税の学習コーナー

税の学習コーナー 税の作文(中学生・高校生) 令和元年度「税に関する高校生の作文」国税庁長官賞受賞者発表

令和元年度「税に関する高校生の作文」国税庁長官賞受賞者発表

国税庁長官賞

【題名】納税が変える未来

【都道府県】北海道

【学校名・学年】市立札幌旭丘高等学校 一年

【氏名】江口 日菜

 この夏は酷暑だった。地球全体の気候変動を感じさせる暑さで、ここは本当に北海道なのだろうかと思えるような熱帯夜が続いた。
 このような世界的な地球温暖化への対応として、平成二十四年から「地球温暖化対策のための税」という新しい税が導入されたらしい。政府広報オンラインによると、この税は従来の石油石炭税に上乗せする形になっている。私達の家庭の追加的負担は1か月約百円ほどであるようだ。私が思っていたよりもずっと負担が小さかったため、驚いた。さらに気になって調べてみると、二酸化炭素の削減効果が見込まれていることが分かった。環境省のホームページには、二〇一三年度の年間二酸化炭素排出量の四・四パーセントに相当する約五千四百八万トンの二酸化炭素が、約十七年間で削減されると書いてあった。この二酸化炭素の削減量は、「地球温暖化対策のための税」による税収を活用した省エネルギーの抜本強化や導入支援、さらに再生可能エネルギーの大幅導入で生じた財源効果を含んでいる。
 私が少なすぎると感じた家庭的な負担だが、この税については「広く薄く」負担が求められていて、課税の公平性が確保されているようだった。この税の導入によって夏の暑さがこれ以上ひどくならないのだとすれば、一般的に一時間で二十円ほどかかるといわれているエアコンを使うよりも、ずっと安い費用で長期的に暑さを和らげることができるのではないだろうか。国民全体が「広く薄く」この税を負担し続ければ、きっと将来の電気代の負担はたとえ少しだとしても抑えることができると感じた。
 私が「地球温暖化対策のための税」を調べて気づいたことは、二つある。一つは、現在の税制度は、私達の暮らしの根底に存在する生活の環境まで考えて作られている、ということだ。今までの私は、ただ漠然と公共の建造物や社会福祉など、国民の身近なもののためだけに税金はあると思っていた。しかし、もっと世界規模である地球温暖化のために、新たな税が導入されていることが分かった。
 そしてもう一つ気づいたことは、「税金」は国民全員が負担することによってようやく、大きな効果が生まれるということだ。私が調べた「地球温暖化対策のための税」は、その最たる例であるといえるだろう。一人一人がやらなければ、意味がない。よりよい社会を創っていくには、全ての国民が正しく納税することが最も重要なのだと思った。
 「納税の義務」は、国民の三大義務の一つに数えられている。授業をきくだけでは「そうなんだ」としか思えなかったことも、今回調べたことで深く実感することができた。税には、社会全体を根底から支える役割があるのだと思う。これからは、税のことを正しく理解し、納税することができる大人を目指していきたい。

