ここから本文です。

ホーム東京国税局報道発表資料(プレスリリース)目次平成21事務年度における法人税及び源泉所得税の調査事績について>実地調査の状況

実地調査の状況

説明事項

課税漏れが想定されるなど調査必要度の高い法人、41,862件について実地調査
〜調査した法人の約7割に誤り、そのうち27%に悪質な不正計算〜

(1) 実地調査の事績(法人税)(表1参照)
 平成21事務年度においては、大口・悪質な不正計算が想定されるもの、広域的に事業展開する納税者、消費税について虚偽の申告による不正還付が想定されるものなど調査必要度の高い法人を厳選し実地調査を行った。
 その結果は次のとおりである

イ 申告漏れの所得があったため、更正・決定等(修正申告があったものを含む。以下同じ。)を行った件数は29,271件である。このうち、仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは7,839件で、これは更正・決定等を行った件数の26.8%に当たる。

ロ 更正・決定等により増加した申告漏れ所得金額は1兆2,393億円で、増加した税額は2,204億円である。
 なお、不正脱漏所得金額は1,333億円である。

ハ 更正・決定等1件当たりの申告漏れ所得金額は4,234万円、不正1件当たりの不正脱漏所得金額は1,701万円である。

参考

実地調査の状況
平成21事務年度の法人の実地調査の状況を表したグラフ

表1 実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比 (参考)全国に占める割合
件数 実地調査件数 1 45,409 41,862 92.2% 30.1%
更正・決定等の件数 2 32,172 29,271 91.0% 29.3%
不正のあった件数 3 8,411 7,839 93.2% 26.8%
増加所得等 増加所得金額 百万円 4 629,503 1,239,259 196.9% 60.5%
不正所得金額 百万円 5 136,264 133,306 97.8% 32.9%
増加税額(加算税を含む) 百万円 6 154,699 220,411 142.5% 58.0%
分析 更正・決定等の割合(2/1) 7 70.8 69.9 -0.9
2のうち、不正のあった割合(3/2) 8 26.1 26.8 +0.7
更正等1件当たり増加所得(4/2) 千円 9 19,567 42,337 216.4%
不正1件当たり不正所得(5/3) 千円 10 16,201 17,005 105.0%

不正計算の多い業種は、ソープランド、バー・クラブ、外国料理が上位

(参考)
 不正発見割合の高い業種(調査件数が50件以上)は2年連続でソープランドが1位で、不正発見割合は87.0%と2位以下を大きく引き離している。
 2位はバー・クラブで毎年、上位に位置しており、3位には外国料理が新たに入った。

(参考)不正発見割合の高い業種(小分類)(税務署所管法人及び調査部所管法人)

(単位:%、千円)
順位 前年順位 21事務年度 不正発見割合 不正申告1件当たりの不正脱漏所得金額
1 1 サービス ソープランド 87.0 21,885
2 2 料飲 バー・クラブ 63.2 7,717
3 料飲 外国料理 41.2 10,245
4 5 料飲 大衆酒場、小料理 38.6 11,999
5 6 料飲 その他の飲食 37.0 5,954
6 8 サービス パチンコ 36.7 8,151
7 その他の製造 貴金属製品 36.5 10,214
8 4 サービス 廃棄物処理 36.2 25,694
9 サービス 再生資源 34.4 11,512
10 9 その他の卸売 構築用金属製品 31.5 6,199

(注)調査件数が50件以上の業種を対象としている。

(参考)上位2業種の不正発見割合の推移
平成12事務年度から平成21事務年度の法人2業種の不正発見割合の推移を表したグラフ

消費税の調査で281億円を追徴
〜還付申告法人の6割に誤り 111億円追徴〜

(2) 実地調査の事績(消費税)(表2表3参照)
 消費税について、虚偽の申告により不正に還付金を得るケースも見受けられるため、還付申告法人に対しても重点的に調査に取り組んでいる。

イ 消費税の調査件数は39,580件で、そのうち非違があったものは21,359件(54.0%)である。
 また、これによって増加した税額は281億円である。

ロ 上記のうち、還付申告法人の調査件数は3,650件で、非違があったものは2,035件(55.8%)である。
 これにより増加した税額は111億円である。
 また、調査の結果、当初還付から納税に転換した法人は342件であり、調査した法人の9.4%が実際は納税すべき法人であった。

参考

表2 実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比 (参考)全国に占める割合
実地調査件数 1 43,041 39,580 92.0% 31.3%
非違件数 2 23,704 21,359 90.1% 31.4%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 27,947 28,098 100.5% 56.6%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 649 710 109.4%
表3 還付申告法人(消費税)の実地調査の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
実地調査件数 1 4,593 3,650 79.5%
非違件数 2 2,600 2,035 78.3%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 9,391 11,100 118.2%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 2,045 3,041 148.7%
納税転換法人数 5 383 342 89.3%

