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ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成25年度(第63回)税理士試験出題のポイント相続税法

相続税法

出題のポイント

〔第一問〕

問1
 贈与税は、相続税の補完税としての役割を有するといわれている。その意味において、相続税法では、例えば、相続又は遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得している場合には、その者については、その者の相続税の課税価格にその贈与により取得した財産の価額を加算した金額をその者の相続税の課税価格とみなし、その課税価格に基づいて計算した相続税額からその加算した贈与財産について課された贈与税額を控除した金額を、その者の納付すべき相続税額とするとの規定のように、様々な調整措置が設けられている。
 また、これらの調整措置を適用した結果、税額計算の基礎となった事実関係に変動が生じ、相続税額等に異動が生じた場合には、その是正手段として、期限後申告、修正申告又は更正の請求があり、相続税法では、その手続に関する調整措置も設けられている。
 本問では、このように重要な相続税と贈与税との相続税法上の調整措置の内容について説明を求めるものである。
 なお、本問では、当初から特定贈与者の相続開始時に相続税で精算することが前提とされている相続時精算課税に関する部分については、記載を要しないこととした。

問2
 相続人が、相続又は遺贈による財産の取得直後に、当該財産を公益法人等に贈与する場合、当該贈与は、相続又は遺贈に係る被相続人の意思等に基づいて行われることが多い。また、我が国では、民間事業による科学や教育の振興、社会福祉の向上等の重要性から、法人税や所得税において特定の公益法人等への寄付について寄付金控除が認められている。それらの理由から、相続税では、一定の要件を満たす相続財産の贈与が行われた場合、当該贈与された相続財産を相続税の非課税財産としている。
 すなわち、相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該取得した財産をその取得後、当該相続又は遺贈に係る相続税申告書の提出期限までに国若しくは地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人その他の公益を目的とする事業を行う法人のうち、教育若しくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものに贈与をした場合で、一定の要件を満たすときは、当該贈与をした財産の価額は、当該相続又は遺贈に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入されない。
 本問は、このような公益法人等に対して相続財産を贈与した場合の相続税の非課税について、理解しているかどうかを具体的事例に即して説明を求めるものである。

〔第二問〕

 相続税全般に関する理解度を測定するため、個別の財産評価、課税価格の算定、相続税の総額及び各相続人等の納付すべき税額までの算出を求める総合問題である。主なポイントは次のとおりである。

  1. (1) 取引相場のない株式の評価について、類似業種比準価額、純資産価額の評価方法を理解しているかどうか。
  2. (2) 農地の評価方法を理解しているかどうか。
  3. (3) 宅地の評価方法を理解しているかどうか。
  4. (4) 不整形地の評価方法を理解しているかどうか。
  5. (5) 小規模宅地等の特例の適用要件等を理解しているかどうか。
  6. (6) 上場株式、公社債、抵当証券等の評価方法を理解しているかどうか。
  7. (7) みなし相続財産である生命保険金及び退職手当金について理解しているかどうか。
  8. (8) 生前贈与された財産の相続税の課税価格に加算される財産の範囲と贈与税額控除の控除対象を理解しているかどうか。
  9. (9) 債務及び葬式費用について、それぞれの控除範囲を理解しているかどうか。