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【題名】税の考案から税について考える

【都道府県】岩手県

【学校名・学年】岩手県立一関第一高等学校 一年

【氏名】大島 雅晴

 今年の一月七日、出国税がスタートした。私は三月タイに行ったので出国税を納めたことになるが、航空機運賃に含まれていることもあって、自分も家族も全く納税している意識がなかった。
 この税が優れていることは、三つある。一つ目は、経済的に余裕のある人が払うこと。二つ目は、これからも安定した税収が見込まれること。そして三つ目は、日本の観光産業の発展につながること。こういった税を増やしていけば、各方面の産業が発展し、暮らしが向上するのではないか。今回は、私が考えたあったらいいなと思う税を、そのメリットとデメリットを合わせて紹介していこうと思う。
 一つ目は、通信税である。近年スマートフォンの普及により、通信量が大幅に増えた。これからも発展することが見込まれるので、安定した税収が望める。また、インターネット中毒者を減らすことができるかもしれない。ただ、通信が生活に必要不可欠なものになってきている今、反対運動が起きるおそれがある。現にハンガリーでそれが起こった。それを避けるために、Wi‐Fi環境下での通信は非課税にする、課税対象の下限を設定するなど対策が必要だと思う。また税金の使い道も考える必要がある。
 二つ目は、見物税である。例えば、花火大会や花見に訪れた人から百円ずつ納付してもらう、といったもので、大勢の人出が見込まれるため、かなりの税収が期待できると思う。しかし、課税する正当な理由に欠けるうえ、納付方法も工夫しないと大混雑になるおそれがある。ただし、納付してもらった税を会場周辺の整備に充てれば、来場者の満足度は高まるだろう。
 そして三つ目は、健康促進税である。これは、健康診断で健康ではないと診断された人が課税対象になる。納められた税は医療水準の向上のために使う。この税が導入されることで、国民全体の健康への意識の高まりが期待でき、将来的に医療費の削減につながっていく。しかし、免除規定を設けないと、低所得者が多額の税金を払うことになる。 今回新たな税を考えてみて、問題の起こらない税を考案することは非常に難しかった。そういった面では、消費税増税によって財源を確保していくのはやむを得ないだろう。しかし、私がよく行く病院にも税金が使われていて、私が行く回数を減らせばかかる税金も減らすことができるのだ。確かに消費税は増税されると困るので、増税反対運動を起こす人の気持ちも分かる。しかし、その前に身のまわりの税の無駄遣いをなくすことで、増税する必要はなくなるのではないか。私は税金の無駄遣いをしない生活を送りたい。

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【題名】日本の岐路

【都道府県】埼玉県

【学校名・学年】学校法人佐藤栄学園栄東高等学校 一年

【氏名】五味 叶恵

 令和四年、私は大学に進学した。第一志望大学での生活は希望に満ち溢れていた。老後資金への備えを後回しに教育費を惜しみなく出してくれる両親の勧めで大学院に進学。就職活動は無難にこなし東証一部上場企業へ就職した。職場結婚した夫は地方出身の一人っ子。不妊治療の末に一人息子を授かったとき私は四十歳になっていた。保育所入所へは一年半待機。子育てと仕事の両立に必死のある日、夫の母が認知症を発症。夫は職場の制度を利用し介護と仕事を両立できたが、生活のズレから私たちの結婚生活が破綻した。五十歳の私は、一人息子を都内の大学付属中学校へ入学させる為に教育に資金と時間を注いだ。社会保障への不安感から、子どもを良い学校へ進学させ、安定した企業に就職させたい。学歴格差社会は加速度を増している。親子で受験に取り組んでいたある日、実父が要介護認定を受けたという連絡が入った。老後資金の備えをしていなかった両親、父は七十五歳という若さで介護状態、経済的に困窮、母は精神疾患を発症した。両親の介護と経済的負担から私は息子の受験を諦めた。梯子を外された息子は不登校となった。私は七十五歳。公的年金支給は七十五歳まで引き上げられており、ようやく支給される。そして今、百歳を超える要介護者の両親と三十五歳無職の息子を養っている。
 令和二年、「人生百年時代」「老後資金不足」等の言葉が飛び交い漠然とした不安感のある日本でオリンピックパラリンピックが開催された。健康寿命を意識した国民がスポーツイベントに刺激されると、スポーツジムへの申し込みが殺到した。「スポーツジム難民」という言葉が流行語となり定員オーバーでジムが入会待ちになると、自宅でのトレーニング機器が爆発的に売れ品薄状態となった。健康志向の高まりは社会現象となり、健康食品産業、スポーツビジネスの拡大から法人税や消費税の税収が格段に増えた。週末は地方でサイクリングするなど、国民はスポーツの環境を地方に求め始めた。結果として地方経済が活性化し地方交付税交付金の削減につながった。健康的な生活から医療機関への受診率が低下、社会保障費が圧縮された。国は税収が増え、支出が減りつつあった。高等学校までの完全無償化実施、少子化に歯止めがかかりつつあった。五輪から三十五年経過、五十歳の私は五人の子どもを育てている。文教および科学振興費用を増加される国策で多子世帯が増えた。健康な高齢者は労働力となった。七十五歳の両親は現在も勤めており所得税を納めている。公的年金の受給は繰り下げているようだ。「少子高齢化」という言葉が過去のものとなった。
 少子高齢化、男女格差、待機児童、老老介護、年金制度破綻、潜在的な問題を含め懸念すべき社会問題は数えきれない。私が税制について考えるとき、革新的な解決策を妄想することで不安感を消すしかなくなっている。

