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発信主義の適用範囲を定める告示の制定

第1 通則法22条の改正

 納税者が提出する書類の効力は、原則として書類が税務官庁に到達した時に生ずることとなりますが、国税通則法22条は、郵便又は信書便により提出された納税申告書(添付書類及び関連して提出される書類を含む。)については発信主義が適用され、通信日付印により表示された日が提出日とみなされます。
 平成18年度の税制改正により、到達主義の原則を維持しつつ、納税者と税務官庁との地理的間隔の差異に基づく不公平を是正し、納税者利便の向上と円滑な申請ができるような環境を整備するため、国税通則法22条が改正され、納税申告書等に加え、「国税庁長官が定める書類」についても発信主義が適用されることになりました。

(参考1)国税通則法22条の改正(下線部分が改正により追加)

(郵送等に係る納税申告書の提出時期)

第二十二条 納税申告書(当該申告書に添付すべき書類その他当該申告書の提出に関連して提出するものとされている書類を含む。)その他国税庁長官が定める書類が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)にその提出がされたものとみなす。

(参考2)

 平成18年度の税制改正の要綱では、発信主義の適用範囲の拡大について、次のとおり記載されています。
 「郵送等に係る書類の提出時期について、後続の手続に影響を及ぼすおそれのない書類として国税庁長官が定めるものが郵便等により提出された場合には、その郵便物等の通信日付印により表示された日にその提出がされたものとみなす。」

第2 告示の概要

 国税通則法22条の規定に基づき、発信主義が適用される「国税庁長官が定める書類」を定める告示を平成18年3月31日に公布しました。

※ 国税通則法第22条に規定する国税庁長官が定める書類を定める件(平成18年国税庁告示第7号)

 国税庁長官が定める発信主義を適用する書類は、国税通則法22条の改正趣旨を踏まえ、納税者と提出先である税務官庁や源泉徴収義務者等との地理的間隔の差異に基づく不公平を是正し、納税者利便の向上と円滑な申請ができるような書類を対象としつつ、税務官庁や源泉徴収義務者等の後続の手続に影響を及ぼすおそれのない書類としています。
 具体的には、国税に関する法律の規定により提出が求められている申告書、申請書、請求書、届出書その他の書類のうち、提出期限の定めがあるものなど提出時期に具体的な制約がある書類(告示本則一号、二号)から、発信主義を適用した場合に税務官庁等の後続の手続に影響を及ぼすおそれのある書類(告示別表)を除いた書類が、発信主義の適用される「国税庁長官が定める書類」となります。

  1. (注1) 告示により発信主義が適用される書類は、国税に関する法律の規定により提出する申告書、申請書、請求書、届出書その他の書類です。
     そのため、税務官庁に提出する書類であっても、例えば、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求書や行政不服審査法に基づき提出する不作為についての異議申立書などは、告示の対象になりません。
  2. (注2) 国税に関する法律の規定によらずに納税者が任意で提出する書類も同様に告示の対象になりません。
  3. (注3) 納税申告書、その添付書類及びその申告書の提出に関連して提出する書類については、国税通則法22条において発信主義の適用を受ける書類として個別に規定されているため、告示の対象からは除かれます。

第3 書類の提出時期

1 発信主義が適用される書類

(1) 納税申告書等

従来から、納税申告書、その添付書類及びその申告書の提出に関連して提出する書類については、発信主義が適用されており、平成18年度の税制改正による国税通則法22条の改正後もその範囲に変更はありません。

【例】
申告所得税の確定申告書 所得税法120条1項
相続税の申告書 相続税法27条1項
贈与税の申告書 相続税法28条1項
法人税の確定申告書 法人税法74条1項
欠損金の繰戻しによる還付請求書 法人税法80条5項
消費税の確定申告書 消費税法45条1項
揮発油税納期限延長申請書 揮発油税法13条1項
相続税の延納申請書 相続税法39条1項

また、国税通則法22条は、更正の請求書や異議申立書などにも準用されています(国税通則法23条7項、77条5項)。

(2) 告示により発信主義が適用される書類

提出時期に具体的な制約がある次の12の書類について、発信主義が適用されます(ただし、下記2(1)に該当する書類を除く。)。

1 提出期限の定めがある書類
「3月15日まで」、「事業年度終了の日まで」など一定の日時により提出期限が定められているもの(告示本則一号)

【例】
所得税の予定納税額の減額申請書 所得税法112条
個人事業の開廃業等届出書 所得税法229条
青色申告承認申請書 所得税法144条、法人税法122条
所得税の青色申告の取りやめ届出書 所得税法151条
青色事業専従者給与に関する届出書 所得税法57条2項
たな卸資産の評価方法の届出書 所得税法施行令100条2項
法人税法施行令29条2項
減価償却資産の償却方法の届出書 所得税法施行令123条2項
法人税法施行令51条2項
転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書 租税特別措置法41条8項
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 所得税法230条
源泉所得税の納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書 租税特別措置法41条の6第1項
租税特別措置法第40条の規定による承認申請書 租税特別措置法施行令25条の17第1項
法人設立届出書 法人税法148条
法人税申告期限の延長特例の申請書 法人税法75条の2第2項
揮発油税特定用途免税揮発油移入届出書 揮発油税法14条7項
酒類の製成及び移出の数量等申告書 酒税法施行令53条6項
支払調書
(不動産の使用料等の支払調書 など)
所得税法225条1項

