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No.2725 退職所得となるもの

[平成28年4月1日現在法令等]

1 原則

 退職所得とは、退職手当、一時恩給その他退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(これらを「退職手当等」といいます。)に係る所得をいいます。
 この退職手当等とは、退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいいます。
 したがって、退職に際し又は退職後に使用者等から支払われる給与で、支払金額の計算基準等からみて、他の引き続き勤務している人に支払われる賞与等と同性質であるものは、退職所得ではなく給与所得とされます。 

2 退職手当等とみなす一時金

 次に掲げる一時金は退職手当等とみなされます。

  1. (1) 国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、独立行政法人農業者年金基金法、昭和60年改正前の船員保険法、平成23年地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律附則及び平成13年廃止前の農林漁業団体職員共済組合法の規定に基づいて支給される一時金
  2. (2) 次に掲げる一時金
    1. 1 石炭鉱業年金基金法の規定に基づく一時金で坑内員又は坑外員の退職に基因して支払われるもの
    2. 2 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(以下「平成25年厚生年金等改正法」といいます。)による改正前の厚生年金保険法第9章((厚生年金基金及び企業年金連合会))の規定に基づく一時金で厚生年金基金の加入員の退職に基因して支払われるもの
    3. 3 確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける一時金で加入者の退職により支払われるもの
    4. 4 特定退職金共済団体が行う退職金共済制度に基づいて、その被共済者の退職により支給される一時金
    5. 5 独立行政法人勤労者退職金共済機構が中小企業退職金共済法の規定により支給する一括払の退職金
    6. 6 独立行政法人中小企業基盤整備機構が小規模企業共済契約に基づいて支給する一定の共済金又は解約手当金
    7. 7 適格退職年金契約に基づき支給される一時金で従業員等の退職により支払われるもの
    8. 8 平成25年厚生年金等改正法附則又は同法による改正前の確定給付企業年金法の規定に基づいて厚生年金基金中途脱退者、解散厚生年金基金加入員、確定給付企業年金中途脱退者などが支給を受ける一定の一時金で加入員又は加入者の退職により支払われるもの
    9. 09 確定拠出年金法に規定する企業型年金規約又は個人型年金規約に基づいて老齢給付金として支給される一時金
    10. 10 独立行政法人福祉医療機構が社会福祉施設職員等退職手当共済法の規定により支給する退職手当金
    11. 11 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で、上記(1)及び(2)の12に掲げる法律の規定による社会保険又は共済に関する制度に類するものに基づき支給される一時金で、その制度の被保険者又は被共済者の退職により支払われるもの
    12. (注) 上記378の一時金について、一時金の支給を受ける加入者等が掛金等を負担している場合には、その一時金の額からその負担した金額を控除した金額に相当する部分に限ります。

3 引き続き勤務する人に支払われる給与で退職手当等とされるもの

 引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、次に掲げるもので、その後に支払われる退職手当等の計算上その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは、退職手当等とされます。

  1. (1) 新たに退職給与規程を制定し、又は中小企業退職金共済制度や確定拠出年金制度へ移行するなどの相当の理由により従来の退職給与規程を改正した場合に、使用人に対し、制定前又は改正前の勤続期間に係る退職手当等として支払われるもの

    (注) 合理的な理由による退職金制度の実質的な改変により精算の必要から支払われるものに限られますから、例えば使用人の選択によって支払われるものは、退職所得とはなりません。

  2. (2) 使用人から役員になった人に対し、使用人であった勤続期間に係る退職手当等として支払われるもの(退職給与規程の制定又は改正をして、使用人から役員になった人に対し使用人であった期間に係る退職手当等を支払うこととした場合に、その制定又は改正の時に既に役員になっている人の全員に対し退職手当等として支払われるもので、その人が役員になった時までの期間の退職手当等として相当なものを含みます。)
  3. (3) 役員の分掌変更等により、例えば常勤役員から非常勤役員(代表権がある人や代表権はないが実質的に経営上主要な地位を占めていると認められる人は除きます。)になったこと、分掌変更等の後の報酬がおおむね50%以上減少したことなどで、職務の内容や地位が激変した役員に対して、分掌変更等の前の役員であった勤続期間に係る退職手当等として支払われるもの
  4. (4) いわゆる定年に達した後引き続き勤務する使用人に対して、定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われるもの
  5. (5) 労働協約等の改正により、いわゆる定年を延長した場合に、旧定年(延長前の定年をいいます。)に達した使用人に対し、旧定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われるもので、その支給をすることにつき相当の理由があると認められるもの
  6. (6) 法人解散後に引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する人に対して、解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われるもの

