ここから本文です。

ホーム東京国税局報道発表資料(プレスリリース)目次>平成21年度 査察の概要

平成22年6月
東京国税局

平成21年度 査察の概要

 脱税はいわば社会公共の敵というべきものであり、悪質な脱税者に対する刑事責任の追及を目的として、国税局に配置されている国税査察官は、厳正な査察調査を実施しています。
 今般、平成21年度の査察調査の結果がまとまりましたので、その概要を報告します。

1 着手・処理・告発件数、告発率の状況

主要ポイント

  • ○ 平成21年度に査察に着手した件数は70件です。
  • ○ 平成21年度以前に着手した査察事案について、平成21年度中に処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)した件数は71件、そのうち検察庁に告発した件数は49件であり、その結果、告発率は69.0%となっています。
年度
項目
平成
17
18 19 20 21
着手件数
77

77

77

70

70
処理件数(A) 75 74 77 70 71
告発件数(B) 51 52 55 52 49
告発率(B/A)
68.0

70.3

71.4

74.3

69.0
平成17年度から平成21年度の査察の着手件数、処理件数、告発件数、告発率を表したグラフ

2 脱税額の状況

主要ポイント

  • ○ 平成21年度に処理した事案に係る脱税額は、総額で151億円、そのうち告発分は138億円です。
  • ○ 告発した事案1件当たりの脱税額は、平均で2億8,200万円となっています。
年度
項目
平成
17
18 19 20 21
脱税額 総額 百万円
9,512
百万円
10,075
百万円
9,976
百万円
20,028
百万円
15,186
同上1件当たり 127 136 130 286 214
告発分 7,018 8,602 8,548 12,484 13,825
同上1件当たり 138 165 155 240 282

(注)脱税額には、加算税額を含む。

平成17年度から平成21年度の税目別の脱税額を表したグラフ:平成17年度から平成21年度に告発した事件1件当たりの脱税額を表したグラフ

(参考1)大口事案の推移

年度
項目
平成
17
18 19 20 21
告発件数
51

52

55

52

49
うち脱税額が3億円以上 6 5 7 7 8

(注)脱税額には、加算税額を含む。

3 税目別告発事案の推移

主要ポイント

  • ○ 平成21年度においては、従来どおり、所得税、法人税事案に取り組むとともに、消費税、源泉所得税事案についても積極的に取り組みました。

(参考2)税目別の件数

年度
区分
平成17 18 19 20 21
件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
所得税
19

37

12

23

22

40

14

27

15

31
法人税 27 53 30 58 18 33 34 65 27 55
相続税 1 2
消費税 2 4 9 17 12 22 4 8 6 12
源泉所得税 3 6 3 5 1 2
合計 51 100 52 100 55 100 52 100 49 100
平成17年度から平成21年度の税目別の告発件数を表したグラフ

(参考3)税目別の脱税額

年度
区分
平成17 18 19 20 21
脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合 脱税額 割合
所得税 百万円
2,926

42
百万円
1,565

19
百万円
4,310

51
百万円
1,614

13
百万円
3,342

24
法人税 3,414 49 5,365 62 2,370 28 10,445 84 9,477 68
相続税 879 10
消費税 194 2 793 9 1,335 15 425 3 788 6
源泉所得税 484 7 533 6 218 2
合計 7,018 100 8,602 100 8,548 100 12,484 100 13,825 100

(注)脱税額には、加算税額を含む。

平成17年度から平成21年度に税目別の脱税額を表したグラフ

4 告発の多かった業種・取引と脱税の手段・方法

主要ポイント

  • ○ 平成21年度に告発の多かった業種・取引は、都市部における地価高騰の影響を受けた不動産業、昨年に引き続き、鉄くず関連業の好況による鉱物・金属材料卸も多く見受けられました。
  • ○ 脱税の手段・方法については、告発の多かった不動産業では、取引で得た利益を全く申告しないものが多く見受けられました。

(参考4)告発の多かった業種・取引(3者以上)

平成19 20 21
業種 者数 業種 者数 業種 者数
鉱物、金属材料卸 8 不動産業 7 不動産業 7
商品・株式取引 5 商品・株式取引 5 鉱物、金属材料卸 5
人材派遣業 5 コンサルタント 5 商品・株式取引 4
小売業 4 鉱物、金属材料卸 3 人材派遣業 3
キャバレー・飲食店 4 建設業 3
不動産業 3

(注)同一の納税者が複数の税目で告発されている場合は、1者としてカウントしている。

(参考5)脱税の手段・方法

 告発の多かった業種・取引における脱税の手段・方法としては、

  • ○ 不動産業では、取引で得た利益を全く申告しないもの
  • ○ 鉱物・金属材料卸、商品・株式取引では、売上を除外するもの
  • ○ 人材派遣業では、消費税の申告において、課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目仮装するもの
  • ○ 建設業では、架空の原価を計上するもの

が多く見受けられました。
 また、海外に関連した脱税の手段・方法として、

  • ○ 国内に住民登録をせず、海外居住者を装い、全く申告しないもの

が見受けられました。

5 不正資金の留保状況及び隠匿場所

主要ポイント

  • ○ 脱税によって得た不正資金の多くは、現金、預貯金又は有価証券として留保されていました。
  • ○ 脱税によって得た不正資金の隠匿場所としては、現金を缶や段ボール箱に入れて倉庫内に隠匿していた事例などがありました。

(1) 脱税によって得た不正資金の多くは、現金、預貯金又は有価証券として留保されていたほか、不動産、宝飾品の購入や遊興費に充てられているものも見受けられました。

(2) 脱税によって得た不正資金等の隠匿場所は様々でしたが、

  • ○ 倉庫内に置かれたスチール缶、居宅内に置かれた段ボール箱・菓子箱(現金)
  • ○ 倉庫内の工作機械の隙間に置かれた段ボール箱(現金)

に隠していたケースなどがありました。

6 査察事件の一審判決の状況

主要ポイント

  • ○ 平成21年度中に一審判決が言い渡された件数は48件であり、すべてについて有罪判決が出され、実刑判決が3人に出されました。
項目
年度
1
判決件数
2
有罪件数
有罪率
(2/1)
実刑判決人数 3
1件当たり犯則税額
4
1人当たり懲役月数
5
1人(社)当たり罰金額
平成
19

64

64

100.0

7
百万円
102

14.1
百万円
25
20 57 57 100.0 5 85 15.8 23
21 48 48 100.0 3 138 14.5 26

(注) 実刑判決人数及び35は、他の犯罪との併合事件を除いてカウントしている。