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No.2735 同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき

[平成26年4月1日現在法令等]

 役員又は使用人に退職金を支払うとき、同じ年に既にほかの会社などから退職金をもらっていることがあります。
 また、一つの会社を退職するとき、同時に2か所以上から退職金が支払われることもあります。これらの場合には、支払者はほかの会社などが支払った退職金も含めて、源泉徴収税額を計算しなければなりません。
 このため支払者は、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」(以下「受給に関する申告書」といいます。)の提出を受ける必要があります。そして既にほかの会社などから退職金をもらっている場合には、「退職所得の源泉徴収票」も併せて提出を受けてください。この場合、「受給に関する申告書」には、以前に支払を受けた退職金等の額、源泉徴収された税額、支払年月日及び勤続年数等を記入することになります。
 同じ年に2か所以上から退職金をもらったときの勤続年数は、それぞれの勤続期間のうち、最も長い期間により計算します。ただし、その最も長い期間以外の期間のうちにその最も長い期間と重複していない期間がある場合は、その重複しない部分の期間を最も長い期間に加算して勤続年数を計算します。この勤続年数に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。
 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額の求め方は、設例のとおりです。

(設例)
 甲さんは、平成26年にA社とB社を退職する予定です。勤続期間及び受給する退職金は次のとおりです。
A社 就職日:平成17年4月1日 退職予定日:平成26年3月31日
 退職金支給予定月:平成26年5月
 退職金支給予定額:400万円
 「受給に関する申告書」を支払者へ提出予定です。
B社 就職日:平成19年4月1日 退職予定日:平成26年7月31日
 退職金支給予定月:平成26年9月
 退職金支給予定額:180万円
 「受給に関する申告書」及びA社から交付を受ける退職所得の源泉徴収票は支払者へ提出予定です。

1 A社の場合

 甲さんは、その年最初の退職金の受給となるので、A社は以下のとおり勤続年数(就職日から退職日)を計算し退職所得控除額を計算した上で、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額を計算します。

イ 勤続年数の計算
 勤続年数は、平成17年4月1日から平成26年3月31日ですから9年となります。

ロ 退職所得控除額の計算
 退職所得控除額は、次の表のとおりです。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

  40万円×9年=360万円
 退職所得控除額は、360万円になります。

ハ 課税退職所得金額の計算
 退職金支給額から、上記ロで計算した退職所得控除額を差し引いた金額を2分の1にします(2分の1にした金額に千円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます)。
 (400万円-360万円)×1/2=20万円
 課税退職所得金額は、20万円になります。

ニ 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額の計算
 上記ハで求めた課税退職所得金額に応じて、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」の「税額」欄の算式に従い源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額を求めます(求めた税額に1円未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てます)。
 20万円×5%×102.1=10,210円
 A社が源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は、10,210円となります。

2 B社の場合

 甲さんは、その年2か所目の退職金の受給となりますので、B社では既に支払を受けたA社からの退職金も含めて源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額を計算します。

イ 勤続年数の計算
 最も長い勤続期間はA社ですので、A社の勤続期間にA社と重複しないB社の勤続期間を加算します。これは、甲さんの最も古い就職の日から今回の退職の日までの期間と同じになりますので、最も古いA社の就職の日平成17年4月1日からB社の退職の日平成26年7月31日までの9年4か月となります。1年未満の端数は1年に切り上げますので、勤続期間は10年になります。

ロ 退職所得控除額の計算
 上記退職所得控除額の表に基づき計算すると
 40万円×10年=400万円
 退職所得控除額は400万円になります。

ハ 課税退職所得金額の計算
 A社とB社の退職金を合計した金額から、上記ロで計算した退職所得控除額を差し引いた金額を2分の1にします(2分の1にした金額に千円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます)。
 {(400万円+180万円)-400万円}×1/2=90万円
 課税退職所得金額は、90万円になります。

ニ 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額の計算
 上記ハで求めた課税退職所得金額に応じて、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」の「税額」欄の算式に従い所得税及び復興特別所得税の額を求めます(求めた税額に1円未満の端数がある場合にはその端数を切り捨てます)。
 90万円×5%×102.1=45,945円
 A社の退職金について源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額10,210円を差し引きます。
 45,945円-10,210円=35,735円
 B社が源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は、35,735円になります。

 (注) 1回目の退職金に対する税額を差し引いた結果、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額がマイナスになったときは、今回支給する退職金から、源泉徴収する税額はないことになります。
 この場合、マイナスの金額の還付を受けるためには、退職金の受給者本人が確定申告をする必要があります。

 なお、「受給に関する申告書」の提出を受けていない場合には、退職金の支給額(退職所得控除額の控除前の金額)に20.42%の税率を乗じて計算した所得税及び復興特別所得税の額を源泉徴収しなければなりません。
 この場合には、退職金の受給者本人が確定申告を行い、所得税及び復興特別所得税の額を精算します。

(注) 支払われるべき退職金のうち、役員等としての勤続年数が5年以下の法人役員等の退職金については、課税退職所得金額の計算過程で2分の1にしません。

(通法118、119、通令40、所法30、120、122、201、203、所令69、69の2、71の2、所規77、所基通201-2、復興財確法28、31)

参考: 関連コード

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