平成27年1月
国税庁鑑定企画官

国税庁では、清酒製造業の健全な発達に資するために清酒の製造状況等の調査を行っています。調査の結果は清酒の製造管理上の指標として清酒製造業者に利用されています。平成25酒造年度(平成25年7月1日〜平成26年6月30日)における清酒の製造状況等については、別表「平成25酒造年度清酒製造状況等」のとおりです。

1 清酒の製造場数

調査対象場数(蔵置場を含む)1,912場のうち、回答場数は1,741場(回収率91.1%)であり、そのうち平成25酒造年度において清酒を製造した場数は1,236場で、前年度から15場減少しています。
 製造方法別の製造場数は、特定名称の清酒においては、純米酒1,040場(前年度1,054場)、純米吟醸酒1,077場(同1,082場)、吟醸酒920場(同942場)、本醸造酒874場(同920場)であり、特定名称以外の清酒は932場(同933場)です。
 これらの全体の製造場に占める割合は、純米酒84.1%(前年度84.3%)、純米吟醸酒87.1%(同86.5%)、吟醸酒74.4%(同75.3%)、本醸造酒70.7%(同73.5%)、特定名称以外の清酒75.4%(同74.6%)となっています。

(注) 特定名称の清酒とは、純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒及び本醸造酒のことをいいます。

2 清酒の製造数量

平成25酒造年度における清酒の製造数量(アルコール分20度換算数量)は、446,435キロリットル(対前年度比0.2%増)です。そのうち、特定名称の清酒の製造数量(アルコール分20度換算数量)は、155,145キロリットル(対前年度比3.5%増)となっています。
 特定名称の清酒の製造方法別の製造数量を前年度と比較すると、純米酒は対前年度比6.1%増、純米吟醸酒は同12.1%増、吟醸酒は同4.9%増、本醸造酒は同4.8%減です。
 製造方法別の製造数量(アルコール分20度換算数量)の推移は表1及び図1のとおりです。

3 原料米の使用数量等

平成25酒造年度における清酒用原料米は、玄米としては243,217トン(対前年度比0.9%増)、白米としては163,057トン(同0.6%増)が使用されています。原料米使用数量の推移は表2及び図2のとおりです。
 精米歩合は66.2%(前年度66.3%)で、その推移は表3及び図3のとおりです。

4 原料用アルコールの使用数量

平成25酒造年度の清酒製造に使用された原料用アルコールの数量(アルコール分100度換算数量)は27,690キロリットル(対前年度比1.4%減)で、白米1トン当たりに換算すると169.8リットル(同1.9%減)となります。原料用アルコールの使用数量の推移は表4及び図4のとおりです。

表1 製造方法別製造数量(アルコール分20度換算)の推移
酒造年度 21 22 23 24 25  
区分 前年度比
純米酒 キロリットル1 キロリットル2 キロリットル3 キロリットル4 キロリットル5
(10.2) (10.4) (10.5) (10.7) (11.3)  
47,882 45,512 47,259 47,745 50,647 106.1
純米吟醸酒 (5.5) (5.7) (6.2) (7.0) (7.8)  
25,703 25,211 27,772 31,245 35,020 112.1
吟醸酒 (3.9) (3.8) (4.3) (4.7) (4.9)  
18,303 16,544 19,179 20,745 21,761 104.9
本醸造酒 (11.9) (11.5) (10.8) (11.2) (10.7)  
55,942 50,565 48,666 50,113 47,718 95.2
(特定名称の清酒)
小計
(31.5) (31.4) (31.8) (33.6) (34.8)  
147,829 137,833 142,875 149,848 155,145 103.5
特定名称以外の清酒 (68.5) (68.6) (68.2) (66.4) (65.2)  
321,549 301,818 306,296 295,868 291,290 98.5
合計 (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)  
469,378 439,651 449,171 445,716 446,435 100.2

(注)

