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No.4440 医療法人の持分に係る経済的利益についての贈与税の納税猶予の特例

[平成29年4月1日現在法令等]

1 特例のあらまし

 認定医療法人の持分を有する人(贈与者)がその持分の全部又は一部の放棄をしたことにより、その認定医療法人の持分を有する他の人(受贈者)に贈与税が課される場合には、納付すべき贈与税のうち、その放棄により受けた経済的利益の価額に対応する贈与税については、一定の要件を満たすことにより、認定移行計画に記載された移行期限まで、その納税が猶予されます(猶予される贈与税額を「医療法人持分納税猶予税額」といいます。)。
 この医療法人持分納税猶予税額は、次に掲げる場合に該当したときには、その全部又は一部が免除されます。

◎ 医療法人持分納税猶予税額が免除される場合

 認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までに、次の1又は2に掲げる場合に該当することとなったとき(一定の場合を除きます。)には、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに掲げる金額に相当する贈与税は、届出書を提出することにより、免除されます。

区分 届出により免除される額
1 認定医療法人の持分の全てを放棄※1した場合 医療法人持分納税猶予税額(全額)
2 認定医療法人が基金拠出型医療法人への移行をする場合において、持分の一部を放棄※1し、その残余の部分をその基金拠出型医療法人の基金として拠出※2したとき 医療法人持分納税猶予税額から基金として拠出した額に対応する部分の医療法人持分納税猶予税額の金額を控除した残額

※1 厚生労働大臣が定める「出資持分の放棄申出書」(医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)附則様式7)を認定医療法人に提出することにより放棄しなければなりません。

2 基金として拠出した額に対応する部分の医療法人持分納税猶予税額と利子税は免除されません。

 また、贈与者による認定医療法人の持分の放棄があった日から贈与税の申告期限までの間に、次の1から4までのいずれかに該当する場合には、この特例の適用を受けることはできません。

1 認定医療法人の持分に基づき出資額に応じた払戻しを受けた場合
2 認定医療法人の持分の譲渡をした場合
3 認定医療法人の持分の全部又は一部を放棄し、「医療法人の持分に係る経済的利益についての贈与税の税額控除の特例」の適用を受ける場合
  • (注)1 「認定医療法人」とは、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律(平成18年法律第84号。以下、「平成18年医療法等改正法」といいます。)附則第10条の4第1項に規定する認定医療法人をいい、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(平成26年10月1日)から平成32年9月30日までの間に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人に限ります。
     なお、「厚生労働大臣の認定」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の3第1項の規定による厚生労働大臣の認定をいい、「医療法人」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の2に規定する経過措置医療法人(平成19年4月1日前に設立された社団たる医療法人又は同日前に医療法第44条第q項の規定による認可の申請をし、同日以後に設立の認可を受けた社団たる医療法人であって、その定款に残余財産の帰属すべき者に関する規定を設けていないもの及び残余財産の帰属すべき者として同条第5項に規定する国若しくは地方公共団体又は厚生労働省令で定める一定の者以外の者を規定しているものをいいます。)をいいます。
  • 2 「認定移行計画」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の4第2項に規定する認定移行計画をいいます。
     なお、認定移行計画に記載する平成18年医療法等改正法附則第10条の2に規定する新医療法人(社団たる医療法人であって、その定款に残余財産の帰属すべき者として医療法第44条第5項に規定する国若しくは地方公共団体又は厚生労働省令で定める一定の者を規定しているものをいいます。)への移行期限は、厚生労働大臣の認定の日から起算して3年を超えない範囲内のものであることが認定の要件となっています。
  • 3 「基金拠出型医療法人」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の3第2項第1号ハに規定する基金拠出型医療法人をいいます。

