この震災により被災された方については、相続税又は贈与税に関して、次のような税制上の措置があります。

1 申告・納付等の期限延長

 震災により被害を受けた方は、次の区分により、申告・納付等の期限が延長されます。

  なお、(1)と(2)のいずれにも該当する場合には、いずれか遅い日が期限となります。

(1) 納税地による期限延長

  1. 2 東日本大震災の発生に伴い、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県については、平成23年3月11日以降に到来する国税に関する申告・納付等の期限の延長をしました。
     延長後の期限については、別途指定されています。詳しくはこちらをご覧ください。

    (注) 相続税の納税地は、原則として、被相続人の死亡のときの住所地となります。

  2. 2 1以外の地域に納税地を有する方であっても、震災により申告等ができない場合には、申請により、申告・納付等の期限が延長されます。
     例えば、相続税については、被相続人の死亡のときの住所地が上記の地域以外にあっても、相続人等が震災により期限までに申告等ができないときは、申請により、当該相続人等に係る申告等の期限が延長されます。

(2) 特定土地等又は特定株式等を取得した場合の期限延長

  相続人等のうち、次の2−1(1)の特例の適用を受けることができる方がいる場合には、その相続人等の全員の申告書の提出期限が、平成24年1月11日まで延長されます。

(注)
 贈与税についても、平成22年中に贈与により財産を取得し、次の2−1(2)の特例を受けることができる方は、同様に申告書の提出期限が延長されます。

2―1 課税価格の計算の特例(特定土地等・特定株式等の特例)

(1) 相続税

  平成22年5月11日から平成23年3月10日までの間に相続等により取得した特定土地等又は特定株式等(平成23年3月11日において所有していたものに限ります。)の価額は、その取得の時の時価によらず、震災後を基準とした価額によることができます。

(2) 贈与税

  平成22年1月1日から平成23年3月10日までの間に贈与により取得した特定土地等又は特定株式等(平成23年3月11日において所有していたものに限ります。)の価額は、その取得の時の時価によらず、震災後を基準とした価額によることができます。

(注)

  1. 「特定土地等」とは、東日本大震災により相当な被害を受けた地域として財務大臣の指定する地域(以下「指定地域」といいます。)内にある土地等をいいます。
  2. 「特定株式等」とは、指定地域内にある一定の動産及び不動産等の価額が保有資産の合計額の10分の3以上である法人の株式等(上場株式等を除きます。)をいいます。
  3. 「指定地域」とは、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県十日町市、新潟県中魚沼郡津南町及び長野県下水内郡栄村をいいます。(4月27日現在)
    ※ 指定地域の追加についてはこちらをご覧ください。(PDF/68KB)
  4. 「震災後を基準とした価額」の具体的な計算方法等は、後日、国税庁ホームページ等でお知らせします。

2―2 課税価格の計算の特例(建物・家庭用財産・自動車等の特例)

  相続又は贈与により取得した財産(建物、家庭用財産、自動車等)が、申告期限前に被害を受けた場合には、一定の要件に該当すれば、被害を受けた財産の価額から被害を受けた部分の価額を控除して相続税又は贈与税を計算することができます。
 この特例の適用要件及び計算方法等については、災害減免法による減免措置に関するパンフレット『東日本大震災により家屋や自動車などに被害を受けられた方の相続税又は贈与税の災害減免措置のあらまし』相02をご覧ください。


3 納税の猶予等

(1) 納税の猶予

  震災により、財産に相当な損失を受けた場合や、国税を一時に納付することが困難な場合には、税務署に「納税の猶予申請書」を提出し、その承認を受けることにより、納税の猶予を受けることができます。

(2) 納付すべき税額の免除

  相続又は贈与により取得した財産(建物、家庭用財産、自動車等)が、申告期限後に被害を受けた場合には、一定の要件に該当すれば、被害のあった日以後において納付すべき税額のうち、その被害を受けた部分の価額に対応する部分の税額が免除されます。
  この特例の適用要件及び計算方法等については、災害減免法による減免措置に関するパンフレット『東日本大震災により家屋や自動車などに被害を受けられた方の相続税又は贈与税の災害減免措置のあらまし』相02をご覧ください。

4 「住宅取得等資金の贈与税の特例」に係る入居要件等の特例

「住宅取得等資金の贈与税の特例」について、次の措置が講じられました。

  1. 1 震災により特例の対象となる住宅が損壊し通常の修繕によっては原状回復が困難となったため入居できなくなった場合には、入居要件が免除されます。
  2. 2-1(平成22年分) 震災により特例の対象となる住宅の修繕が必要となるなど期限までに入居できなくなった場合には、入居期限が1年間延長されます。
  3. 2-2(平成23年分) 震災により特例の対象となる住宅を期限までに取得できなくなった場合には、取得期限と入居期限が1年間延長されます。

(注)
 この特例は、平成22年1月1日から平成23年3月10日までの間の贈与が対象となります。

この情報は、平成23年4月27日現在の法令に基づいて作成しています