4 使用人から執行役員への就任に伴い退職手当等として支給される一時金

 使用人(職制上使用人としての地位のみを有する人に限ります。)からいわゆる執行役員に就任した人に対して、その就任前の勤続期間に係る退職手当等として一時に支払われるもの(その後に支払われる退職手当等の計算上、今回の退職手当等の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものに限ります。)のうち、例えば次のいずれにも該当する執行役員制度の下で支払われるものは、退職手当等に該当します。

  1. (1) 執行役員との契約は、委任契約又はこれに類するもの(雇用契約又はこれに類するものは含まれません。)であり、かつ執行役員退任後の使用人としての再雇用が保障されているものではないこと
  2. (2) 執行役員に対する報酬、福利厚生、服務規律等は役員に準じたものであり、執行役員は、その任務に反する行為又は執行役員に関する規程に反する行為により使用者に生じた損害について賠償する責任を負うこと

(注) 上記例示以外の執行役員制度の下で支払われるものであっても、個々の事例の内容から判断して、使用人から執行役員への就任につき、勤務関係の性質、内容、労働条件等において重大な変動があって、形式的に継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とみられないなどの特別な関係があると認められる場合には、退職手当等に該当します。

5 受給者が掛金を拠出することにより退職に際して使用者から支払われる一時金

 使用人が在職中に使用者に対して所定の掛金を拠出することにより退職に際してその使用者から支払われる一時金は、退職所得とされます。この場合、課税の対象とされる金額は、その一時金の額から受給者が拠出した掛金の額と支払日までにその掛金の運用益として元本に繰り入れられた金額との合計額を控除した残額によります。

6 過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金に代えて支払われる一時金

 過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金の受給資格者に対し、その年金に代えて支払われる一時金のうち、退職の日以後その年金の受給開始日までの間に支払われるものは退職手当等とされます。
 その年金の受給開始日後に支払われる一時金は公的年金等に係る雑所得とされますが、将来の年金給付の総額に代えて支払われるものは退職手当等とされます。

7 解雇予告手当

 使用者が労働基準法第20条((解雇の予告))の規定による予告をしないで使用人を解雇する場合に、その使用者から支払われる予告手当は、退職所得とされます。

8 確定給付企業年金法等の規定に基づいて支払われる一時金

 確定給付企業年金法の規定、平成25年厚生年金等改正法による改正前の厚生年金保険法第9章((厚生年金基金及び企業年金連合会))の規定、適格退職年金契約又は確定拠出年金法の規定に基づいて支払われる一時金のうち、次に掲げるものは退職手当等とみなす一時金に含まれます。

  1. (1) 確定給付企業年金規約、厚生年金基金規約又は適格退職年金契約に基づいて支給される年金の受給資格者に対し年金に代えて支払われる一時金のうち、退職の日以後その年金の受給開始日までの間に支払われるもの又は年金の受給開始日後に支払われる一時金で、将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの
  2. (2) 確定拠出年金法に規定する企業型年金規約又は個人型年金規約に基づく年金の受給開始日後に支払われる一時金のうち、将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの
  3. (3) 確定給付企業年金規約の加入者又は存続厚生年金基金(存続連合会を含みます。)若しくは適格退職年金契約の加入員に対し、上記3の(2)及び(4)から(6)まで並びに4に掲げる退職に準じた事実等が生じたことに伴い加入者又は加入員(存続厚生年金基金の場合の加算適用加入員を含みます。)としての資格を喪失したことを給付事由として支払われる一時金(その事実等が生じたことを給付事由として、使用者から上記3の(2)及び(4)から(6)まで並びに4に掲げる退職手当が支払われる場合に限ります。)
     この場合において加入者又は加入員に支払われる退職手当等が確定給付企業年金規約又は厚生年金基金規約若しくは適格退職年金契約に基づいて支払われるもののみである場合には、上記かっこ書きは適用されません。

9 未払賃金立替払制度に基づき国が弁済する未払賃金

 事業主の倒産等により賃金の支払を受けないで退職した労働者に対し、国がその使用者に代わって未払賃金を弁済するといういわゆる未払賃金立替払制度に基づいて、労働者が国から弁済を受けた金額は、その事業主から退職した日において支払を受けるべき退職手当等とみなされます。

(所法30、31、所令72、所基通30-1、30-2、30-2の2、30-3、30-4、30-5、31-1、措法29の6)

参考: 関連コード

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