2 特例を受けるための要件

 この特例の適用を受けるためには、次の要件のいずれにも該当する必要があります。

  1. (1) 贈与者の要件
  2.  認定医療法人(贈与者による持分の放棄があった日において、認定医療法人である医療法人に限ります。以下同じです。)の持分を有していた人であること。
  3. (2) 受贈者の要件
  4.  認定医療法人の持分を有していた人(贈与者による認定医療法人の持分の放棄により受けた経済的利益について贈与税が課される人に限ります。)であること。
  5. (3) 特例の対象となる経済的利益の要件
  6.  贈与者による認定医療法人の持分の放棄により受けた経済的利益で、贈与税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨を記載したものであること。
  7. (4) 申告の手続
  8.  この特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書に、次の表に掲げる書類を添付して、その申告書を贈与税の申告書の提出期限内に提出するとともに、医療法人持分納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保(この特例の適用に係る認定医療法人の持分でなくても差し支えありません。)を提供する必要があります。
添付書類
1 認定医療法人の定款の写し(厚生労働大臣の認定を受けたことを証する書類)
2 認定医療法人の認定移行計画の写し
3 贈与者による認定医療法人の持分の放棄の直前及びその放棄の時における認定医療法人の出資者名簿の写し

(注) 受贈者が、担保を提供する時において有している認定医療法人の持分の全てを担保として提供した場合には、医療法人持分納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保の提供があったものとみなされます。その際の提出書類は次に掲げるとおりです。

認定医療法人の持分の全てを担保とする場合の担保提供関係書類
  • 受贈者が有する認定医療法人の持分についての質権設定の承諾書
  • 印鑑証明書(質権設定の承諾書に押印したもの)
  • 特例の適用に係る認定医療法人が、受贈者が有する持分に質権を設定されることについて承諾した旨が記載された公正証書など、租税特別措置法施行規則第23条の12の2第1項第3号に規定する書類

3 医療法人持分納税猶予税額の納付

  1. (1) 医療法人持分納税猶予税額を納付しなければならない場合
     納税猶予を受けている贈与税額は、次の表に掲げる場合に該当することとなったときは、その贈与税額の全部又は一部を納付しなければなりません。
  2. ◎ 医療法人持分納税猶予税額の全部確定
  3. a 贈与税の申告期限から認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までの間に、認定医療法人の持分に基づき出資額に応じた払戻しを受けた場合
    b 贈与税の申告期限から認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までの間に、認定医療法人の持分の譲渡をした場合
    c 認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までに、新医療法人への移行をしなかった場合
    d 認定医療法人の認定移行計画について、厚生労働大臣の認定が取り消された場合
    e 認定医療法人が解散をした場合(合併により消滅をする場合を除きます。)
    f 認定医療法人が合併により消滅をした場合(合併により医療法人を設立する場合において受贈者が持分に代わる金銭その他の財産の交付を受けないときなど一定の場合を除きます。)
  4. ◎ 医療法人持分納税猶予税額の一部確定
  5.  認定医療法人が認定移行計画に記載された移行期限までに、基金拠出型医療法人への移行をする場合において、受贈者が認定医療法人の持分の一部を放棄し、その残余の部分を基金拠出型医療法人の基金として拠出したとき。
  6. (2) 利子税
     上記(1)により納付する贈与税額については、申告期限の翌日から納税猶予の期限までの期間(日数)に応じ、年6.6%の割合で利子税がかかります。
     利子税の計算にあたり、各年の特例基準割合(※)が7.3%に満たない場合は、以下のとおりとなります。

    (算式)

    6.6% × 特例基準割合(※) ÷ 7.3% (注)0.1%未満の端数は切り捨て

     (例) 特例基準割合(※)が1.8%の場合・・・1.6%

     (注) 特例基準割合(※)が変動すると利子税の割合も変動します。詳しくは、最寄りの税務署にお尋ねください。

    ※ 特例基準割合

     各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合。

4 納付義務の承継

 認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までに、この特例の適用を受ける受贈者が死亡した場合には、その受贈者に係る医療法人持分納税猶予税額の納付義務は、その受贈者の相続人が承継することになります(死亡した受贈者に係る医療法人持分納税猶予税額は、免除されません。)。

 (措法70の7の5、措令40の8の4、措規23の12の2、平26改正法附則1二十二、128)

  •  国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。

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