平成21事務年度の消費税の還付申告法人に対する調査状況を表したグラフ

赤字申告法人の調査の結果、257億円を追徴
〜10件に1件が黒字に〜

(3) 赤字申告法人に対する実地調査の事績(表4参照)
 全体の約75%を占める赤字申告法人の中には、税負担を逃れるために故意に赤字に仮装している法人もあることから、赤字申告法人に対しても積極的に調査を行っている。
 平成21事務年度における赤字申告法人に対する調査事績は、次のとおりである。

イ 調査件数は17,178件で、このうち仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは3,689件である。これは更正・決定等の件数の31.9%に当たる。

ロ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は7,401億円で、増加した税額は257億円である。
 なお、不正脱漏所得金額は553億円である。

ハ 更正・決定等1件当たりの申告漏れ所得金額は6,404万円、不正1件当たりの不正脱漏所得金額は1,498万円である。

ニ 調査の結果、赤字から黒字に転換した件数は1,746件で、調査した法人の10.2%の法人が、実際は黒字であるにもかかわらず赤字申告をしていた。

ホ 消費税の調査件数は16,131件で、そのうち非違があったものは、8,781件である(表5参照)。
 また、これによって増加した税額は125億円である。

参考

表4 赤字申告法人に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比 (参考)全国に占める割合
件数 実地調査件数 1 16,213 17,178 106.0% 30.5%
更正・決定等の件数 2 10,855 11,556 106.5% 29.5%
不正のあった件数 3 3,522 3,689 104.7% 27.5%
黒字に転換した件数 4 1,965 1,746 88.9% 26.6%
増加所得等 増加所得金額 百万円 5 233,100 740,090 317.5% 62.9%
不正所得金額 百万円 6 40,122 55,262 137.7% 30.5%
増加税額(加算税を含む) 百万円 7 15,966 25,732 161.2% 45.0%
分析 更正・決定等の割合(2/1) 8 67.0 67.3 +0.3
2のうち、不正のあった割合(3/2) 9 32.4 31.9 -0.5
黒字に転換した割合(4/1) 10 12.1 10.2 -1.9
更正等1件当たり増加所得(5/2) 千円 11 21,474 64,044 298.2%
不正1件当たり不正所得(6/3) 千円 12 11,392 14,980 131.5%

(参考)赤字申告法人に対する実地調査(法人税)の事績
平成21事務年度の赤字申告法人に対する実地調査の状況を表したグラフ

表5 赤字申告法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
実地調査件数 1 15,181 16,131 106.3%
非違件数 2 8,461 8,781 103.8%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 8,809 12,486 141.7%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 580 774 133.4%

事業を行っているにもかかわらず申告していない法人の調査の結果、235億円の所得金額を把握。
〜法人税18億円、消費税11億円の課税〜

(4) 稼働無申告法人に対する実地調査の事績(表6参照)
 事業を行っているにもかかわらず申告していない法人は、申告の義務を履行しておらず、国民の公平感を著しく損なうものであることから、様々な角度から資料を収集し、調査に取り組んでいる。
 平成21事務年度における無申告法人に対する調査事績は、次のとおりである。

イ 平成21事務年度末の無申告法人(休業法人を含む)は全体の11.9%を占めている。

ロ 調査の結果、申告すべき所得金額235億円を把握。うち不正所得金額は192億円である。これにより、法人税18億円を課税した。

ハ 消費税について、調査の結果11億円を課税した。

参考

平成21事務年度の無申告稼働法人の調査状況を表したグラフ

表6 事業を行っているにもかかわらず申告していない法人に対する実地調査の事績(税務署所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
実地調査件数 1 997 912 91.5%
増加所得金額 百万円 2 7,563 23,516 310.9%
不正所得金額 百万円 3 2,563 19,173 748.1%
増加税額(法人税) 百万円 4 1,824 1,791 98.2%
増加税額(消費税) 百万円 5 1,251 1,050 83.9%

広域展開する企業グループへの調査の結果、全調査事案1件当たりの3.5倍の申告漏れ所得、2.7倍の不正所得を把握!

(5) 広域展開している企業グループに対する実地調査(法人税)の事績(表7参照)
 国税局や税務署の管轄をまたがって広域的に事業展開している企業グループに対しては、各国税局や税務署はそれぞれ緊密な情報交換を行い、一斉調査を実施するなど企業グループ全体を捉えた効率的・効果的な調査を実施している。
 平成21事務年度における、これら企業グループに対する調査事績は、次のとおりである。

イ 東京国税局の管轄地域に基幹法人を有する57の企業グループ489社に対して調査を実施した結果、更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は120億円で、不正脱漏所得金額は99億円である。

ロ 調査を実施した489社中、399社から申告漏れを把握し、このうち仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは244社である。これは更正・決定等の件数の61.2%にあたる。

