国税庁長官の承認を受けるためには、次の全ての要件(法人税法別表第一に掲げる独立行政法人、国立大学法人などに対する寄附である場合には次の「要件2」に掲げる要件のみ、承認特例の適用を受ける場合には別途定める要件)を満たす寄附であることが必要です。

  • 要件1 寄附が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること。
  • 要件2 寄附財産が、その寄附日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであること。
(注)
  1. 1  寄附を受けた公益法人等が収用など一定のやむを得ない理由により、寄附財産を譲渡する場合には、その譲渡代金の全額を建物などの減価償却資産、土地、土地の上に存する権利又は株式の取得(株式の取得にあっては、一定のやむを得ない理由により寄附財産である株式を譲渡する場合に限ります。)に充て、かつ、それらの資産が、寄附日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであることが必要です。
  2. 2  寄附を受けた公益法人等が、例えば、寄附を受けた土地の上に建物を建設し、その建物を公益目的事業の用に直接供する場合において、その建物の建設に要する期間が通常2年を超えるときなど、一定のやむを得ない事情があるため、寄附財産を寄附の日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難であると認められる場合には、国税庁長官が認める日までに寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供されることが必要です。
  • 要件3 寄附により寄附をした人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附をした人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること。

要件3の具体的な判定基準

 次の1から5まで(5については、公益法人等が寄附により株式を取得した場合に限ります。)の全てを満たしているときは、上の要件3の所得税又は贈与税若しくは相続税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められるとされています。

  1. 公益法人等の運営組織が適正であるとともに、その寄附行為、定款又は規則において、理事、監事及び評議員のいずれにおいても、そのうちに親族関係がある人及びこれらの人と特殊の関係がある人の数の占める割合を3分の1以下とする旨の定めがあること。
    (注)
    1. 1 「理事」、「監事」及び「評議員」には、名称のいかんを問わず実質的にみてこれらと同様の役職にある人が含まれます。
    2. 2 「特殊の関係がある人」とは、次の1から3までに掲げる一定の関係を有する人をいいます。
      1. 1 その人と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人(この人の親族で、生計を一にしている人を含みます。)
      2. 2 その人の使用人及び使用人以外の人でその人から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している人(この人の親族で、生計を一にしている人を含みます。)
      3. 3 次の法人の役員又は使用人
        • イ その人が会社役員となっている他の法人
        • ロ その人及び12に掲げる人並びにこれらの人と一定の関係がある法人を判定の基礎にした場合に法人税法上の同族会社に該当する他の法人
  2. 寄附をした人、寄附を受けた公益法人等の理事、監事及び評議員もしくは社員又はこれらの人の親族及び特殊の関係がある人に対し、施設の利用、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任その他財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益を与えないこと。
  3. 寄附を受けた公益法人等の寄附行為、定款又は規則において、その公益法人等が解散した場合の残余財産が国若しくは地方公共団体又は他の公益法人等に帰属する旨の定めがあること。
  4. 寄附を受けた公益法人等につき公益に反する事実がないこと。
  5. 寄附により公益法人等が株式の取得をした場合には、その取得によりその公益法人等の保有することとなるその株式の発行法人の株式(寄付前から保有する株式を含みます。)がその発行済株式の総数の2分の1を超えることとならないこと。
     (注) 上記5の判定基準は、平成26年4月1日以後に行われる寄附について適用されます。