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【題名】税に対する私の意見

【都道府県】東京都

【学校名・学年】富士見丘中学高校学校 三年

【氏名】真田 南

 今年人生で初めて選挙権を手にした私は高揚感に包まれていた。各政党の掲げる政策を調べ、当日投票を終えた私は、初めて社会に踏み入った充足感に浸っていた。その選挙期間中に気に留まったことは、消費税に関する政策がどこの政党にも見られたことだ。中でも「消費税をなくす」というものを見た際には驚愕した。私個人としては増税は「致し方ないもの」でしかなかったからだ。
 人々はなぜ税を嫌うのだろう。世論調査によると、十月に予定されている消費税の増税反対派は六割を越えている。その理由としては、低所得者の負担が重くなることや、税金の負担が大変だということに加え、景気への悪影響を懸念する人もいた。税の負担、というのは確かに被保護者であり未成年の私には想像し難い。しかし、幼少期を海外で過ごした私にとっては、日本は今でも「物が安く買える素晴らしい国」なのだ。フランスで生活していた当時は消費税が二十%程で、お小遣いを貰っても「税金」のせいでお菓子が少ししか買えない事をよく悔やんだことを今でも覚えている。一年に一度日本に一時帰国した際には当時五%だった消費税に驚き喜び、また一年後までのお菓子を買って帰っていた。この経験故に、個人的には十%に増税しようと「まだいいじゃないか」という思いが大きいのだ。
 日本は「お客様第一主義」であるという文を読んだことがある。他国と比べても日本のサービス業は「おもてなし精神」があるが、過剰な気もする。同じ人間であるのになぜサービスを提供する側がへりくだるのか。提供する側とお金を払う側はギブアンドテイクで同等の立場ではないのか、と多々思う。
 これは増税に関しても同様で、税を多く払えば国民の為に使われる機会が増え、逆に税の負担が減れば結局、国民の暮らしが悪化する。増税賛成派では、年金や医療、子育て支援など社会保障の充実に必要という理由が約四割を占めた。私はこれに賛成で、国民は将来が国家によって無条件に保障されている訳ではないということを常に念頭におくべきだと思う。
 また、「前回の増税による影響を知りたい」、「何のための増税かよくわからない」という意見が多いことも事実で、国民の理解が希薄であることも賛成派が少ない一つの理由だと思う。確かに、全国民の理解を得ることは不可能に近く、改革には反対派が付き物だ。しかし、少なくとも「分からない」と答えた人々に情報を与えることが増税の理解への一歩になるのではないか。また、国民も不明な点は調べ理解を深める義務があるのではないか。政府も国民も同等で、各々の持つ責任を今一度認識し、互いに許容性を持って妥協点を見出すべきだ。それは、グローバル化において、世界と分かち合うということと同じではないのか。

