[令和5年10月1日現在法令等]

対象税目

消費税

概要

国内取引の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等および特定課税仕入れを行った事業者です。この事業者とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めのあるものは、法人とみなされます。

事業を行っていない給与所得者などは消費税の納税義務者にはなりません。国や地方公共団体、公共法人、公益法人等などが資産の譲渡や貸付け、役務の提供を行う場合は、消費税の納税義務者となります。

納税義務の免除

消費税には事業者免税点制度が設けられており、基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます(注1、2)。

この課税売上高は、輸出取引なども含めた消費税の課税取引の総額から返品を受けた金額や売上値引き、売上割戻しなどを差し引いた金額で、消費税額と地方消費税額は含まないこととされています。

なお、基準期間が免税事業者である場合は、その基準期間である課税期間中の課税売上高には、消費税等が課税されていませんから、税抜きの処理を行わず、国内において行った課税資産の譲渡等に伴って収受し、または収受すべき金銭等の全額で判定します。

(注1) その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。

※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

令和5年10月1日以降、適格請求書発行事業者として登録を受けた事業者については、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の納税義務は免除されません。詳しくは、コード6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」をご参照ください。

(注2) 課税事業者が、高額特定資産(※1)または自己建設高額特定資産(※2)の仕入れ等を行った場合は、当該高額特定資産等の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から一定の期間について、事業者免税点制度および簡易課税制度の適用が制限されます。

※1 高額特定資産とは、棚卸資産及び調整対象固定資産のうち、その対象資産の一の取引の単位に係る課税仕入れに係る支払対価の額の税抜金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額又は保税地域から引き取られるその対象資産の課税標準である金額が1,000万円以上のものをいいます。

※2 自己建設高額特定資産とは、棚卸資産および調整対象固定資産のうち、他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設、制作または製造したもので、その建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の税抜金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額の合計額が1,000万円以上のものをいいます。

選択による課税事業者

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者であっても、選択により課税事業者となることもできます。この場合は、原則として課税事業者になろうとする課税期間の前の課税期間中に、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択届出書」(以下「選択届出書」といいます。)を提出することが必要です。選択届出書を提出した場合、その選択をやめない限り、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の申告が必要となります。

なお、この選択届出書を提出した事業者が、課税事業者をやめ免税事業者に戻ろうとする場合は、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択不適用届出書」(以下「不適用届出書」といいます。)を、課税事業者をやめようとする課税期間の前の課税期間中に提出することが必要です。

ただし、次に掲げる場合には、事業を廃止した場合を除き、それぞれの日以後でなければ不適用届出書を提出することができません。

(1) (2)に該当しない場合には、選択届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日

(2) 選択届出書を提出し、その届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)中に国内において調整対象固定資産(注)の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「調整対象固定資産の仕入れ等」といいます。)を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日(この特例が適用される場合、一定期間簡易課税制度を選択することもできません。)

(注) 調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物およびその附属設備、構築物、機械および装置、船舶、航空機、車両および運搬具、工具、器具および備品、鉱業権等の無形固定資産で、一の取引の単位の価額(消費税および地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものをいいます。

基準期間がない法人の納税義務の免除の特例

新たに設立された法人については、設立当初の2年間は基準期間が存在しないことから、原則として免税事業者となります(注)。

ただし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人(以下「新設法人」といいます。)や特定新規設立法人に該当する法人の場合、その基準期間のない事業年度については、納税義務は免除されません。「特定新規設立法人」については、コード6503「基準期間がない法人の税義務の免除の特例」をご参照ください。

また、新設法人や特定新規設立法人が、基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)中に調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間は納税義務が免除されず、簡易課税制度を適用して申告することもできません。

(注) 基準期間が存在しない場合であっても上記「納税義務の免除」の(注1)の規定の適用があります。

根拠法令等

消法2、3、5、9、9の2、12の2~12の4、28、消令5、25の5、消基通1-4-1・1の2・2・5・6

関連リンク

◆パンフレット・手引き

消費税のあらまし

関連コード

QAリンク

  1. Q1 個人事業者が法人成りした場合の納税義務
  2. Q2 基準期間が免税事業者であった場合の課税売上高の計算方法 
  3. Q3 前々年の中途に開業した場合の課税売上高の判定 
  4. Q4 特定期間の課税売上高に代えて判定する場合の給与等支払額の範囲

お問い合わせ先

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