2 提出期限の定めがある書類に準ずるもの

イ 消滅時効の影響を受ける書類

 提出期限はないものの、還付請求権の消滅時効との関係で、時効が完成する前に提出しなければならないもの(告示本則二号イ)

【例】
源泉所得税の年末調整過納額還付請求書 所得税法施行令313条2項
源泉所得税の誤納額還付請求書 国税通則法施行令24条3項
租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書(割引債及び芸能人等の役務提供事業の対価に係るものを除く) 租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令4条6項 ほか

(注) 申告納税方式により税額が確定する申告所得税や法人税などに関する還付請求書は、上記(1)の納税申告書等に該当します。

ロ 一定の期間又は期日に提出することにより国税に関する法律の適用関係が定まる書類

 提出期限はないものの、書類を提出した日を基準に税法の適用される期間又は期限が定まるため、納税者の意図する期間又は期限に税法の適用を受けるには、一定の期間又は期日に提出する必要があるもの(告示本則二号ロ)

【例】
所得税の納税地の変更に関する届出書 所得税法16条3項
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 所得税法217条1項
源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書 所得税法218条
源泉所得税の納期の特例適用者に係る納期限の特例の取りやめに関する届出書 租税特別措置法施行令26条の8第1項
消費税課税事業者選択届出書 消費税法9条4項
消費税課税事業者選択不適用届出書 消費税法9条5項
消費税簡易課税制度選択届出書 消費税法37条1項
消費税簡易課税制度選択不適用届出書 消費税法37条2項
国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の取りやめの届出書 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律7条1項

2 到達主義が適用される書類

(1) 後続の手続に影響を及ぼすおそれのある書類

形式的には上記1(2)に該当する書類であっても、発信主義を適用することにより税務官庁や源泉徴収義務者等の後続の手続に影響を及ぼすおそれのある次の書類は、到達主義が適用されます。

1 税務官庁において必要な審査期間の確保やその後の事務に支障を来たす書類(告示別表一号)

【例】
差押換えの請求書 国税徴収法施行令19条1項
酒類・酒母・もろみの製造方法の申告書 酒税法施行令53条3項

2 源泉徴収義務者等における源泉徴収事務等に支障を来たす書類(告示別表二号)

【例】
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 所得税法194条1項
租税条約に関する届出書
(配当に対する所得税の軽減・免除) など
租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令2条1項 ほか

(注) 源泉徴収義務者など、税務署長等以外の者を経由して提出する書類であっても、上記1(2)2イの消滅時効の影響を受ける書類に該当する書類は発信主義が適用されます(告示別表二号かっこ書)。
具体的には、租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書(租税条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令4条6項)などが該当します。

(2) 提出時期に具体的な制約がない書類

提出時期について具体的な制約が定められていない書類は、発信主義を適用したとしても、地理的間隔の差異に基づく不公平の是正や納税者の利便の向上などに直ちに資するものではないことから、原則どおり到達主義が適用されます。

1 提出時期について、「速やかに」、「遅滞なく」、「直ちに」、「相当の期間内に」等の規定はあるものの、具体的な提出期限の定めがない書類

【例】
所得税・法人税・消費税の納税地の異動に関する届出書 所得税法20条、法人税法20条1項、消費税法25条
青色事業専従者給与に関する変更届出書 所得税法施行令164条2項
贈与税・相続税の免除届出書 租税特別措置法施行令40条の6第48項、40条の7第51項
消費税課税事業者届出書 消費税法57条1項1号
揮発油税未納税引取課税物件移入届出書 揮発油税法施行令6条2項

2 具体的な提出期限の定めがなく、「変更をしようとする場合には、…に提出しなければならない」、「廃止しようとするときは、…に提出するものとする」、「承認を受けようとする者は、・・・に提出しなければならない」などのように一定の行為をしようとする者に対し提出を義務付けている書類

【例】
所得税のたな卸資産の特別な評価方法の承認申請書 所得税法施行令99条の2
年末調整のための住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書 租税特別措置法41条の2の2第5項
相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求書 相続税法49条1項
特別な償却方法の承認申請書 法人税法施行令48条の2第2項
消費税の課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書 消費税法施行令47条1項
酒類販売業免許申請書 酒税法施行令14条1項
納税証明書交付請求書 国税通則法施行令41条3項
国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の変更の届出書 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律7条2項

3 上記2のほか提出について時期的な制約がない書類

【例】
納税管理人の届出書 国税通則法117条2項

第4 告示の適用日

 発信主義の適用範囲を定める告示は、平成18年4月1日以後の通信日付印が表示されている郵便物又は信書便物について適用されます。