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【題名】豊かな国づくりを目指して

【都道府県】富山県

【学校名・学年】富山県立南砺福野高等学校 一年

【氏名】小森 優花

 令和元年十月一日より、消費税が八パーセントから十パーセントになる。先日の参議院議員選挙では、賛成・反対の両意見がテレビや新聞などで大きく取り上げられていた。私が見た限りでは、どちらの意見も納得のいくものばかりで、どちらが良いのか分からなかった。しかし、私をとりまく家族の様子を見て、十パーセントに増税することは私なりに賛成という結論に至った。
 私には七十代の祖母がいる。年の割には元気だと思っていたが、近頃は体のあちこちが痛むらしく、病院通いが多くなってきた。料理や畑での野菜作りが趣味の祖母が、
「あぁ、だやい、だやい。」
と、言って近頃は何もしなくなってきた。私はそんな祖母を見て、いつまでも元気でいられるわけがない。もし体が不自由になったらどうしよう。私はだんだん将来について不安になってきた。しかもこれから少子高齢化社会が進み、高齢者の数が増加していくのだから。
 私はもっと高齢者福祉や社会保障の充実に力を入れて取り組んでいかなければならないと思う。そのためなら消費税が十パーセントでも良いと思う。いや、良いというより、むしろすべきである。
 ところで以前、こんな大人の会話を耳にしたことがある。
 「税金がでかいと取られてしまって、手取りはこれだけやわ。」
 その時はあまり違和感がなかったが、今、この作文を書いていると、「取られる」という言葉がとても気に掛かる。「取られる」ではなく、「納める」ではないだろうか。調べてみると憲法第三十条に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」とある。義務は「取られる」ものではなく「おのれ自ら果たす」ものである。権利だけを主張するのではなく、義務を果たすことが民主主義の根幹の一つではないだろうか。
 終わりにあたり、税金や増税分がどこに、どれだけ、どのように使われるのかを明確にし、その良さを実感できるようにすることが納税への理解者を増やすことになるのではないか。また、したくても個でできないことが公でやれる良さも認識できれば、さらに税の理解者も増えるだろう。
 人によって人の為に成す税金、納税は別の形で私たちに還元されるのである。豊かな国にするために、納税、還元というサイクルを強く、正しく、大きくすることこそが肝要である。
 私はまだ未成年だが、進んで納税する大人になりたい。そして、税金を有効に価値ある使い方をして、全ての人にとって安心で豊かな生活の実現に力を注いでほしいと考える。

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【題名】自営業家系の友人と私

【都道府県】岐阜県

【学校名・学年】岐阜県立東濃実業高等学校 三年

【氏名】永田 りか

 「いらっしゃいませ」と元気よくお客さんに声をかけお店の手伝いをしているのは、私の中学生のときからの友人だ。地元で安いと有名なスーパーマーケットを営む祖父の手伝いを休日にしているらしい。
 そんな友人と一緒に遊んでいたとき、スマートフォンで増税のニュースを知った。十月一日から消費税が八パーセントから十パーセントになる。軽減税率制度が実施されても、友人は値札を替えたり売上に影響がでたりと少なくとも面倒くさい、嫌だなどマイナスの発言をすると思った。しかし、「これで日本の未来も安心だね」と言った。詳しく聞くと「今の高齢者三経費、年金・医療・介護と呼ばれている高齢者メインの社会保障から、社会保障四経費、年金・医療・介護・子育てという高齢者だけでなく子供、孫の世代までのサポートを充実させることが目的で増税するからだよ」と教えてくれた。私は自分のことや目の前のことだけ考えて払うお金が増えるのは嫌だと思っていた。しかし話を聞いてみんなの未来のためにも増税は大切なことだと考えが変わった。買い物をして消費税を払う。当然なことだけれど人助けや未来への投資をしていると思って払うようになったらまだ社会に出て働いていない私でも社会に貢献しているような気がしてうれしかった。また、自営業家系の友人は私よりも増税で影響があるにも関わらず未来のことを考え増税に賛成な姿はとてもかっこよかった。何気なく見ている値札やレジはいつのまにか増税と共に替えてくれていることが多い。売る側の気持ちになって考えてみても様々な影響があることを再確認したので日々感謝して買い物をしていきたいと思った。
 私は友人の増税への意見を聞いて増税は反対だったが賛成意見に変わった。友人が増税について詳しく知っていたからこそ説得力があり、心が動いた。友人は幼い妹やお店に来る幼い子に増税について教えたことが数回あると言っていた。日頃からニュースに興味を持ち幼い子に教えてあげることは国民みんなでこれからの日本について考える良いきっかけになると思った。私も正確な知識を身につけたくさんの人に増税について知ってもらえるように活動していきたいと思った。今日も友人は店頭に立ち元気に働いている。未来のために増税に賛成な友人が名物の大きなチキンカツを揚げ販売している姿はいつまでも輝き続けると確信した。

