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ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成29年度(第67回)税理士試験出題のポイント所得税法

所得税法

出題のポイント

〔第一問〕

問1

1 納税地について

 所得税法では、納税者の申告、申請、請求、届出及び納付等の相手方となる税務官庁あるいは更正、決定通知等の行政処分を行う税務官庁を決定する基準となる納税地が定められている。また、納税義務者が、住所と事業所等の双方を有している場合には、税務署長に対し一定の事項を届け出ることにより、その事業所等の所在地を納税地とすることができる旨定められているところ、平成29年度税制改正において、納税地の変更に関する届出については、変更後の納税地の所轄税務署長への提出を不要とする改正が行われた。
 本問は、納税地の原則的な取扱い及びその例外について、理解しているか問うものである。

2 事業主が生計を一にする親族に対して支払う給料について

 所得税法では、所得分割の恣意性を排除する観点等から、居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む事業所得等を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払いを受ける場合には、その対価の金額は、その事業に係る事業所得等の計算上、必要経費に算入されず、また、その親族が支払いを受けた対価の額及びその親族がその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その所得の計算上ないものとみなす旨規定されている。
 ただし、居住者と生計を一にする配偶者その他の親族で専らその居住者の営む事業所得等を生ずべき事業に従事する者が支払いを受ける給与については、その居住者が青色申告の承認を受けている場合には、一定の書類の提出及び基準を満たすことを要件として、当該居住者の必要経費への算入及び支払いを受けた者の給与所得の収入金額とすることが認められている。
 本問では、このような観点を踏まえ、事業主が生計を一にする親族に対して支払う給料に関する所得税法上の取扱いについて、理解しているか問うものである。

3 開業時に行うべき届出等について

 開業に当たっては、所得税法等において、納税者は必要に応じて各種手続を行うことが要求されている。
 本問は、甲の相談内容に即して、開業時に提出しなければならないもの及び提出できるものを峻別できるか、また、それぞれについて、提出期限、提出先、提出が省略できる場合及び提出できるものにつき提出しなかった場合の取扱いを理解しているか問うものである。

4 予定納税制度について

 所得税及び復興特別所得税は、1年間の所得とそれに対する税額を計算した上で確定申告をし、その税額を納めることになっているが、この税額を一時に納付する負担感の緩和や国の歳入を平準化する目的から、前年分の確定申告に基づいて計算した予定納税額をあらかじめ納付する予定納税制度が採られている。
 本問は、以下の事項を中心に、予定納税制度について理解しているか問うものである。

  1. (1) 予定納税制度の意義について
  2. (2) 予定納税額の納付について
  3. (3) 予定納税基準額について
  4. (4) 予定納税額の減額承認申請について

〔第二問〕

問1

 所得税法では、その所得の発生原因、担税力等に応じて、まず、所得を10種類に分類した上で、これらの各種所得ごとにその所得金額を計算し、課税標準である総所得金額等を計算することとしている。そして、課税標準額から所得控除額を控除して課税総所得金額等を計算し、その課税総所得金額等に対する税額を計算することとしている。
 本問においては、各種所得金額の区分から納税すべき税額又は還付されるべき税額の算出に至る一連の計算過程を総合的に理解しているかどうかを問うものである。
 主なポイントは、次のとおりである。

  1. (1) 事業所得と雑所得の区分
  2. (2) 雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除の計算方法
  3. (3) 従来の医療費控除及び医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)の有利、不利判定を含む各種所得控除額の算出方法
  4. (4) 繰上返済を行った場合の住宅借入金等特別控除の適用の可否

問2

 所得税法では、その所得の発生原因、担税力等に応じて、まず、所得を10種類に分類した上で、これらの各種所得ごとにその所得金額を計算し、課税標準である総所得金額等を計算することとしている。
 特に、個人が自ら居住の用に供している家屋及びその敷地等を譲渡するような場合には、これに代わる居住用財産を取得するのが通常であるなど、一般の資産の譲渡に比して特殊な事情があり、担税力も高くない例が多いこと等を考慮して、租税特別措置法では、軽減税率の適用及び特別控除といった特例を設けている。
 本問においては、数ある特例の中でも、居住用財産を譲渡した場合の特例について、夫婦共有の場合のあん分計算並びに取得費及び譲渡費用の区分を中心に、居住用財産を譲渡した場合の計算について理解しているかとともに、各種所得金額の区分から納税すべき税額又は還付されるべき税額の算出に至る一連の計算過程を総合的に理解しているかどうかを問うものである。
 主なポイントは、次のとおりである。

  1. (1) 不動産の譲渡に係る取得費及び譲渡費用の区分
  2. (2) 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  3. (3) 確定拠出年金(個人型)の控除の可否
  4. (4) 配偶者(特別)控除の適用の可否