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平成26年6月
東京国税局

平成25年度 査察の概要

適正公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的として、査察部に配置されている国税査察官は、厳正な査察調査に基づき、悪質な脱税者に対する刑事責任の追及を行っています。

今般、平成25年度の査察調査の結果がまとまりましたので、その概要を報告します。

1 着手・処理・告発件数、告発率の状況

平成25年度において査察調査に着手した件数は70件でした。

平成25年度以前に着手した査察事案について、平成25年度中に処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)した件数は68件、そのうち検察庁に告発した件数は43件であり、その結果、告発率は63.2%となりました。

年度 平成 22 23 24 25
項目 21
着手件数
70 62 70 69 70
処理件数(A) 71 70 70 65 68
  告発件数(B) 49 50 42 45 43
告発率(B/A)
69.0 71.4 60.0 69.2 63.2

平成21年度から平成25年度の査察の着手件数、処理件数、告発件数、告発率を表したグラフ

2 脱税額の状況

平成25年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額で52億円、そのうち告発分は38億円となりました。

告発した事案1件当たりの脱税額は、平均で8,800万円でした。

告発した事案のうち、脱税額が3億円以上のものは1件でした。

年度 平成 22 23 24 25
項目 21
脱税額 総額 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
15,186 10,521 7,809 6,931 5,155
同上1件当たり 214 150 112 107 76
告発分 13,825 9,136 6,379 5,863 3,791
同上1件当たり 282 183 152 130 88

(注) 脱税額には加算税額を含む。

脱税額
平成21年度から平成25年度の税目別の脱税額を表したグラフ
1件当たりの脱税額
平成21年度から平成25年度に告発した事件1件当たりの脱税額を表したグラフ

(参考)大口事案の推移

年度 平成 22 23 24 25
項目 21
告発件数
49 50 42 45 43
  うち脱税額が3億円以上 8 5 6 3 1
うち脱税額が5億円以上 4 3 2 1 0

(注) 脱税額には加算税額を含む。

3 税目別告発事案の推移

平成25年度においても、従来どおり、所得税、法人税事案に取り組むとともに、相続税、消費税、源泉所得税事案についても積極的に取り組みました。

(1) 税目別の告発件数

年度 平成21 22 23 24 25
区分 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
所得税
15 31 8 16 12 29 6 13 6 14
法人税 27 55 33 66 29 69 33 73 26 60
相続税 - - 2 4 - - 2 5 1 2
消費税 内 1   内 2   内 0   内 1   内 4  
6 12 7 14 1 2 3 7 5 12
源泉所得税 1 2 - - - - 1 2 5 12
合計 49 100 50 100 42 100 45 100 43 100

(注) 消費税の内書は、消費税受還付事案(ほ脱犯との併合事案を含む。)の告発件数である。

(2) 税目別の脱税額

年度 平成21 22 23 24 25
区分 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合
所得税 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
3,342 24 819 9 2,050 32 836 14 863 23
法人税 9,477 68 5,107 56 4,230 66 4,454 76 2,431 64
相続税 - - 2,649 29 - - 330 6 130 3
消費税 内 36   内 52   内 0   内 36   内 102  
788 6 561 6 99 2 195 3 157 4
源泉所得税 218 2 - - - - 48 1 210 6
合計 13,825 100 9,136 100 6,379 100 5,863 100 3,791 100

(注)

  • 1 脱税額には、加算税額を含む。
  • 2 消費税の内書は、消費税受還付事案(ほ脱犯との併合事案を含む。)の脱税額である。

4 告発事件の概要

平成25年度に告発した査察事案で多かった業種・取引は、「クラブ・バー」、「情報提供サービス」、「不動産業」でした。

脱税の手段・方法としては、これまでに引き続き、売上除外や架空の原価・経費の計上が多く見られたほか、ホステス報酬に係る源泉所得税について、徴収していたにもかかわらず納付せずに免れていた事例もありました。また、複数の納税者に脱税を持ち掛け成功報酬を得ていた、いわゆる脱税請負人関与事案がありました。

脱税によって得た不正資金は、現金や預貯金として留保されていたほか、高級外車の購入、遊興費に充てるなどの例も見られました。

脱税によって得た不正資金の隠匿事例としては、寝室のベッドのマットレスの下に保管された紙袋に現金を隠していたものなどがありました。

(1) 告発の多かった業種(3者以上)