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【題名】税金の本質を考える

【都道府県】和歌山県

【学校名・学年】和歌山県立桐蔭高等学校 一年

【氏名】中山 結夢

 「十%に増税なんて、生活が圧迫されるよ。」「増税ばかり、嫌だね。」
 消費税十%増税を目前にし、世間でよく耳にする言葉です。確かに、八%になった時にも買い物をしていた母が、
 「何だか物が値上げされた感覚になるね。随分と支払う金額が違うわ。」
と言っていたのを覚えています。『税金』というものの外側だけ、上っ面だけを見ていると、たくさん払わなければならない消費税や他の税金に、私たち国民は損した気分になるかもしれません。しかし、こうした増税や税金の徴収は、私たちにとって本当に『損』なのでしょうか。消費税十%になる前に、私はしっかりそのメリットについて調べてみたくなりました。
 調べてみると、デメリットがあるのはもちろんですが、多くのメリットもありました。一番に目に飛び込んできたのは、『国の財源の安定化』ということです。このことが、さらに私たちの生活に安定をもたらしてくれます。一つは、社会保障制度が充実することです。こうした各種社会保障は、現役世代が負担することで高齢者を支えています。年齢に関係なく全ての世代が負担する消費税は、現役世代への負担を減らす大きな策と言えるかもしれません。そんなことを考えていると、
 「本当に助かったんよ。あのときは。」
と、母が口をはさみました。数年前、祖父が突然寝たきり状態になり、母が仕事をしばらく休職しなければならなかったことがありました。末期ガンでした。母は、大好きな仕事を休み、祖父のために一生懸命でした。痛みを訴える祖父のために、やわらかい介護ベッドを借りることにしました。祖父のために何もかもを母一人で頑張る覚悟でしたが、それにも限界がありました。思い切って利用した訪問看護。おかげで、私たち家族は笑顔で祖父の最期を看取ることができました。介護ベッドのお金も、訪問看護の費用も、全てを自分たち家族が負担するとなると、きっと笑顔は消えていたことでしょう。私たち家族を支えてくれていたのは社会保障制度、つまり、税金なのです。
 『税金』は、払う時はお金という形です。しかし、そこから『支援』や『援助』というあたたかいものに形を変え、私たちの暮らしに潤いを与えてくれるものです。税金の外側だけを見ているのではなく、こうして税の内側を見てみませんか。すると、「ただの値上げ」だと判断した発言はできなくなるでしょう。私たちを支えてくれているものだと身近に感じ、税に感謝する心が出てくる…私はそんな日本を創って欲しいです。私は今回、この作文を書くにあたり、調べてみることで、そして母と話すことで、税に対して積極的な考えに転換することができました。今では、母も「値上げ」と言わなくなりました。
 私も将来、きちんと納税し、社会に支えられる子供から支える側の大人になりたいです。