  • 1. ( )書は、構成比(%)です。
  • 2. 集計値の端数処理の関係で、各値の合計が合計値と異なる場合があります。

図1 製造方法別製造数量の推移

図1 清酒のタイプ別製造数量の推移

表2 原料米使用数量の推移
酒造年度 21 22 23 24 25  
区分 前年度比
玄米 トン1 トン2 トン3 トン4 トン5
245,742 232,421 237,791 241,160 243,217 100.9
白米 167,042 157,521 160,801 162,127 163,057 100.6

図2 原料米使用数量の推移

表3 精米歩合の推移
酒造年度 21 22 23 24 25
区分
純米酒
65.9 65.9 65.5 65.3 65.4
純米吟醸酒 51.9 51.7 51.7 51.2 51.3
吟醸酒 50.3 50.1 50.6 50.2 49.9
本醸造酒 64.9 64.6 65.1 65.1 65.0
特定名称以外の清酒 73.5 73.6 73.7 73.8 74.3
全体 67.2 67.1 66.9 66.3 66.2

図3 精米歩合の推移

表4 原料用アルコールの使用数量(アルコール分100度換算)の推移
酒造年度 21 22 23 24 25  
区分 前年度比
使用数量 キロリットル1 キロリットル2 キロリットル3 キロリットル4 キロリットル5
30,730 28,614 28,902 28,070 27,690 98.6
白米1トン当たり使用数量 リットル1 リットル2 リットル3 リットル4 リットル5
184.0 181.7 179.7 173.1 169.8 98.1

図4 白米1トン当たり原料用アルコール使用数量の推移

図4 白米1t当たりの原料用アルコールの使用数量の推移

別表

平成25酒造年度清酒製造状況等

区分 製造場数 製成清酒 製成かす 使用原料
実数 平均アルコール分 日本酒度合計 平均日本酒度 実数 アルコール又はしょうちゅう
  純アル数量 (玄米) 白米 (純アル数量) 白米1トン当たり
純米酒 キロリットル1 キロリットル2 千度 トン1 トン2 トン3 キロリットル リットル
1,040 56,089 10,129 18.1 86,168 1.5 7,497 40,461 26,453 - -
純米吟醸酒 1,077 40,101 7,004 17.5 69,942 1.7 6,831 37,058 19,016 - -
吟醸酒 920 23,105 4,352 18.8 88,491 3.8 3,500 19,225 9,590 946 98.6
本醸造酒 874 48,328 9,544 19.7 165,828 3.4 5,705 30,555 19,854 2,223 112.0
特定名称清酒以外の清酒 932 284,731 58,258 20.5 201,635 0.7 18,479 115,917 88,144 24,521 278.2
全体 1,236 452,353 89,287 19.7 612,064 1.4 42,013 243,217 163,057 27,690 169.8

区分 使用原料 各種歩合
糖類 酸類 清酒かす 清酒 精米歩合 かす歩合
ぶどう糖 水あめ 乳酸 こはく酸 くえん酸 りんご酸 実数 純アル数量
純米酒 キログラム1 キログラム2 キログラム3 キログラム4 キログラム5 キログラム6 トン キロリットル1 キロリットル2
- - - - - - - - - 65.4 28.3
純米吟醸酒 - - - - - - - - - 51.3 35.9
吟醸酒 - - - - - - - - - 49.9 36.5
本醸造酒 - - - - - - - - - 65.0 28.7
特定名称清酒以外の清酒 1,203,861 3,641,203 16,094 12,405 3,644 748 39 76 9 74.3 20.9
全体 1,203,861 3,641,203 16,094 12,405 3,644 748 39 76 9 66.2 25.7

(注)

  • 1. 集計値の端数処理の関係で、各値の合計が合計値と異なる場合があります。
  • 2. 純アル数量とは、製成清酒(実数)に含まれるアルコール分(100度換算)の数量をいいます。
  • 3. 日本酒度とは清酒の比重を表す指標です。
  • 4. 「日本酒度合計」は、日本酒度×製成数量(リットル)の累計です。
  • 5. 精米歩合とは、玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米の、その玄米に対する重量の割合をいいます。