[令和5年4月1日現在法令等]

退職の日の翌年に支払う退職手当

Q1

昨年12月31日に退職した従業員に、本年2月に退職手当を支給しました。いつの年分の退職所得になりますか。

A1

従業員の退職所得の収入金額の収入すべき時期は退職の日となりますので、昨年の退職所得になります。
(所基通36-10)

退職手当の支給日に受給者が死亡していた場合

Q2

当社の従業員甲が、3月31日に退職しました。退職給与規程に基づき、4月25日に退職金を支給する予定でしたが、甲が4月20日に死亡しました。そのため、この退職金を遺族に支給することにしました。甲の退職所得となりますか。

A2

従業員の退職所得の収入すべき時期は、退職の日となります。甲は、退職の日に生存していますので、甲の退職所得となり、退職した日の属する年分の収入になります。したがって、貴社は退職金を支払う際、所得税および復興特別所得税の源泉徴収をすることになります。
なお、従業員の死亡退職により遺族が支払を受ける退職金で、死亡後3年以内に支給が確定したものについては、支払を受ける遺族が相続により取得したものとみなされますので、所得税及び復興特別所得税は課されませんが、死亡後3年経過後に支給が確定したものについては、支払を受ける遺族の一時所得とされます。
(所法91一七、相法31二、所基通9-17、34-2、36-10)

退職給与規程の改訂により、既に退職した者に追加支給する場合

Q3

退職給与規程の改訂を行い、昨年退職し既に退職手当を受給している者に、追加で退職手当を支給することになりました。いつの年分の退職所得になりますか。

A3

昨年の退職所得となります。
一の勤務先を退職することで2以上の退職手当等を受ける権利を有することとなる場合に該当しますので、最初に支払を受けるべきものの支払を受けるべき日の属する年における退職所得となります。したがって、今回追加支給された退職手当と昨年の退職手当を合算して退職所得に対する所得税額および復興特別所得税額の計算をすることになります。
なお、退職者の死亡後に退職給与規程の改訂による追加支給が確定した場合には、死亡後3年以内に支給が確定したものについては、支払を受ける遺族が相続により取得したものとみなされますので、所得税および復興特別所得税は課されませんが、死亡後3年経過後に支給が確定したものについては、支払を受ける遺族の一時所得とされます。
(所令77、所基通9-17、34-2、36-10、36-11)

将来の年金給付の総額に代えて支払う場合

Q4

当社は退職に際し、退職手当の支給はしませんが、規程に基づき年金を支給します。
3年前に退職し、年金を受給している者の請求に基づき、本年、将来の年金給付の総額に代えて一時金を支給しますが、退職所得になりますか。また、いつの年分の退職所得になりますか。

A4

過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金の受給資格者に対し、年金の受給開始日後に将来の年金給付の総額に代えて支払う一時金は、退職手当等となります。
また、貴社は、退職時に退職手当の支給はしていないため、一時金の支給期の属する年分の退職手当等とされますので、本年の退職所得となります。

 なお、退職に際し、退職手当の支給をしている場合には、最初に支払われた退職手当等の支給期の属する年分の退職所得となりますので、今回支給する一時金と退職に際し支給した退職手当等を合算して、退職所得に対する所得税額及び復興特別所得税額の計算をすることになります。


(所基通30-4)

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