ここから本文です。

ホーム事前照会に対する文書回答事例東京国税局文書回答税目別検索外国の親会社から無償で支給される原材料を輸入し、国内の工場において半製品に加工して加工賃を受け取る取引における消費税の取扱いについて別紙 外国の親会社から無償で支給される原材料を輸入し、国内の工場において半製品に加工して加工賃を受け取る取引における消費税の取扱いについて

別紙 外国の親会社から無償で支給される原材料を輸入し、国内の工場において半製品に加工して加工賃を受け取る取引における消費税の取扱いについて

1. 事前照会の趣旨

当社は、外国法人である当社の親会社(以下「本件外国親会社」といいます。)が製造及び販売する製品(以下「本件製品」といいます。)の中間生産品(半製品)を製造し、本件外国親会社に向けて輸出している内国法人です。
 今般、当社は、中間生産品の原材料(以下「本件原材料」といいます。)を本件外国親会社から無償で支給を受け、これを当社が輸入して国内の工場において加工作業(以下「本件加工作業」といいます。)を施すことにより中間生産品(以下「本件半製品」といいます。)に加工し、国内の工場において本件外国親会社に引き渡すこととしました。
 これに伴い、国内の工場における本件加工作業の対価として、本件外国親会社から加工賃(以下「本件加工賃」といいます。)を受け取ることとしました。
 この場合の消費税の取扱いについて、次のとおりとして差し支えないか照会いたします。

1 本件加工作業は、消費税法第7条《輸出免税等》の輸出免税の対象となる。

2 当社が本件原材料を輸入する際に課される消費税について、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の仕入税額控除の対象となる。

2. 事前照会に係る取引等の事実関係

(1) 本件加工作業について

 当社が本件外国親会社との間で取り交わす、本件加工作業を行う旨の契約書には、要旨次の定めがあります。

  • イ 本件外国親会社は、当社に対し本件原材料を支給し、当社は支給される本件原材料を本件半製品に加工して、本件外国親会社に供給する。
  • ロ 本件外国親会社は、当社が発行する請求書を受領してから90日後に到来する最初の25日に本件加工賃を日本円で当社に支払う。
  • ハ 当社は、本件外国親会社の承諾なしに本件外国親会社から支給される本件原材料を交換又は変更して使用してはならない。
  • ニ 本件外国親会社は、当社に支給した本件原材料及び当社が加工した本件半製品の所有権を引き続き有し、当社は、本件外国親会社の要求水準で本件原材料及び本件半製品を維持管理しなければならない。
  • ホ 当社が行う本件半製品の加工は、本件外国親会社の示した仕様に従って行われ、本件外国親会社が本件半製品の到達後60日以内に当該仕様に従っていない旨を当社に通知しない限り、当該仕様どおり本件半製品の加工を完了しているものとする。

(2) 本件原材料及び本件半製品の輸出入について

 当社は、関税法第67条《輸出又は輸入の許可》の規定に基づき、本件原材料について輸入申告(以下「関税の輸入申告」といいます。)を税関長に行い、輸入の許可を受けた上で輸入します。その際、消費税法第47条《引取りに係る課税貨物についての課税標準額及び税額の申告等》第1項及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第6条《引取りに係る課税物品についての申告、納税等の特例》第1項の規定に基づき、本件原材料の引取りに係る消費税(以下「輸入消費税」といいます。)の申告書(以下「輸入申告書」といいます。)を、関税の輸入申告に併せて税関長に提出し、輸入消費税を納付します。

 また、当社は、本件原材料に本件加工作業を施した後、本件半製品について関税法第67条の規定に基づく輸出申告を税関長に行い、輸出の許可を受けた上で輸出します。

 なお、当社が輸入する本件原材料は、関税定率法第17条《再輸出免税》第1項各号に掲げる貨物に該当しないことから同条の規定による再輸出免税の適用がなく、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第13条《免税等》第1項第4号の適用もないことから、本件原材料に係る輸入消費税は免除されません。

(3) その他の事実

  • イ 本件加工作業において、本件外国親会社から供給される本件原材料以外の原材料はありません。
  • ロ 当社と本件外国親会社との間で、本件原材料及び本件半製品の譲渡が行われるものではないことから、輸入申告書及び関税の輸出申告に係る申告書に記載する貨物の価格に相当する金額の授受は行われません。
  • ハ 本件外国親会社は、当社から輸入する本件半製品を本件外国親会社の国外の工場において更に本件製品に加工し、他の事業者に販売します。
  • ニ 本件外国親会社は、国内に支店又は出張所その他の事務所を有しません。

3. 事前照会者の求める見解となることの理由

(1) 本件加工作業に関する課税関係

  • イ 本件加工作業は国内において行われる資産の譲渡等に該当するか
     消費税法第4条《課税の対象》第1項は、国内において事業者が行った資産の譲渡等に消費税が課される旨、同法第2条《定義》第1項第8号は、資産の譲渡等には、事業として対価を得て行われる役務の提供が含まれている旨、規定しています。
     本件において、当社は、本件外国親会社から無償で支給される本件原材料を輸入し、国内の工場において本件加工作業を施して本件半製品に加工後、これを国内の工場において本件外国親会社に引き渡すこととし、本件加工作業という役務の提供の対価として本件加工賃を受け取りますので、本件加工作業は、消費税法第4条第1項に規定する国内において事業者が行った資産の譲渡等に該当します。
  • ロ 本件加工作業は輸出免税の対象となるか
     消費税法第7条第1項第5号及び消費税法施行令第17条《輸出取引等の範囲》第2項第7号は、国内において行われる課税資産の譲渡等のうち、非居住者に対して行われる役務の提供で、1国内に所在する資産に係る運送又は保管、2国内における飲食又は宿泊並びに31及び2に掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの以外のものについては、消費税を免除する旨規定しています。
     そして、消費税法基本通達7-2-16《非居住者に対する役務の提供で免税とならないものの範囲》は、これら消費税が免除されるものから除かれる非居住者に対する役務の提供として、前述の1及び2のほか、国内に所在する不動産の管理や修理、建物の建築請負、電車・バス・タクシー等による旅客の輸送等を例示しています。
     本件外国親会社は、外国法人であり、国内に支店又は出張所その他の事務所を有する法人ではありませんので、消費税法施行令第1条《定義》第2項第2号に掲げる非居住者に該当します。
     また、本件加工作業は、非居住者である本件外国親会社に対して、本件外国親会社から支給される本件原材料を、国内の工場で本件半製品に加工するという役務の提供であり、前述の1又は2には該当しません。
     さらに、本件加工作業は、国内に所在する不動産の管理や修理等のように非居住者が国内において直接便益を享受するものとは認められないことから、前述の3にも該当しません。
     したがって、本件加工作業は、消費税法第7条第1項第5号及び消費税法施行令第17条第2項第7号に規定する国内において行われる課税資産の譲渡等のうち消費税が免除されるものに該当します。

(2) 輸入消費税の取扱い

 消費税法第30条第1項では、事業者が保税地域から引き取る課税貨物につき輸入申告書を提出した場合には、当該課税貨物を引き取った日等の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、当該課税貨物について課された輸入消費税額を控除する旨規定しています。

 当社は、本件外国親会社から無償で支給される本件原材料を輸入し、その際、当社が、本件原材料に係る輸入申告書を税関長に提出し、輸入消費税を納付します。

 したがって、当社は、同項の規定に基づき、本件原材料を引き取った日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、本件原材料について課された輸入消費税額を控除することができます。

○ 国税庁文書回答税目別検索