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ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成25年度(第63回)税理士試験出題のポイント国税徴収法

国税徴収法

出題のポイント

〔第一問〕

問1
 滞納処分による差押えは、滞納者が国税をその納期限までに完納しないことにより督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときに行うのが通常である(徴471一)。しかしながら、通常の差押えが執行できない局面において、国税の保全措置を講じなければその徴収を確保できない場合があることに備えて、1繰上保全差押え(通3834)、2保全差押え(徴15913)、3繰上請求がされた国税による差押え(徴471二)、4繰上差押え(徴472)が認められている。また、そのほかに、国税の担保として提供された財産又は保証人がある場合の当該担保財産又は保証人の財産に対する差押えや、本来の納税者から滞納国税を徴収できない場合に、一定の要件の下で、納税義務を拡張する場合の第二次納税義務者の財産又は譲渡担保財産の差押えについても、通常の差押えとは異なる要件が定められている(通521、徴4713、243)。
 本問は、上記の各種差押えについて、法令で定められた差押えの要件についての正確な理解がポイントとなる。

問2
 国税に関する法律に基づく処分に係る不服申立てについては、処分があったことを知った日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して2月以内にしなければならない(通771)。しかしながら、督促、差押え、公売又は配当に関する不服申立てについては、滞納処分の手続の安定を図り、かつ、換価手続により権利を取得し、又は利益を受けた者のこれらの権利、利益の保護を図るため、一定の処分についてその不服申立ての期間が制限されている(徴171)。
 具体的には、1督促に関し欠陥があることを理由とする不服申立てについては、差押えに係る通知を受けた日から2月を経過した日、2不動産等についての差押えに関し欠陥があることを理由とする不服申立てについては、その公売期日等、3不動産等についての公売公告から売却決定までの処分に関し欠陥があることを理由とする不服申立てについては、換価財産の買受代金の納付の期限、4換価代金等の配当に関し欠陥があることを理由とする不服申立てについては、換価代金等の交付期日までしか不服申立てをすることができないとされている。
 本問は、この滞納処分に関する不服申立ての期限の特例についての理解度を問うものであり、その趣旨及び内容についての正確な理解がポイントとなる。

〔第二問〕

 国税徴収法は、給与収入が一般の給与生活者の生計に占める重要性に鑑み、給与生活者の最低生活の維持等に充てるべき金額に相当する給料、賞与及び退職手当等の差押えを禁止している(徴76)。
 本問は、滞納整理における具体的な設例の下、徴収職員の財産調査の権限、退職金の差押手続及びその効力発生時期、差し押さえた退職金を取り立てた場合の効果、退職金についての差押可能金額を問う総合問題であり、質問検査権(徴141)、債権の差押えの手続及び効力発生時期(徴62)、金銭取立ての効果(徴673)、退職金の差押禁止(徴764)についての正確な理解がポイントとなる。特に、退職金についての差押可能金額の算出については、退職金の支給となった期間(勤続年数)に応じた一定金額についての差押禁止額を算出するなどして差押可能金額を正しく算出できるかどうかがポイントとなる。