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【題名】税のあるべき姿

【都道府県】広島県

【学校名・学年】広島県立広島国泰寺高等学校 一年

【氏名】木 結葵 

 先日、久しぶりに祖父母の家に遊びに行ったとき、周辺の景色が大きく変わっていることに驚きました。
 それは、祖父母の家に近くの高い山に大きなトンネルができていたことでした。
 隣の町に行くには、これまでは、その高い山につけられた急カーブが連続する道路を通り、山を越えて行くしか方法はありませんでした。そのため、急カーブを曲がりきれずに起こる交通事故が多発したり、冬には雪が積もり通行止めになることも頻繁にありました。
 このトンネルができたことにより、その急カーブの道を通って山を超えることなく、トンネルを抜けるだけで隣の町に行け、所要時間もこれまでの半分程度に短縮されました。
 祖父母は、これまでは、その急カーブの危険な道路を通ることが嫌で、隣町になかなか行くことができなかったそうですが、このトンネルができたお陰で気軽に行けるようになったと、とても喜んでいました。さらに、大きな病院は隣町にしかなく、病気で万が一救急車を呼ばないとならない時のことを考えると、非常に安心できるとも言っていました。
 祖父母に聞いたところによると、このトンネルができるまでには、その何年も前から地域の人達が国や県などに建設の要望をされており、それが実を結び、このたび完成したとのことでした。
 また、その建設費用の全額が税金で賄われているとのことでした。
 新聞等で役所や政治家に対して、税金の使い方が無駄遣いであるとの報道を目にすることがありますが、このトンネルのように、地域の多くの人達が必要であるというものに税金が使われることは、本来の税金のあるべき姿であり、非常に良いことだと思いました。
 そして、これもテレビや新聞で見聞きしたことですが、その税金を正しく納めていない人達が残念ながらいまだにいるようです。私は、どうしてそのようなことになるのか疑問に思ったので、国税庁のホームページを見てみたところ、日本の主な国税は、税金を納める人達が納めるべき税額を自ら計算して税務署に申告し、その税額を期限までに納税するという申告納税制度が採られています。
 多くの人達は、税額を正しく申告し納税しているが、中には実際よりも少なく申告する人達がいることがわかりました。税務署等では、これらの人達に対して調査をして指導されているようですが、一番必要なことは、納税する人達の納税することに対するモラルを高めることだと思います。私達学生は、この作文や税務署の方から受ける租税教室から税について考える機会がありますが、実際に税金を納税される大人の方も改めて税を考える機会を作る必要があると思いました。
 そして、税金を納める人達全員が正しく納税する社会になり、このトンネルのようにみんなが豊かで幸せになれるようなものが、ひとつでも多くできれば良いと考えています。

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【題名】税は思いやり

【都道府県】香川県

【学校名・学年】香川県立高松高等学校 一年

【氏名】酒井 菜摘

 「大人四人、学生二人、身障者一人でお願いします。」
 家族で行った夏休みの旅行でのことだ。私の祖父は二種の身体障害者の為、手帳を見せれば多くの施設は割引になる。小さい頃は安くなってラッキーぐらいにしか考えていなかったが、税について学習してから、社会全体がハンディキャップのある祖父を支えてくれているのだと気付かされた。
 身近な家族が税によって助けられていたことを知ってから、今年の秋に行われる増税に対する見方も変わった。祖父以外にも支援が必要な人たちを増税によって得られるお金で助けられるのではないか、と。
 消費税の引き上げは、福祉の面を手厚くする。保育園や幼稚園の整備、無償化を進め、結婚した女性が将来子供を安心して育てられる環境整備に使うことができるのだ。
 日本は今先進国として、世界的に見ても戦後短期間でめざましい高度成長を成し遂げられたのは、人口ピラミッドの中で労働人口が多く存在していたからである。ところが、高齢化の進展により、現在の日本の労働者数は少なく、とても、労働力は十分とは言えない。したがって日本では、働き方改革の推進と併せて、少子高齢化対策を積極的に進めることで、将来の日本の成長を止めない対策が急務になっているのだ。
 私たちは、税というものがどこで、どのように使われているのかを正しく知ることで、今まで無関心だった自分の国のことを、より深く理解できるようになると思った。
 私には、八十歳近い祖父、祖母がいる。お年寄りにとって消費税が引き上げられると、年金の中で暮らしている彼らにとって大きな負担になる。また、食べ盛りの二人の子供を抱える私の両親にとっても、消費税の引き上げによって毎日の食費や生活費の負担が大きくなってしまうだろう。社会全体で消費そのものが落ち込んでしまったり、順調に回復してきた日本経済に水を差してしまうかもしれない。
 しかし今回は軽減税率など十分な対策が取られているため、その心配は少ないということに気付かされた。
 税金とは「思いやり」が形になった物ではないかと私は思う。杖をついて歩いている祖父を見て、旅行先のタクシーの運転手、バスガイドさんなど寄り添って助けて下さる方が多くいた。そんな思いやりが目に見える税という形になり、祖父は社会全体の優しさに支えられながら生活しているのだ。
 納税は、相手の顔が見えず、何のために納めているのかと思う人もいるかもしれない。しかし、一人一人が「困っている誰かのために」と思いながら気持ちよく納められる社会になってほしいと思う。

