の所得区分が雑所得又は譲渡所得に該当する場合において、雑所得又は譲渡所得の金額の計算に際して総収入金額から控除される必要経費又は取得費については、所得税法第48条第3項及び所得税法施行令第118条の規定に準じ、有価証券の評価方法である総平均法に準ずる方法により算出する。
 
2 事前照会に係る取引等の事実関係
金定額購入システムは、価格変動リスクを避けるため、継続して同一の商品を同一金額だけ購入する「ドルコスト平均法」により購入され、毎月の購入代金を営業日数で割った金額で、毎日買付けていくものです。
  1. ※ 「ドルコスト平均法」とは、市場価格が上昇傾向にある、または下落傾向にあるにかかわらず、継続して同一の商品を同じ金額だけ購入していくと、購入する投資商品の価格が高い時には少しだけ、価格が安い時にはより多くの投資商品を購入していく投資方法で、こうすることによって平均買付けコストを引き下げる効果があり、一度に全ての投資を行うのではなく、一定金額ずつ積み増していくことで、時間の分散を図り、購入コストを下げるというリスク低減の方法である。

また、顧客は、ドルコスト平均法とは別に、同一口座において、金地金を個別に購入することができます。
顧客が購入した金地金の重量は顧客ごとの預り口座で管理されていますが、購入した金地金そのものは、当該会員企業が複数の顧客分をまとめて保管し、譲渡の際には単位重量を売却するものであるため、譲渡した金地金は購入した金地金に個別対応するものではありません。
なお、金定額購入システムの概要は次のとおりです。

  1. (1) 取引の開始
    1. イ 金定額購入システムは、通信販売的なものであり、新聞、雑誌及びインターネット等を見た顧客から資料請求がなされ、その後、申込書が提出されることにより取引が開始される。
      なお、契約期間は1年であるが、顧客からの解約の申出がない場合、毎年自動的に延長される。
    2. ロ 申込書は、申込書兼口座振替依頼書となっており、毎月の顧客の購入金額の支払は、口座振替により行われる。
  2. (2) 買付(定額(ドルコスト平均法による)購入)
    1. イ 当該会員企業は、口座振替により顧客全員から引き落とされた金額の総額を営業日数で割った金額により、毎日、金地金を購入している。
    2. ロ 金地金の購入により、顧客ごとの預り口座の預り重量に加算され、購入された金地金は、当該会員企業の金庫に保管される。
  3. (3) スポット購入
    1. 顧客は、月々の定額購入に追加して、購入したい日の価格で金地金を買い増しし、自身の預り口座に預け入れることができる。
    2. スポット購入により、顧客の預り口座の預り重量が加算される。
  4. (4) 売却
    1. イ 顧客は、電話等又は店頭及び一部特約店で売却数量及び単価を決定し、金地金を売却することができる。
      金地金の売却により、顧客の預り口座の預り重量が減算され、売却した重量に相当する金地金が当該会員企業の金庫から引き出される。
    2. ロ 売却に伴い、顧客に対して「ご売却確認書」が交付等される。
  5. (5) 取引の状況
    1. 顧客は、年2回送付される「お預り残高報告書」により、取引状況を確認することができる。
 
3 事前照会者の求める見解となることの理由
  1. (1) 所有期間の判定について
    金定額購入システムは、単価が変動する同一品質の金地金を一定額で毎日購入し、その同一品質のものの売却であるため、同一銘柄の有価証券を譲渡した場合の取得日の取扱いに準じて、先に取得したものから順次譲渡したものとして判定することは差し支えないものと考えます。
  2. (2) 取得費等について
    雑所得又は譲渡所得の金額の計算に際して総収入金額から控除される必要経費又は取得費については、原則として譲渡した資産の個別の取得価額によることとなりますが、金定額購入システムにより購入された金地金については、顧客別に管理されておらず、譲渡資産と取得資産が個別に対応していないため、個別の取得価額により必要経費又は取得費を計算することは困難です。
    しかし、金定額購入システムについては、同一品質である金地金を一定額で毎日購入しているため、これを売却する場合には、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券と同様な性格を有するものと考えられますから、2回以上にわたって取得した同一銘柄の有価証券を譲渡した場合に準じて、総平均法に準ずる方法により算出することは差し支えないものと考えます。
  3. (以上)
 

 

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