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No.4438 農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例

[平成28年4月1日現在法令等]

1 特例のあらまし

 農業を営んでいる人が、農業の用に供している農地の全部並びに採草放牧地及び準農地の一定部分をその農業を引き継ぐ推定相続人の1人に贈与した場合には、その贈与を受けた人(受贈者といいます。)に課税される贈与税については、その贈与を受けた農地等について受贈者が農業を営んでいる限り、その納税が猶予されます(猶予される贈与税額を「農地等納税猶予税額」といいます。)。
 この農地等納税猶予税額は、受贈者又は贈与者のいずれかが死亡した場合には、その納税が免除されます。ただし、贈与者の死亡により農地等納税猶予税額の納税が免除された場合には、特例の適用を受けて納税猶予の対象になっていた農地等(特例農地等といいます。)は、贈与者から相続したものとみなされて相続税の課税対象となります。

2 特例を受けるための要件

 この特例を受けることができるのは、次の要件の全てに該当する場合に限られます。

(1) 贈与者の要件

 贈与の日まで3年以上引き続いて農業を営んでいた個人で、次の表に掲げる場合に該当しない人であること。

  1. イ 贈与をした日の属する年(「対象年」といいます。)の前年以前において、推定相続人に対し相続時精算課税を適用する農地等の贈与をしている場合
  2. (注) 過去の年分において、贈与者の推定相続人に農地を贈与し、その推定相続人が相続時精算課税の適用を受けている場合には、その贈与者の全ての推定相続人がこの特例を受けられないことになります。
  3. ロ 対象年において、今回の贈与以外に農地等の贈与をしている場合
  4. ハ 過去に農地等の贈与税の納税猶予の特例に係る一括贈与をしている場合

(2) 受贈者の要件

 贈与者の推定相続人のうちの1人で、次の要件の全てに該当するものとして農業委員会が証明した個人であること。

  1. イ 贈与を受けた日において、年齢が18歳以上であること
  2. ロ 贈与を受けた日まで引き続き3年以上農業に従事していたこと
  3. ハ 贈与を受けた後、速やかにその農地及び採草放牧地によって農業経営を行うこと
  4. 二 農業委員会の証明の時において認定農業者等であること

(注)

1 認定農業者等とは、次のいずれかに該当する者をいいます。

1 農業経営基盤強化促進法第12条に基づく農業経営改善計画に係る認定を受けた農業経営者(認定農業者)

2 新たに農業経営を営もうとする青年等で農業経営基盤強化促進法第14条の4で規定する青年等就農計画の認定を受けた者(認定就農者)

3 農業経営基盤強化促進法法第6条第1項に規定する基本構想に定められた同条第2項第2号に掲げる事項を満たしている者

2 贈与を受けた農地等について、この特例の適用を受ける場合には、その農地等については相続時精算課税の適用を受けることはできません。

(3) 特例農地等の要件

 贈与者の農業の用に供している農地等のうち「農地の全部」、「採草放牧地の3分の2以上の面積のもの」及び「準農地の3分の2以上の面積のもの」について一括して贈与を受けること。

(注)

  • 1 農地等とは、農地(特定市街化区域農地等に該当するもの及び農地法第32条第1項又は第33条第1項の規定による同法第32条第1項に規定する利用意向調査に係る農地で同法第36条第1項各号に該当するとき(同項ただし書に規定する正当な事由があるときを除きます。)における当該農地を除きます。)及び採草放牧地(特定市街化区域農地等に該当するものを除きます。)並びに準農地をいいます。
  • 2 特定市街化区域農地等とは、都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域内に所在する農地又は採草放牧地で、平成3年1月1日において首都圏、近畿圏及び中部圏の特定市(東京都の特別区を含みます。)の区域内に所在するもの(都市営農農地等に該当するものを除きます。)をいいます。
  • 3 都市営農農地等とは、都市計画法第8条第1項第14号に掲げる生産緑地地区内にある農地又は採草放牧地で、平成3年1月1日において首都圏、近畿圏及び中部圏の特定市(東京都の特別区を含みます。)の区域内に所在するものをいいます。ただし、生産緑地法第10条又は同法第15条第1項の規定により買取りの申出がされたものを除きます。
  • 4 準農地とは、農用地区域内にある土地で農業振興地域整備計画において用途区分が農地や採草放牧地とされているもののうち、10年以内に農地や採草放牧地に開発して、農業の用に供するものをいいます。
  • 5 今回の贈与の前年以前に贈与者が贈与した採草放牧地又は準農地のうち相続時精算課税の適用を受けたものがある場合には、贈与しなければならない採草放牧地又は準農地の面積が上記と異なりますので、詳しくは税務署におたずねください。