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【題名】「誰かのために」私もそう言えるように

【都道府県】福岡県

【学校名・学年】福岡県立東筑高等学校 一年

【氏名】稲波 有珠華

 「まっすぐな道でさみしい。」これは高校入学時に先生から贈られた種田山頭火の言葉である。これまで、まっすぐな道こそ効率的で最善の選択だと考えていた私には違和感のある言葉だったが、解釈論を悠長に追求する時間もない想定外のスピードで高校生活が始まった。その上、私には帰宅後に食材調達という難儀があった。買い物を面倒だと思わないことは一度もなかったので、恐らく仏頂面で買い物リストの食材を、かごに放り込んでいたのだろう。そんな光景をリリィは見逃さなかった。ある日、彼女は微笑んで近づいて来た。他人と話すことは、相手が日本人でも抵抗がある私にとって、衝撃的なリリィとの出会いだった。彼女は、私の買い物かごを覗き込むと「今日、肉じゃがですか」と、たどたどしい日本語で我が家の献立をピタリと当てた。奇妙な感じは否めなかったが、二度三度と顔を合わす度に、私にも小さな勇気が湧いてきて、短い会話ができるまでになった。
 リリィは、兄弟の教育費と生活費の工面のために半年程前にフィリピンからやって来て、この店で商品整理の仕事をしている。驚くことに、それが「私の小さい頃からの夢」と、異国の地で暮らす不自由さを微塵も感じさせないリズミカルな調子で語った。そして、フィリピンの公立学校の授業料は無償だが、制服や教科書等に年間五万円程が必要で、教育にアクセスする権利はあっても、学校に行かず児童労働の選択肢しかない実情を力説した。私は、世の中には義務教育を妨げる「危険で有害な労働を強いられている子供達」がいることを知識として知っていた。しかし、物乞いをするストリートチルドレン、ゴミ山を漁り売れる物を拾うスカベンジャーの子供達は、リリィの祖国でも珍しくないことを聞いて、初めて知識が現実と重なった。
 そんなリリィが私に言った。「私、お給料から税金引かれる。引かないがいいけど、その税金、あなた支えるの嬉しい。だからガンバレ」と激励の言葉まで贈られた。
 私は山頭火の言葉を思い出した。リリィの生き様は、世の中の殆どの人から見れば、紆余曲折の人生(みち)そのものである。しかし、目標のある彼女の人生は、前にも後ろにも、私には真っ直ぐに延びているように思えた。「まっすぐな道でさみしい」とは、真っ直ぐに歩くこと自体を否定するものではなく、その過程で色々な経験、出会いや新たな考えを学び、真っ直ぐな道に枝葉を付けながら歩んで行くことの重要さを、自らの波乱に満ちた人生を回顧し、山頭火が詠んだのだと私は精解した。
 「誰かを支えたい。」将来、リリィのように自信を持って、私も頑張る誰かに伝えられるように、今は税金の恩恵に感謝し享受したい。そして、グローバル化が益々加速して行く社会の中で、先人達が築き、維持し続けてきた「税制」を更に発展させ、未来を想い、次の世代に優しさを贈り続けることができる社会人になりたいと、心から思った。

