税の学習コーナー

税の学習コーナー学習・応用編 [暮らしの中の税] 身の回りの公共サービス (1)

暮らしの中の税 身の回りの公共サービス (1)

私たちの身の回りには、国や都道府県、市(区)町村による「公共サービス」や「公共施設」があります。

ゴミ:指定のゴミ袋に入れて指定の日に出せば、ゴミ収集車がタダで持って行ってくれる。 警察:安全を守ってもらうのに、手数料は払わない。 美術館:みんなが利用でき、有意義な生活を送れる。

なぜ、無料で公共サービスを受けたり、公共施設が利用できるのでしょうか?

■公共財とは

 公共財には、非排除性・非競合性という2つの性質があります。
 例えば、国防サービスは、同時に国中の人々が消費しているサービスであり、ある人が国防サービスを消費したからといって、他の人が同時に同じ国防サービスを消費できないものではありません。→ 非競合性
 また、国防サービスは、ある人を守るが、その隣に住んでいる人を守らないということはできません。国防サービスの供給は必然的にその国の住人すべてを防衛することになります。→ 非排除性
 このような性質を持ったサービスに対して、個々に利用料金を徴収しようとすると、対象となる利用者を限定することが難しく困難です。公共財を最適に供給しようとすると、その公共財に対する各人の評価を正確に把握し、その評価に応じた料金を徴収して公共財供給の費用を賄わなければなりません。
 また、それらの公共財供給を市場経済のルールに従い、消費者からの費用で賄おうとすると、費用負担を避けようとただ乗り(フリー・ライダー)する者も現れます。
 そのため、公共財を市場経済に任せた場合、これらのサービスは供給されないか、されても著しく過少になるという問題が生じます。
 しかし、このようなサービスはすべての国民に必要不可欠なものですから、政府や地方自治体が、税の徴収という形で、その公共財の供給費用を一括して徴収しています。
 このため、我が国では、国防、警察、消防などの利用料金が発生しません。

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