3 特例を受けるための手続等

  1. (1) 申告の手続
     この特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書に一定の書類を添付して、その申告書を贈与税の申告書の提出期間内に提出するとともに、農地等納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。
  2. (2) 納税猶予期間中の手続
     この特例の適用を受けた人は、納税猶予の期限が確定するまで又は納税が免除されるまでの間、贈与税の申告期限から3年目ごとに、引き続いてこの特例の適用を受ける旨及び特例農地等に係る農業経営に関する事項を記載した届出書(「継続届出書」といいます。)を提出しなければなりません。
  3. (注) 継続届出書の提出がないと納税猶予は打ち切られ、農地等納税猶予税額と利子税を納付しなければなりません。

4 農地等納税猶予税額の納付

  1. (1) 農地等納税猶予税額を納付しなければならない場合
     納税猶予を受けている贈与税額は、次に掲げる場合に該当することとなったときは、その贈与税額の全部又は一部を納付しなければなりません。
  2. イ 贈与を受けた農地等について、譲渡等があった場合
  3. (注) 譲渡等には、譲渡、贈与若しくは転用のほか、地上権(地下又は空間を目的とするものの内、受贈者が当該農地等を耕作等している場合を除きます。)永小作権、使用貸借による権利若しくは賃借権の設定(農用地利用集積計画に基づくもの等で一定の要件を満たすものを除きます。)又はこれらの権利の消滅若しくは耕作の放棄(農地について、農地法第36条第1項の規定による勧告があったことをいいます。)の場合も含まれます。
  4. ロ 贈与を受けた農地等に係る農業経営を廃止した場合
  5. ハ 受贈者が贈与者の推定相続人に該当しないこととなった場合
  6. ニ 継続届出書の提出がなかった場合
  7. ホ 担保価値が減少したことなどにより、贈担保又は担保の変更を求められた場合で、その求めに応じなかった場合
  8. へ 都市営農農地等について生産緑地法の規定による買取りの申出があった場合や都市計画の変更等により特例農地等が特定市街化区域農地等に該当することとなった場合
  9. ト 準農地について、この特例の適用を受けた場合で、申告期限後10年を経過する日までに、農業の用に供されていない準農地がある場合
  10. (2) 納付すべき税額に係る利子税
     上記(1)に該当して農地等納税猶予税額を納付しなければならなくなった場合には、その納付すべき税額について贈与税の申告期限の翌日から納税猶予の期限までの期間に応じて年3.6%の割合で利子税がかかります。
     ただし、利子税の計算にあたり、各年の特例基準割合(※)が年7.3%に満たない場合は、以下のとおりとなります。

 (算式)
 3.6% × 特例基準割合(※) ÷ 7.3% (注)0.1%未満の端数は切り捨て

(例) 特例基準割合(※)が1.8%の場合・・・0.8%

(注) 特例基準割合(※)が変動すると利子税の割合も変動します。詳しくは最寄りの税務署にお尋ねください。

※ 特例基準割合
【平成25年12月31日まで】
 各年の前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率に4%を加算した割合

【平成26年1月1日以降】
 各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合

○ 特例農地等を収用交換等により譲渡した場合の利子税の特例

 特例農地等について収用交換等による譲渡をした場合には、その譲渡の時期に応じて、利子税の額が次のとおり軽減されます。

収用交換等による譲渡の時期 利子税の額
平成26年4月1日から平成33年3月31日までの間 0(零)
平成8年4月1日から平成26年3月31日までの間 通常納付すべき利子税の額2分の1の金額

 なお、利子税の特例の適用を受けるためには、公共事業施行者の収用交換等による譲渡を受けたことを証する書類を添付した届出書を提出する必要があります。

(措法70の4、70の5、70の8、93、平25改正法附則90、措令40の6、措規23の7)

参考:関連コード

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