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【題名】―税に込めた思いを繋ぐ―

【都道府県】鹿児島県

【学校名・学年】学校法人鹿児島純心女子学園 鹿児島純心女子高等学校 二年

【氏名】水間 花奈

 納税をするということ。これは、日本国憲法で定められている国民の義務である。でも義務であるからといって、それを受身的に、言わば消極的に行うのってどうなんだろう…。そんな小さな疑問がうまれて、これまで身近すぎて、自ら知ろうとしてもいなかった税について関心をもち、調べてみた。
 安心して生きていくために必要な医療や年金・介護などの社会保障関係費や、学生に身近な教育に対する資金、さらには国際社会への経済協力費など様々な場面で私達が税金によって支えられていることに気が付いた。
 ―少子高齢化の進む日本―2050年問題という言葉を耳にしたことがあるだろうか。2050年という私達にとってそう遠くない未来には、日本の高齢者比率は、約40%になる。20〜64歳の生産年齢人口4873万人で65歳以上の高齢者3841万人を支えていかなければならない。そう、若者はお年寄りを1対1の肩車で支えることを強いられるのだ。そうなると、医療・介護などの必要性は高まり、社会保障関係費を含む税金がますます高くなることも十分に考えられるだろう。
 増税、増税と一見すると嫌な知らせにも感じるけれど、でも、「人が人を支える」このことこそが本来の納税の姿なんだろうな、と私は考える。これから払う税金の量でなく、これまで私達が「税」によって受けてきた恩恵の深さを振り返ってみると、そのことがよく分かる。
 「親の世代から、私達の世代へのバトンタッチ。次は私達が支える番だ。」そう考えるとこれまで多くの人に受身的に捉えられてきた納税のシステムがぐっと身近で自発的なものに感じてくるのではないだろうか。
 そうやって集められた税金の使い道を決めるのは、選挙で選ばれた国民の代表者だ。ということは、選挙に対する意識も深めていく必要がある。
 少子高齢化を含む様々な問題の中でこれからを生きていく私たちにとって市民意識をもつこと、つまり、コミュニティ共同体の一員としての自覚をもち、全体の利益を考えた行動をもつことはとても大切なことのように感じる。
 数年後納税する一人として、国をサポートできることに誇りを持ち、そしてまた次の世代へとこの思いをバトンタッチしていきたい。

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【題名】支えあい税金

【都道府県】沖縄県

【学校名・学年】沖縄県立那覇高等学校 3年

【氏名】城間 ほのか

 「大丈夫?立てる?」そう言ってチームメイトの足音が近づいてくる。膝を押さえたまま私は痛みで顔を上げられない。痛すぎて言葉も涙も出てこない。しばらくして、顔を上げ私は笑った。やっと出てきた言葉は「大丈夫」だった。しかし、もう膝に力が入らない。もうどんな怪我かは、チームメイトの誰もが予想がついていた。「前十字靭帯断裂」で手術とリハビリが必要だった。
 高校に入学してすぐに怪我をして、私は今高校三年生。今まで二回の手術とリハビリを二年以上続けてきた。スポーツ復帰を目指す私を、そして家族を支えてくれたのは「税金だ。」と本気で思う。それは、父が転職した時に、「新しい保険証の発行には時間がかかるらしい。」と母に言われた。そのため、保険証が届くまでの間のリハビリや診察、検査は自費で負担することにした。今、私達の医療費は三割だが、保険証が届くまでの間は十割になる。リハビリの金額もいつもの金額の倍以上ありとても驚いた。また、MRI検査で病院を訪れた際にも、予想はしていたものの、やはり高額で驚いた。私はこの時、「社会保障制度」の有難さを身にしみて実感した。
 どれだけ病院に通っただろう。どれだけ検査しただろう。どれだけのお金を払っただろう。きっと医療費が全額負担だったら、ここまでリハビリに打ち込めただろうか。私にとって税金はヒーローだ。私は助けられている。私に対して今まで、多くの税金をかけてもらっている。「感謝」という言葉しか出てこない。
 税金は私たち国民の生活を支えている。その事をしっかり心に留める必要がある。今は自分と税金とのつながりを感じていない人も少なくないだろう。でも、この先きっと税金とのつながりを感じ、感謝する時が来るはずだ。税金を納めたくないと思う人にも、あなたの収める税金があなた自身を、他の誰かを支えているということを忘れないでほしい。
 税金に助けられた私に何が出来るだろうか。私は税金の存在にとても感謝した。将来、きちんと税金を納められる大人になり、感謝の心を忘れないで生きていきたい。だって、税金は国民のヒーローだから。

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