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ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成28年度(第66回)税理士試験出題のポイント国税徴収法

国税徴収法

出題のポイント

〔第一問〕

問1

  1. (1) 技術者、職人等の生業を維持する観点から、その業務に欠くことができない器具等は、その者の承諾がある場合であっても差し押さえることができない(徴法751五)。
     一方、滞納者の職業又は事業の継続に必要な機械、商品等については、滞納者が他に適当な財産を提供した場合は、差押えをしないものとされている(徴法78三)。
     本問は、それぞれの財産の差押えが禁止されている制度を正確に理解しているかを問うものである。
  2. (2) 税務署長は、滞納者の動産を占有する第三者に対し、差押えのためにその財産の引渡しを命じた場合において、第三者の請求があるときは、その占有の基礎となる契約の期間内は、第三者に使用又は収益をさせなければならない(徴法592)。
     本問は、賃借権を有する者の使用収益に関して、差押えの前後(差押え後の使用収益の許可(徴法612)、差押換えの請求(徴法50))で異なる手続を正確に理解しているかがポイントとなる。

問2

 税務署長は、納税者が災害、病気等により国税を一時に納付することができないと認められるなど、一定の要件に該当するときは、納税を猶予することができる(通法462)。
 また、税務署長は、滞納者が国税を一時に納付することによりその事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められるなど、一定の要件に該当するときは、滞納処分による財産の換価を猶予することができる(徴法151の2)。
 本問は、国税の猶予制度のうち、納税の猶予と申請による換価の猶予を対比して理解しているかを問うものである。

〔第二問〕

 納税者が死亡した場合は、相続人はその被相続人が納付すべき国税の納付義務を承継する(通法51)。
 この承継された国税について徴収職員が相続人の財産を差し押さえる場合は、滞納処分の執行に支障がない限り、まず相続財産を差し押さえるように努めなければならない(徴法511)。
 また、被相続人の国税につき相続人の固有財産が差し押さえられた場合には、その相続人は、税務署長に対し、他に換価が容易な相続財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産によりその国税の全額を徴収することができることを理由として、その差押換えを請求することができる(徴法512)。
 なお、相続財産から徴収する相続人の固有の国税であって、相続開始前に納付すべき税額が確定したものと抵当権との優劣は、原則的な法定納期限ではなく、相続のあった日と抵当権の設定の前後により定まることになる(徴法151七)。
 本問は、相続に関連する国税の徴収の制度を体系的に理解しているかがポイントとなる。