ハ 更正・決定等1件当たりの法人税の申告漏れ所得金額は3,019万円で、これは調査を行った全法人の1件当たりの申告漏れ所得金額の約3.5倍に当たる。

ニ 不正1件当たりの法人税の不正脱漏所得金額は4,067万円で、これは調査を行った全法人の1件当たりの不正脱漏所得金額の約2.7倍に当たる。

参考

表7 広域展開する企業グループに対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比 (参考)全法人
件数 調査グループ数 1 46 57 123.9%
実地調査件数 2 454 489 107.7% 40,217
更正・決定等の件数 3 346 399 115.3% 27,902
不正のあった件数 4 193 244 126.4% 7,548
増加所得等 増加所得金額 百万円 5 9,297 12,044 129.5% 243,562
不正所得金額 百万円 6 5,363 9,924 185.0% 114,428
分析 更正・決定等の割合(3/2) 7 76.2% 81.6% +5.4 69.4%
2のうち、不正のあった割合(4/3) 8 55.8% 61.2% +5.4 27.1%
更正等1件当たり増加所得(5/3) 千円 9 26,870 30,185 112.3% 8,729
不正1件当たり不正所得(6/4) 千円 10 27,788 40,672 146.4% 15,160

平成21事務年度広域展開する企業グループに対する実地調査の状況を表したグラフ

公益法人等への調査の結果、約7割に申告誤りあり。
〜法人税の申告漏れ所得金額は48億円〜

(6) 公益法人等に対する実地調査の事績(表8参照)
 公益法人等については、税の優遇措置が設けられており、社会的関心も高いことから、その事業実態を的確に把握し、適正・公平な課税に努める必要があることから、事業規模が大きいなど調査必要度が高い法人を中心に、調査の充実を図っている。
 平成21事務年度における、公益法人等に対する調査事績は次のとおりである。

イ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は48億円である。

ロ 法人税について更正・決定等を行った件数は246件で、これは、調査を行った件数の67.4%に当たる。

ハ 消費税については、調査の結果4億1千万円を追徴課税した。(表9を参照)

参考

表8 公益法人等に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
件数 実地調査件数 1 354 365 103.1%
更正・決定等の件数 2 242 246 101.7%
不正のあった件数 3 14 21 150.0%
増加所得等 増加所得金額 百万円 4 3,676 4,804 130.7%
不正所得金額 百万円 5 97 105 108.2%
分析 更正・決定等の割合(2/1) 6 68.4% 67.4% -1.0
2のうち、不正のあった割合(3/2) 7 5.8% 8.5% +2.7
更正等1件当たり増加所得(4/2) 千円 8 15,190 19,528 128.6%
不正1件当たり不正所得(5/3) 千円 9 6,929 5,000 72.2%

(参考)公益法人に対する実地調査(法人税)の事績
平成21事務年度の公益法人に対する法人税の実地調査の状況を表したグラフ

表9 公益法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
実地調査件数 1 353 363 102.8%
非違件数 2 232 240 103.4%
増加本税額 百万円 3 742 405 54.6%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 2,102 1,116 53.1%

海外取引を行う法人の調査の結果、約77%の法人に申告誤りあり。
〜海外取引に係る申告漏れ所得金額は306億円〜

(7) 海外取引法人に対する実地調査の事績(表10参照)
 海外取引法人や外資系法人及び国際的租税回避スキーム等の事案に対しては、国際税務専門官を中軸として、組織的に取組んでいる。
 21事務年度における、海外取引を行う法人に対する調査事績は次のとおりである。

イ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は306億円で、うち仮装・隠ぺいによる不正所得金額は60億円である。

ロ 法人税について、更正・決定等を行った件数は2,769件で、これは調査を行った件数の76.7%に当たる。

ハ 消費税については、調査の結果11億円を追徴課税した。(表11を参照)

参考

表10 海外取引法人に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
件数 実地調査件数 1 4,299 3,608 83.9%
更正・決定等の件数 2 3,338 2,769 83.0%
不正のあった件数 3 606 497 82.0%
増加所得等 増加所得金額 百万円 4 34,306 30,564 89.1%
不正所得金額 百万円 5 8,461 5,977 70.6%
分析 更正・決定等の割合(2/1) 6 77.6% 76.7% -0.9
2のうち、不正のあった割合(3/2) 7 18.2% 17.9% -0.3
更正等1件当たり増加所得(4/2) 千円 8 10,277 11,038 107.4%
不正1件当たり不正所得(5/3) 千円 9 13,962 12,026 86.1%

(参考)海外取引法人に対する実地調査(法人税)の事績
平成21事務年度の海外取引法人に対する実地調査の状況を表したグラフ

表11 海外取引法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人)
事務年度
項目
20 21 前年対比
実地調査件数 1 4,189 3,498 83.5%
非違件数 2 2,250 1,810 80.4%
増加本税額 百万円 3 1,959 1,148 58.6%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 468 328 70.1%