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ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成26年度(第64回)税理士試験出題のポイント国税徴収法

国税徴収法

出題のポイント

〔第一問〕

問1

  1. (1) 差押財産を換価した場合には、その差押財産上の質権、抵当権等は、その買受人が買受代金を納付した時に消滅するのが原則である。しかしながら、税務署長は、不動産、船舶、航空機、自動車又は建設機械を換価する場合において、質権、抵当権者等から申出があったときなど一定の要件に該当するときには、その財産上の質権、抵当権等に関する負担を買受人に引き受けさせることができる(徴法124)。
    本問は、この差押財産を換価した場合の担保権の消滅及び引受けについての正確な理解がポイントとなる。
  2. (2) 納税者が国税の法定納期限等後に登記した抵当権を設定した財産を譲渡したときは、一定の要件の下、譲渡した財産の強制換価手続において抵当権者が配当を受けるべき金額のうちから、納税者の国税を徴収することができるが、その財産について強制換価手続が実施されないときには、税務署長は、その抵当権者に代位して抵当権を実行することができる(徴法2213)。 本問は、この抵当権付財産が譲渡された場合の抵当権の代位実行についての正確な理解がポイントとなる。

問2

 個人の事業者がその事業を法人に組織変更して自己を中心とした同族会社を設立し、その同族会社にその個人の事業用財産を出資する事例があるが、このような場合には、その同族会社の株式又は出資には市場性がなく、また個人に滞納処分の対象となる財産が残存していない場合が多い。このため、国税徴収法35条(同族会社の第二次納税義務)は、個人からの国税の徴収を確保する措置として、その株式又は出資の価額に相当するものにつき、直接その同族会社に第二次納税義務を負わせることとしている。
 本問は、この同族会社の第二次納税義務についての理解度を問うものであり、与えられた事実関係から同族会社の第二次納税義務に結びつけることができるかどうかがポイントとなる。

〔第二問〕

 本問は、具体的な設例の下、滞納整理全般に関する理解度を問う総合問題である。

問1

 徴収職員は、捜索等をする場合において、その執行のため支障があると認められるときは、捜索等をする間は、一定の者を除き、その場所に出入りすることを禁止することができる(徴法145)。また、徴収職員は、捜索に際し必要があるときは、滞納者等に戸若しくは金庫その他の容器の類を開かせ、又は自らこれを開くため必要な処分をすることができる(徴法1423)。
 本問は、この捜索における出入禁止及び捜索の方法についての正確な理解がポイントとなる。

問2

 動産の差押えは、徴収職員がその動産を占有して行う(徴法561)。徴収職員が、動産を差し押さえた場合において、その動産の搬出が困難であるなど、必要があると認めるときは、差し押さえた動産を滞納者に保管させることができ、この場合、徴収職員は、封印、公示書その他差押えを明白にする方法により、差し押さえた旨を表示しなければならない(徴法60)。
 本問は、この動産の差押手続についての正確な理解がポイントとなる。

問3

 差押債権の第三債務者が、徴収職員に対し、約束手形等を提供して、その約束手形等の取立てとその取り立てた金銭による債務の弁済の委託をしようとする場合には、徴収職員は、一定の要件の下、その委託を受けることができる(徴法674、徴令29)。
 本問は、この第三債務者による弁済の委託についての正確な理解がポイントとなる。

問4

 差押財産が損害保険に付されている場合において、その財産を差し押さえた旨を保険会社に通知しているときには、その差押えの効力は保険金の支払を受ける権利に及ぶ(徴法53)。また、保険金が支払われた場合における差押財産上の抵当権等の被担保債権と差押国税との優先関係については、その保険金が差押財産の換価代金に相当するものとして、国税徴収法16条(法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)等の規定が適用されることになる。
 本問は、この保険に付されている財産に対する差押えの効力及び保険金が支払われた場合の優先関係についての理解度を問うものであり、配当額の計算に当たっては、根抵当権の優先額の限度についての正確な理解がポイントとなる。