平成23 24 25
業種 者数 業種 者数 業種 者数
情報提供サービス 4 情報提供サービス 9 クラブ・バー 5
食料卸 3 クラブ・バー 4 情報提供サービス 5
建設業 3 畜産農業 3 不動産業 4
- - - - 広告代理業 3

(注) 同一の納税者が複数の税目で告発されている場合は、1者としてカウントしている。

(2) 脱税の手段・方法

脱税の手段・方法としては、クラブ・バーではホステス報酬に係る源泉所得税について徴収していたにもかかわらず納めていなかったもの、建設業では関係会社に対して架空の外注費を計上していたもの、情報提供サービスでは所得を一切申告していなかったものなどが見られたほか、

  • 消費税事案では、
    • 居住用賃貸マンションの購入に係る消費税について、実際には課税売上がないため仕入税額控除を受けることができないにもかかわらず、架空の課税売上を計上し課税売上割合を高める方法で仕入税額控除を適用させ、不正に還付を受けていたもの
    • 輸出免税売上に対応する課税仕入の消費税が還付になることを奇貨として、架空の輸出免税売上とこれに見合う架空課税仕入を計上する方法で、不正に還付を受けていたもの
  • 複数の納税者に脱税を持ち掛け成功報酬を得ていた、いわゆる脱税請負人関与事案では、架空の事業損失を計上して所得を少なくする方法を給与所得者等に指南して還付申告を行わせていたもの

がありました。

(3) 不正資金の留保状況及び隠匿場所

脱税によって得た不正資金については、

  • 現金
  • 国外の預金口座

などで留保されていた事例や、

  • 高級外車を購入
  • 海外のカジノで遊興し費消

していた事例がありました。
 また、脱税によって得た不正資金の隠匿場所は様々でしたが、

  • 寝室のベッドのマットレスの下に保管された紙袋

に現金を隠していた事例がありました。

5 査察調査の状況

平成25年度に着手した査察事案では1事件当たり、着手日に延べ208名を動員し、65箇所を調査しました。

平成25年度に告発した査察事案では1事件当たり、着手から告発まで6か月の調査期間を要しました。

国際取引を利用した事案に的確に対応するため、査察国際課による調査支援及び租税条約等の規定に基づく外国税務当局との情報交換制度を積極的に活用しました。

経済取引等のICT化に的確に対応するため、査察開発課による調査支援及びデジタルフォレンジック用機材を活用するとともに、関係機関と連携して電子機器等の電磁的記録の証拠保全及び解析を行いました。

(1) 動員人数及び調査期間

平成25年度に着手した査察事案では1事件当たり、着手日に延べ208名を動員し、65箇所を調査しました。

平成25年度に告発した査察事案では1事件当たり、着手から告発まで6か月の調査期間を要しました。

また、調査期間が1年を超えた事件は7件ありました。

(2) 国際化への対応

税務行政執行共助条約が発効するなど、我が国の情報交換ネットワークが拡充する中、国際取引を利用した事案に的確に対応するため、査察国際課による調査支援及び租税条約等の規定に基づく情報交換制度を積極的に活用しました。

平成25年度に処理した事例では、3事件延べ6回、外国税務当局に情報提供を要請し、このうち、査察官を外国税務当局に派遣して事案の概要を説明した上で要請を行ったものなどがありました。また、外国税務当局からの情報提供要請を受け、1事件について、査察官が調査を行いました。

(3) ICT化への対応

経済取引等のICT化に的確に対応するため、査察開発課による調査支援及びデジタルフォレンジック用機材を活用するとともに、関係機関と連携して電子機器等の電磁的記録の証拠保全及び解析を行いました。

また、国内捜査関係機関が参加するデジタルフォレンジック連絡会(警察庁主催)に参加し、電磁的記録の解析に必要な技術の向上等を図りました。

6 査察事件の一審判決の状況

平成25年度中に一審判決が言い渡された件数は41件であり、その全てが有罪で、実刑判決が5人に出されました。

出された実刑判決のうち最も重いものは、懲役4年でした。

項目 1 2     3 4 5
年度 判決件数 有罪件数 有罪率
(2/1)
実刑判決人数 1件当たり犯則税額 1人当たり懲役月数 1人(社)当たり罰金額
平成 百万円 百万円
  内2 内2   内2      
23 60 60 100.0 4 131 16.9 28
  内1 内1   -      
24 45 44 97.8 1 97 12.8 21
  内8 内8   内5      
25 41 41 100.0 5 46 12.4 11

(注)

  • 1 表中の内書は他の犯罪との併合事件を示している。
  • 2 35は他の犯罪との併合事件を除いてカウントしている。